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よくある令嬢の高笑い

当たらなければどうということはない。

アレイシアはグレッグとの間合いをしっかりと計り繰り出される木剣をかわすと同時に木刀で斬り込む。


「はい、これで指先が無くなりました。剣を持てなくなりなりました」


「くっ」


「はい、これでお腹からぴゅーって血が出ちゃってます。腹切りですね」


「むむむ」


「はい、首が飛んじゃってます。首です、ク~ビ」


微妙にその言い方が嫌な気がする本郷。

普通の会社に入った事のない本郷でも日本人としては、それは辛い事この上ない事は知っているし他人事には思えなかった。


したこともない格闘技の練習をさんざんやらされたとき、何度『こんな組辞めてやるよー!』と思ったか。

だがやっぱり『小指落とさんとなー』とか『お前は破門だあ!』とか『腹切って詫びろやー!』とか言われたくなかった。


『お嬢、別にわざわざ解説しなくてもいいから、気になるから相手も』


『そうですか、私は気にしませんが』


ああ、お嬢は産まれたときからブルジョアだったよね、ちくしょうと思ったのはどうやら本郷だけでは無かったようだ。

ただ本郷とは違う思いであろう。


「本気でやらせてもらう」


「ウフフ」


グレッグの動きが変わる。

木剣の速度が一気にあがる、間合いを詰めてくるので木刀で応戦する。

ガンガンと打ち合う。


アレイシアの木刀が折れた。


ニヤリと笑うグレッグ。


アレイシアはすっと背をかがめて足払い。


バランスを崩したグレッグの肩を引っ張り仰向けに倒れたところでマウントポジションを取り耳タブを攻撃、顔をしかめ目を瞑ったグレッグ。


パッとジャンプしニードロップを鳩尾に決めるアレイシア。


『ひでえ・・・』と本郷と冒険者たちは思った。


近代格闘技はこの世界では無敵だ。

それは本郷に指導を受けたアレイシアが証明している。


拳で人を痛めつけても格闘で人を殺した事のないグレッグ。


「剣がなければ拳で闘えば良いんですよ、グレッグさん。おわかりですか、おほほほほ」


うずくまるグレッグを眼下にみて高笑いするアレイシアであった。













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