悪役令嬢は今日も嘘を着飾る
あぁ〜相変わらず鬱陶しいですわね。
変なマウントとらないでほしいですわ。これだから貴族社会は嫌いなのです。私は一刻でも速くあの人の元へ行きたいのに…仮病でも使おうかしら?
それにしてもさっきの方あんなに素敵な人初めて見ましたわ…一目惚れってこんな感じなのでしょうか?
見た目はデブで低身長で小汚くて頭悪そうだと思ったのに…あれは反則ですわ!!しかも同じ幻想魔法を使っていてその仮面の下には…銀翠のフワッフワな髪に少しツリ目で儚い金色の瞳…しかも身長まで偽装しているのですよ!?ほんとになんて美しいお方なのでしょうか。
思わず婚約を迫りそうになってしまいましたわ。
それに、私が好きな【月が見捨てる闇の日に】というマイナーな本の男主人公に対するセリフを言ってしまったのにセリフを返してきたんですのよ!?恐らく知識が豊富な方なのでしょう。
しかも、最後のセリフ…思い出しただけでも…キャーー!!あぁ最後赤くなったの気づかれてないかしら?
初めて一目惚れ(?)というものをしたからどうしたらいいか全くわからないわ…。このあと、どうしましょう?服装は何がよろしいのか全くわかりませんわ…。
あの方…わたしの幻想魔法見破ってましたわね。確かにただの魔法の応用なものですけど、どうして隠していたのでしょう?何か私みたいに事情があるのかしら?
ふふっ…さっきの驚いていた顔少し可愛かったですわ。
「何をそんなにニヤついているのよ?あんた!」
あら〜五月蝿い小蝿が来ましたわね。
「そんなことはないわよ?」
「嘘ね!そんなに余裕ぶれるのは今のうちよ!
第二王子様の婚約者の座はこのベール伯爵家長女フィーリア・ベールがいただくわ!」
この子、私が公爵令嬢だってわかってるのかしら?けど私も癇癪持ちの子みたいに振る舞ってるけど、今日は時間が惜しいわね。早く帰りたいわ……。
「それにあんた!さっきの令息と話してたの見たのよ!あんた…もしかして」
しまった!この子意外と鋭いわね。魔法も見破られているのなら何か要求をしてくるのかしら?
「あの豚令息とデキてるわけ!?(笑)豚令息と豚令嬢お似合いのカップリングじゃない!」
前言撤回 ただの馬鹿でしたわ…けど私はともかくあの方を愚弄するなど万死に値しますわね。
伯爵だと権力で潰すのは難しいかしら?
「おい!そこの二人何を揉めているのだ!」
「第二王子殿下様!!」
また面倒くさいヤツが来ましたわね。演技って意外と疲れるのよね〜。ハァ…
「第二王子殿下様!お会いしたかったですわ!私はリッド公爵家アイリス・リッドですのよ!」
「ちょっと!抜け駆けしないでよ!」
「ふむ…俺のことは知ってるな。お前みたいな奴が婚約者の最有力候補か?痩せてから出直してこい。デブが。」
カチンッ)コイツ凄い頭に来ますわね…あと婚約は既に決まっているようなものですのよ?私だって俺様系(自己中)は嫌いですわ。けどあと少しの辛抱ですわ。
あの方は私と来てと言ったら一緒に何処までついて来てくれるのかしら?