表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/103

新たなる鬼 帰ってきた男編 その1

マーデラス王国王宮の近くにある神殿。

今日も信徒がくる前に神殿従事者が掃除に精を出す。

その様子を自身も箒を動かし眺める神官長、痩せこけた体に皺が深く刻まれている顔だが目つきは優しい。


「よお!爺さんまだ生きてやがったか」


神官長にむかって手を上げながら近づく冒険者風の男。

身長は2メートルに届く美丈夫。


「おまえという奴は相変わらずだのう」


男は手土産を神官長を補佐する神官に手渡す。


「トラファルガー様、神官長に失礼です」


「固いこというなよ!こちとらおまえさんが小便漏らしてる頃から爺さん世話してんだ」


「お前を世話したことはあるが、世話になった気がせんのじゃがのう。それよりトラファルガー、いい加減身を固めんとマリアンヌが心配しとったぞ」


「まあな、ボチボチってとこさ」


「この前もボチボチとかいっとったじゃろーが。まあええ、それより実家には顔を出したんじゃろーな。公爵様もお前の兄も寂しがっとったぞ」


「おっと悪いな爺さん、いかなきゃならねーとこがあったわ。おい、そこの神官!湿気た顔してねーで、笑顔だ笑顔!そうそうニッコリ笑って、いい笑顔だねー。よ、色男!」


神官の背中をバンバン叩いたあと神殿を後にしていく。





アレックス伯爵邸のリビングにここに越してきてから付き合いの侯爵夫人二人とお茶を飲むマリアンヌ。


「そう言えばそろそろ英霊祭ですね」


「そういえばここ2年トラファルガー様来ませんね、マリアンヌさん」


侯爵夫人はマリアンヌの親と同じくらいの年である。


「どこで何をしているのでしょうね」


「さあ」


困った顔をするマリアンヌ。

マリアンヌの脇に座るアレックスが驚いた顔でそそくさと席を外す。


「ほら、そんな事を言うと来ちゃうわよ」


「ははは・・・」


そこに昔から付き合いのある御用商人マーモの使用人が飛び込んで来る。


「マリアンヌ様、さっき神殿で・・・」


「神殿でどうしたって。よう、マリアンヌ元気してたか」


「あらあら噂をすれば陰って・・・」


マリアンヌが振り返るとそこにトラファルガーがいた。


「お義兄さん、いまご婦人方と商人のお茶会ですので。ささ、お義兄さんのお茶はこっちに用意しましたので」


「気い遣うこたあねーよアレックス。マリアンヌ、アレイシアは」


「お兄さま、またいきなり来て。何度も連絡をしてから来て欲しいと」


「可愛い妹の顔が急に見たくなってな、悪い!マリアンヌ。お、商人のマーモもいるじゃねーか、何とかやってるみてーだな、よかったよかった」


「こ、これはお久しぶりで御座いますトラファルガー様、ご機嫌よろしゅう」


マーモはぴょこぴょこ挨拶しながら部屋を後にした。


騒々しい音が気になったアレイシアがそこに顔を覗かせる。


「トラファルガー様!いらしていたんですね」


満面の笑顔でトラファルガーに抱きつくアレイシア。


「おっきくなったなーアレイシア。またこりゃべっぴんさんになっちまって」


「ウフフフ、お話しいっぱい聞かせてくださいね。私もいっぱい話すことがあります」



リビングの外からアレックスが困った顔を覗かせるのであった。












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ