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中の人です

作者(窮地に佇む)より大切な読者様へ


ちょっとヘビーな話が続いたので気分転換にファンタジーっぽい話を書きます。


また、誤字脱字を指摘してくださった読者様には感謝しています。

まさかあんな機能があるとはとビックリしました。

本当に有り難いと思っております。

前回の話の冒頭でお礼をしようと思ったのですが、重い話でするのも失礼かと思いここでお礼をする事にしました。

有り難う御座いました。


今後ともよろしくお願い申し上げます。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



マーデラス王国の北の果て竜の山がある。

臭気が漂い場所によっては毒の煙で人は死んでしまうという。

炎の池があり時折竜がそれを空高く轟音と共に吐き出すという。


『流石に竜は居ないんじゃないか、きっとそれって活火山の事だぜ、お嬢』


カッコいい竜に憧れるアレイシアは竜に関する文献を読みふける。


『本郷さんはなぜそう思うのですか』


『竜なんてもんがいたらこうして本なんて読んでられんよ、お嬢』


本郷にとって竜とは恐竜である。


『そうでしょうか、記録によると竜は凄い魔法が使えて頭が良く時には人を救うとありますが』


『お嬢は竜を見たことは有るのか』


『残念ながら』


『お嬢も他の人も見たことが無いってんだから居ないと思うぜ、それに頭が良いとかって。そんな竜がたとえいたとしても考えも違うだろうし、たまたま結果論で人が救われたってだけだと思うんだがな』


『居ます、竜は絶対に居ます!』


『居るのか』


『居ます!』


『どこに』


『探します』


『探すって、どうやって』


『本に書いてある場所に行こうと思います!』


アレイシアが指し示す竜の生息地は王都から数百キロは離れている。

しかも険しい山々が連なり時折噴火する活火山があると書かれている。


『まあ、行くっていうなら止めねーが。こっちも気になることが有るしな』



アレイシアは今、空を飛んでいる。


乗っているのはワイバーン、飛行士の背中にしがみつき下界を望む。

本郷はワイバーンを見た瞬間に竜がいてもおかしくはないと思った。

えらいとこに来ちまってたんだなーとあらためて思う本郷。


時々地上で休みを入れる。


飛行士とワイバーンにお菓子を差し出す。

一口でパクッと食べるワイバーン。

ハッと目をむき飛行士の手元のお菓子を見つめる。

飛行士が慌ててお菓子を食べて喉を詰まらせたので冷却魔法で冷やした水筒からお茶を出して飲ませてあげた。


「おお、冷たいお茶がこんなに旨いとは!」


一息つく飛行士としょぼんとするワイバーン。


アレイシアは自分の分のお菓子をワイバーンにあげることにした。


それからアレイシアにベッタリ懐くワイバーン。


目的地に着く。


「では、三日後にお迎えに"私"が必ずお迎えに上がります!」


「よろしくお願いします」


ワイバーンはアレイシアに頬刷りしたあと飛行士を乗せて帰っていった。


しばらくその場に佇むアレイシア。


『来ましたね、本郷さん』


とっくに追いつけなくなっていたのに何でコイツはアレイシアの居場所が分かるんだと吉備団子をついばむ疾風に疑問を抱く本郷。


「さあ、お願いしますよ疾風」


アレイシアは疾風に竜の絵を見せた後空に向かって飛ばした。


しばらくして疾風が戻る。

アレイシアは疾風を肩に載せる。

疾風は首をまわして頭で進むべき方向を指し示す。


硫黄臭が漂う岩肌を進むアレイシア。

有毒ガスに気を使う本郷。


トコトコと登っていった先に岩肌にベタッと体を載せた黄金の竜がいた。


『居ましたね、本郷さん』


『冗談だろー』


竜がアレイシアに気づいたかのように片目を開ける。


『人はここまで来られないはずじゃが、ふむ何やらお主は人では無さそうじゃの』


竜の声がアレイシアの頭に聞こえる。


『おいおい、テレパシーかよ。すげーな竜って、お嬢もそう思うよな』


アレイシアは目をキラキラさせて竜に釘づけになっている。


『そう見つめられるとちょっと困るんじゃが、まあいい。それよりお嬢さん、何やら可笑しな気配がするのはワシの気のせいじゃろーか』


『し、失礼しました。私、アレイシア・マーベリックと申します。私と一緒にいるというか私の中の人の本郷さんです』


『わ、わたくし本郷と申します。生は日本の東京中野にござんす、神田川で産湯を使い神竜一家に身を寄せ男を磨き任侠博徒とあいなり、今ではマーベリック伯爵さまご息女アレイシア様に恩義をかけていただく未熟者でござんす云々』


『こ、コレはたいそうなご挨拶痛み入りますぞ』


意外と仁義を切る本郷を分かってくれた竜であった。






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