センスがないのはお互い様
『わざわざ我を見に来たと』
『はい、カッコいい竜が本に描かれておりましたので』
『カッコいい・・・我がカッコいいと』
『はい!』
驚かれたり恐がられたりしたことはあってもカッコいいと言われたのは初めてだった竜はちょっと嬉しくなった。
『そうか、我はカッコいいかお嬢さん』
『世界一です!』
何となくうなだれる疾風。
『お嬢、疾風が・・・』
『あらあら、疾風も世界一カッコいい魔鳥ですよ』
籠から吉備団子を取り出し疾風に食べさせるアレイシア。
疾風はご機嫌だ。
そうこう話しているうちに竜に名がない事に気づく。
『誰も我を名づけんかったし、我も気にせんかったからのー』
『竜様と言うのも変ですしね、それって種の事ですし』
『お主、名を考えてみてくれんか』
『よろしいのですか』
『ふむ、よろしく頼むぞ』
『かしこまりました。では、竜様の特徴と致しまして、まず輝く黄金の光りから黄金さまと言うのはどうでしょう』
『余りパッとせんなー』
『では・・・』
なかなか決まらない。
『お嬢、俺もいいかなー』
『本郷さんは余りセンスが・・・』
いや、お嬢に言われたくないよと本郷。
心の中で今までの経緯も含めて言い合う二人。
『本郷よ、聞いてやる申してみろ』
『キングギド・・・』
『却下』
『なんでですか、竜の旦那』
『なんかいやな感じがする、微妙に嫌な感じ』
『ほら、ご覧なさい。竜様、ではここで教えていただきたく存じますが、得意な魔法は何でしょうか』
『ほっほっほ、よくぞ聞いてくれた。雷撃魔法であるぞ、お嬢さん』
きゃーカッコいい!とますます目を輝かせるアレイシア。
竜もそんなアレイシアをみて目を細める。
『お、お嬢』
『まだなにか』
『最後、これで最後だから言わせて貰っていいかな、たのむ!』
『仕方ありませんね、よろしいでしょうか、竜様』
『まあ、ええじゃろー』
『有り難う竜の旦那。では、耳~かっぽじいて聞いておくんなせ~』
『はよ言え』
『エレキン・・・』
『却下』
という話が続きやっと名前が決まったのは夕暮れ時であった。
竜の名は無難にライトニングと決まった。




