第19話 ヨッシーは花粉症
前回の余波のお話で… 短いです。
「オッハー!!」
待ちかねたヨッシーはメガネにマスク姿だった。
「ヨッシーって、ひょっとしてコンタクトだったの?」
目を真っ赤にしたヨッシーは私の言葉を受け止めた。
「そうなんよ~ 花粉ひどくてさあ 目も鼻もグシャグシャ。いっそ覆面でもしたいくらいよ」
「それじゃ 誰だかわかんないじゃん」
「あ~!! 冷てえなあ~ 杏だったら声だけで分かってくれると思ったのに~」
「だってヨッシー、今、鼻声だもん」
「グフフフフ、そう? ねっ?! ちょっと色っぽい?」
「う~ん」
「えーっ! じゃ、メガネの理知的なおねえさんとか?」
「う~ん!!」
「なんでぃ! 友達甲斐のないヤツめ!!」
努めて他愛ない話をしているけど… やっぱりショックだったんだと思う。
軽口を叩きながらもヨッシーの目は“影日向くん”の席を見てるから…
「影っち 今日、来ないのかな~」
「うん! そう! きっと また引きこもりだよ」
「そんなこと、無いと思う!」
妙に強く否定されて、何と言おうかと戸惑った一瞬、逆にヨッシーが“外”に反応した
「あっ! パイセン~!!」
奏センパイはツカツカと入って来て
「吉井さん!よろしいかしら?」
と二人で出て行ってしまった。
--------------------------------------------------------------------
しばらくしてヨッシーは戻って来た。
目は更にウルウル、鼻はティッシュが手放せないようだ。
私を見るとウルウルの目で聞いて来た。
「杏は花粉症大丈夫?」
「うん。大丈夫みたい」
「杏は、いいなあ… いいなあ~ …… 健康で」
そこまで言い掛けて言葉を飲み込まれた。
「―ゴメン!」
それから「私、無神経だ」と黙り込んでしまった。
そんなこと気にすることないのに…
だって膝のケガは私自身がやらかした事なのだから
なので
「へえ~!神経ないんだぁ じゃあ、くすぐっても大丈夫だね」
と攻撃を仕掛けて…
ふたりでケタケタ笑って“無し”にした。
こういう感じにしかできないのだ。
--------------------------------------------------------------------
部室に向かって歩いていると
奏センパイに待ち伏せされていた。
とは言っても、センパイは目立ってしまっているのだけど…
とにかく、他の人の目の届かない所まで引っ張り込まれてしまった。
センパイは何だか少し、不機嫌に見える。
「吉井さんはどんな感じに見えた?」
「それは、やっぱり、まだショックなんだと思います」
奏センパイは大きくため息をついた。
「杏ちゃん! アナタは…」
奏センパイも言い掛けて言葉を飲み込んでしまう。
「もう、ホントに、この子は、もう!」
とセンパイは私のブレザーの袖を掴んで言う。
センパイから感情をぶつけられて私は戸惑ってしまう。
次の瞬間、センパイの細い両腕が巻き付けて来て、ギューっと抱きしめられた。
「罪作り!」
私はただただ、戸惑うばかりだった…
センパイが腕を緩めて頭を撫でてくれるまで…
奏センパイとヨッシーは誰の事を話していたのか…
察しはつきますよね…
付かなかったら私の力不足です(^^;)
ご感想、レビュー、ブクマ、ご評価、切に切にお待ちしております♡




