冒険者たち
月の光以外の正規軍の特殊部隊が動けば、情報入手先を疑われる。
各地、各組織に入り込ませたスパイは月の光の命綱である。
個人として動く事になった。
特殊な武器や戦闘服は使えない。
顔を晒すため人数も多く投入出来ない。
ないない尽くしである。
出来る事はグレッグを監視下に置くこと。
グレッグが戦いで死んでから行動を開始することになった。
アレイシア(本郷)はグレッグの強さを知っておきたかった。
悪魔崇拝者の情報が無い以上、備えは必要だ。
『俺たちもあいつも冒険者。利用しない手はないぜ、お嬢』と本郷。
「おはよーございまーす、みなさんお元気ですかー」
来やがったよ諸場荒らしがよーと冒険者達。
それぞれ冒険者の思いが頭をよぎる。
お嬢ちゃんたちお貴族様が趣味で毎日、毎日森で魔物や魔獣を狩っていったお陰で近隣の森は平和そのものだよ、今日も雑用しかねーよ、仕事。
まあ、仕事もあるし平和だからそれはそれでいいけどさ、いい加減年だし。
だが限度ってもんが無さ過ぎだったよ、見ろよもう、誰も武器下げてねーよ、お嬢ちゃん。
最初の頃は冒険者でもないのに魔物を狩っているお嬢ちゃんたちに『危ないからトットと家に帰れ!』と諭してたのに、逆に命を救われるようになっちまい、気が付きゃ魔物がいなくなっちまったもんなー。
哀しすぎだろ・・・。
そういやあ思い出すなー、まだちっちゃかったっけ。
森でうろうろ魔物を探してたら、お嬢ちゃんたちが『もう、狩る魔物いなくなっちゃたねー』とか『お姉様がいっぱい倒しちゃうから僕の分がなくなっちゃたよ!』とか言ってたんで、頭ひっぱたいて親を聞き出したら伯爵って笑っちゃったよ。
家まで行って親の前で言ってやったよ!『こちとら生活が掛かってんだ』と言えば弟の方が『獲物は差し上げてますが、なにか』といい、姉の方は『新しい仕事を始めて忙しいので働きませんか』とか言いやがる。
あ、なんか腹立ってきた。
あんたらのせいで新人冒険者達は転職しちまって、冒険者ギルドは高齢化の上に人手不足だよ。
俺はずっとパーティーで下っ端だよ!。
なんちゅー子供だと父親を見れば柱の陰からひたすら頭を下げ、母親はいつの間にか澄ました顔で茶を飲んでるってか。
挙げ句に公爵家のボンボンが『魔物を狩るだけが冒険者の仕事じゃないですよね』とかいいやがる。
そうだったって思っちまった自分が情け無いよ。
『『帰れよ!帰ってくれよ!
なんかいってるぞ、あのお嬢ちゃん。
グレッグ・・・人切りしかしないグレッグに会いたいとか言ってるよ。
頭おかしいだろ。
最上級冒険者の神の猟犬に腕試しをお願いって言ってるよ、しかも可愛く言ってるよ。
可愛いだけにしとけよアレイシアお嬢さんよー。
可愛いからって何やっても許されると思ってんじゃネーヨ。
あ、こっち向いて笑った。
可愛いいなー』』
ギルドマスターが鼻の下を伸ばしながら、たまたまいたグレッグを紹介した。
居るのは監視者から聞いて知っていたアレイシアだった。




