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新たなる鬼 戻っていった男。

トラファルガーが闇を走る。

目指すは盗賊たちの根城。


昨日、ジョディーを住居を兼ねた薬屋に送って見たものは利き手を潰されたジョディーの恩人のネイサンと云う男であった。

街で襲われていたジョディーを救ったネイサンであったが相手が悪かった。

街に根城を構える盗賊一味。

ネイサンの利き手は彼等に潰され薬師として命を絶たれた。


ジョディーは働いていた宿屋を辞めネイサンの元で助手としてまた薬師になるべく働く。

盗賊に目を付けられた薬屋の薬草採取依頼を受ける冒険者は居なかった。

そのためジョディー自ら薬草採取をしていたのだ。


ネイサンはトラファルガーの前でジョディーに首を言い渡した。


「これが僕が君に出来る精一杯だ。君はこの街を出て他の街で市民権を得るんだ」


そう言って金貨が詰まった袋を渡そうとする。


「トラファルガーさん、ジョディーの護衛をお願いします」


「なにをいってるのネイサン」


「僕はもうこれ以上君に負担をかけたくないんだ」


「でも、こんなことしてもらう道理がないわ、助けられたのは私の方なのに」


「君はもう盗賊に顔を憶えられている、さっさとこの街を出て行くんだ」


「嫌よ!私はあなたとずっと一緒にいるの!」


トラファルガーをネイサンがじっと見る。


「わかった、準備が出来次第出発しよう」


ジョディーの泣き声を背中で聞きながらその場を去るトラファルガー。



王都の外れのスラム街の一角にある盗賊の根城。

それを伺うトラファルガー。


「叔父様」


素早く振り返り剣を構えるとアレイシアが黒装束でニッコリ笑っていた。


「鬼の貴様に叔父様と言われると背中がむず痒い」


「ふっ、俺も自分で言ってて鳥肌が立つぜ」


「これは私事、貴様を巻き込む訳にはいかん。さっさと帰れ」


「組織か、俺のいたところは組員である前に任侠であれと舎弟に叩き込むんだ」


「よくわからんが、俺に関わると組織に貴様も処罰される。アレイシアをそんな事に巻き込むな」


黒いニットのフェイスマスクから覗く目がアレイシア(本郷)を睨む。

二人とも同じ月の光の戦闘服姿である。


「皆殺しにしたうえで火に炙っちまえば良いだけさ。ああ、慰謝料もうけとらないとな」


「ふん、好きにしろ」


その夜、盗賊一味は根城ごと火に包まれた。




「もう、行くのかいトラファルガー」


「ああ、世話になったな。アレイシアを頼む、俺の可愛い姪っ子なんだ」


「せめてジョディー達に会ってから」


「昨日、金を渡したときに言ってある、俺のことを忘れる事が俺に義理を返す事だってな」


「独りでする仕事(月の光の為の情報収集)は仕事の鬼のあんたでも辛いだろうな」


「これからはそうでもない、相棒が出来たからな」


トラファルガーの横でちょこんと座っているジャガー横川。


「あんたもお前も良い女に出会えるように祈ってるぜ」


「感謝する」


「ワン!」


ニヤリと笑いトラファルガーとジャガー横川は朝靄の中に消えていった。


本郷はかつての相棒の最後の言葉を思い出しながらトラファルガーを見送った。




「お兄様また帰ってきてください・・・」


アレックスとマリアンヌが二人の別れを遠くからそっと見ていた事はトラファルガーには黙っていた本郷であった。








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