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新たなる野望 失恋とタフガイ。

「行ってしまったわね」


「うん」


ベッドが一つ有るだけのがらんとしたレイアの部屋。


「ルーク、あなたは良くやったと思います」


「姉さん・・・」


ルークの頬に涙が伝わる。


アレイシアはそっとルークの涙を綺麗なハンカチで拭う。


「レイアを笑顔で見送ったルークは素敵でしたよ」


うああああんと泣きながらアレイシアに抱きつくルーク。



裁判が終わって直ぐだった。

ゴルドはレイアの前に跪くとその場で結婚を申し込んだ。

母のような優しさでミューズを見る姿に荒んでいたゴルドは恋してしまった。

レイアはアレックス・マーベリック伯爵邸にきて長い。

結婚して苦労するより楽しいマーベリック伯爵邸でずっと働くつもりだった。

ゴルドは必死に求愛した。

自分が平民の裁判官であること。

日頃の生活のことを隠さず話した。

何度かデートをし、レイアにつき合いのある街の人を紹介した。

優しく頼りがいがあり見目もいいゴルドを悪くいう人はいない。

気がつけばレイアはゴルドに夢中になっていた。


出会って1月、レイアは平民となりゴルドに嫁入りした。


『初恋も終わったか。失恋になっちまったがいい経験だ。俺にはそんなもんも無かったからな』


青春時代、アイドルを追っかけゲームにうつつを抜かし秋葉原のメイド喫茶に入り浸っていた。

ヤクザになると兄貴分に影響されヘビーメタルバンドのライブで暴れまわった。

歌舞伎町の甘味処の店長として女性たちの人間関係を調整するのに心を砕き、最後はストーカー野郎から従業員を守るために戦い死んだ。

この世界に来てもう6年、最初のメイド喫茶構想は挫折し今またかわいい魔物のチーム作りに失敗した。

しかもレイアとミューズをつかった絵を大量生産し可愛いを広め、人々の意識を変え再度メイド喫茶に挑戦するという野望も潰えたかに見えた。


本郷は挫けない。

魔猿はミューズだけではないのだ。

女は彼女だけじゃないという慰めなど今の本郷には必要ない。

サラという逸材がまだここには居るのだ。


「ルーク、女はレイアだけじゃないのよ」


アレイシア(本郷)はルークの頬をパンパンと叩いた。


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