第22話 学校外周マラソン心臓破り大会 ③
更新に時間が開いてしまい<m(__)m>
私は、今脱いだばかりの影日向くんと部屋で待機していた。
二人とも体操服で…日頃は“詰襟な”影日向くんだから…レアアイテムという事になる。
「ねえ杏!」
「ん?」
「オレたち二人して出てきたじゃん!」
「うん」
「噂になったりして」
影日向くん、クククと笑う。
確かにこの手のネタは超絶美青年の影日向くんにはそぐわないが、今のもっさい(ゴメンね)影日向くんなら、しっくりくる。
なので、私もケラケラ笑う
「影日向くんと私?? あり得なさ過ぎて笑える」
影日向くん、吹き出して
「そこまで笑う?? でも…ヨッシーは疑っているようだよ」
「それよ!それ!! 今度、私が“影日向くん”着た時にちゃんと言っておくよ」
そのタイミングでドアが開いて、息を切らした奏センパイが入って来た。
「ゴボウ抜いたわよ。今、我が2年1組が3年生を抑えてトップ!」とVサインをする。
「あ~あ、体操着、汗グシャ! 影日向くん、ちょっと待ってて、シャワー浴びてくる」
と慌ただしく、また出て行かれた。
私と影日向くん、思わず顔を見合わせる。
「ここに来ると奏は性格が崩れるよねえ」
思わず吹き出してしまったが、すくに真顔に戻って、私は影日向くんを窘めた。
「奏センパイは色々としょってる物がお有りなんです!! せめてここではリラックスしていただかなくては!!」
影日向くん、
「杏は本当に、奏が好きなんだね」と微笑んだ。
しかし再びドアが開いて
入ってきた奏センパイに
私は度肝を抜かれた。
髪をポニテにしているヘアゴム以外は
一切、身にまとってらっしゃらないから
神々しいは神々しいのだが、思わず目を反らしてしまう。
影日向くんと目が合うが
カレは飄々としている
「??!!」
「そっか、杏は、私の裸、初めてだもんね、まだ一緒に…お風呂入ってないし…」
ハイハイそうですよ いきなりの不意打ちは
あんまりです!!
「私と影日向くんはお互い見慣れてるからさ」
って、あっけらかんとされても…
しかも…
それだけじゃない!!
「じゃあ、ドッキングしよか!」
と奏センパイ、影日向くんを押し倒すものだから…
まるで、お母さんが描くマンガだ!!
思わず手で顔を覆う。
あ、でも
指と指の隙間から見えた…
センパイのお尻…
カワイイ…
--------------------------------------------------------------------
“影日向くん”を着た奏センパイは何と4人抜きで…ご自分のクラスである2年1組にもう少しで追いつくところで河本くんにバトンを渡した。
“影日向くん”はちょっと得意げに私に語り掛ける。
「なかなかいい線行ったろ?」
「影っち!!マヂ凄じゃん!」とヨッシー
うん、“影日向くん”としては1周目だけど、奏センパイとしては2周目なんだ。凄いよ!!奏センパイ!!
残念ながら次で一人抜かされて、その次でさらに差が開き…アンカーの柿崎くん(サッカー部だけど、速い)にバトンが渡った。
柿崎くん、大きなストライドで猛追を始めたのだけど…
曲がり気味の坂道をブレーキも掛けずに下って来た自転車に激突しそうになって、
身をかわした柿崎くんは道路脇に転がった。
とても嫌な予感がして
私は私なりの速度でカレの傍へ急ぐ。
痛みに耐えているカレの膝にそっと手をやり、ふんわり触ってみる。
私みたいに酷い状態ではないようだ。
しかし、このままでは…
棄権になってしまう。幸い、コースの3分の1は走り終えているから…
意を決した。
「私が走る!! バトンを貸して!」
「ダメだ!!」
“影日向くん”の声がした。
「オレが走るよ! 見ただろ? さっきのオレの走り」
センパイ!! ダメだよ!! 3周も走るなんて!!!
バトンを握り締め頭を振る私に
“影日向くん”は手を差し伸べた。
「ケガをしてるヤツを走らせるなんて男が廃るよ」
「だって!!」
「杏!」
思わず?の呼び捨てに周りの…ヨッシー達も反応する。
「時間がない!! その代り、もし1位で走り抜いたら…オレの女になれ!!」
「えっ?!」
手の力が抜けたその一瞬に、スイッ!とバトンを抜き取って
“影日向くん”は脱兎のごとく駆け出して行った。
--------------------------------------------------------------------
1位のゴールテープを物凄い勢いで引き切った“影日向くん”は…
さすがにゼイゼイしながら芝生に転がった。
私は、そんな“カレ”を抱き起して縋り付いた。
色んな感情が
胸の中をグルグルしている。
“影日向くん”ときたら…私に抱かれたまま…歓声と共に来たクラスの皆と無邪気にVサインやハイタッチをしている。
いったい私達…
どうなってしまうんだろう…
--------------------------------------------------------------------
ご自宅のドアを開けた学園長先生は
先程の閉会式の時とまるで違う笑顔で
私たちを中へ招き入れてくれた。
「三人とも、よく頑張ったわ!お疲れ様!! 今夜は祝勝会ね!」
--------------------------------------------------------------------
私、
奏センパイと影日向くんにお風呂を譲って、キッチンで学園長先生のお手伝い(まだ、このレベルです)をしていたのだけど…
すぐに奏センパイがやって来た。
シンクに手を入れたまま、振り返ってセンパイに尋ねる。
「影日向くんが…お風呂、先ですか?」
奏センパイ、さっきと違う…なんか微妙なテンションだ。
「部屋で待ってるって」
「えっ?!」
「影日向くんが…」
--------------------------------------------------------------------
部屋に入ると
体操着のままの影日向くんが居た。
「影日向くん! 今日は本当にありがとう」
私は深々と頭を下げる。
「杏にお礼してもらおうと思って」
影日向くんはいたずらっぽく笑う
「いいよ。私にできることなら」
「うん、杏にできることだよ オレをちゃんとお風呂に入れて」
「ええっ!!??」
「この2週間の朝練の後は…いつも超速のカラスの行水でさ!! オレのカラダ、色々とベタベタ」
と“もっさい”影日向くんは眠そうな目でウィンクした。
--------------------------------------------------------------------
影日向くんを着てお風呂に入った私は…
また、「ギョッエ~!!」とか「ヒェ~!!」とか叫びっぱなしで悪戦苦闘した。
最後はもうダルダルになって
ボーっとのぼせて湯船を出た。
汗が止まらない。
まあ考えてみれば
トランクスはスカートみたいに
スースー風を感じられるし
上はとてもTシャツを被る気にはなれないし…
うん、バスタオルを首に掛ければ
ある程度は隠せるしね
それに、上は見慣れている。
風呂場を出て
ペッたんぺったん歩いていると…
背後から厳しい声が振りかかって来た。
「なんて格好をしてるの?!!! 奏!!?、 杏!!?」
恐る恐る振り返ると…
エプロン姿の学園長先生は鬼の形相だ!!
“影日向くん”を着たままの私は首を竦めて縮こまった。
「杏です…」
やれやれとため息をつく学園長先生。
頭の中の影日向くんの声は『“影日向くん”あるあるだ』と笑い転げていた。
。。。。。
イラストです。
まずは、“精霊”バージョンの影日向くん
綺麗な男性という対象を初めて描いてみましたが…
めちゃ難しい…(^^;)
続いて
ネ申的美少女 奏センパイ
これもめちゃくちゃ難しい!!
取りあえず色塗ってごまかそう…(^^;)
うう、 絵をもっと練習いたします<m(__)m>
学校外周マラソン心臓破り大会の回、ようやく書き上げました。
私は学園長先生が…どちらか分からずに両方の名前を呼ぶくだりが、とても好きです(*^。^*)
感想、レビュー、ブクマ、評価、いいね 切にお待ちしています!!(#^.^#)




