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居候して3年経ちました

本郷がアレイシアと共に過ごして早くも3年がすぎた。


本郷がアレイシアに見せた日本の服を作った事がきっかけで街を歩く人々の装いが一気に変わっていった。


過剰な飾り付けが大人しくなりすっきりとした女性ファッション。

男性も軍人は詰め襟、文官はスーツに近い服装、街の職人はポケットが多くついている虎一風のベストにニッカボッカかカーゴパンツ姿が最新ファッションである。


その原動力は本郷が伝えた既製品という概念である。


寒さや暑さを快適に凌ぐ服や戦闘用のプロテクターをアレイシアが身に付けていたのを目にしたマーガレットが将軍に働きかけて職人のギルドを動かし大量生産大量販売を軍から始め、ラインナップを増やし、おぼろげな本郷の記憶からジッパーを開発し一気に服のバラエティーが増えた。


上着から下着、ヘルメットの新素材から靴まで革命騒ぎである。


そのお陰でありとあらゆる素材の採取研究、製造器具から始まり多くの製品開発製造に至るまで仕事が増えたことにより失業者を吸収し所得を向上させ大量生産で商品の価格を下げた。


アレイシアは間もなく14歳となる。


両親と将軍の庇護で表立ってはいないがとてつもない資産家である。


もっと豊かになろうと思えば出来るが、本郷はアレイシアに資源開発やエネルギー生産、工場の機械化などは示唆しなかった。

資源がもとでの戦争を危惧したからだ。


だからと言って戦争が無くなる訳でもない。


豊かになっていくマーデラス王国を近隣国家が黙って見てくれるほど甘くは無いのだ。


幸いにしてこの国は魔法の技術においては抜きん出ていた。

もちろん軍の中でも魔術師を抱える部隊があり戦争の勝敗の多くを握る。


平和であり続けて欲しいと願いつつアレイシアの学生生活を眺め、時にはサポートした日々。


戦闘訓練と日本の料理の再現以外はアレイシアに呼び出されない限り寝ているつもりだったがアレイシアが意識的に勉強や仕事に没頭し恋愛から身を遠ざけているので結構忙しい。


そんな中で一つの悩みを抱えるアレイシア。

通常の魔術師が最低2属性を持つのだがアレイシアは1属性しか持たなかった。


『はやり俺のせいかもしれんなー、すまないお嬢』


『本郷さんのせいではないですよ、気になさらないで下さい』


『だがこのまま教養過程を卒業しても、お嬢の希望の魔術師コースに入れるかどうか難しいんだろ』


『別に1属性でもそれなりの力が有れば問題御座いません』


『と言うことはもっと冷却魔法を極めて行くんだな、お嬢』


『はい、もっともっと強力な冷却魔法を身に付けていっぱいアイスクリームを作って子供たちに食べてもらいたいです』


『流石、食いしん坊極道からお菓子極道に登りつめたお嬢だぜ』


『まだまだです師匠、世界にはもっと沢山美味しい食材が有るはずです。いつか師匠でも食べたことのないお菓子を私が作って差し上げます』


『おいおい、大きくでたなー。お菓子の為に世界征服する気じゃないだろうなー』


『ウフフフ、お菓子皇帝ですか。楽しそうです』


本から目をそらし水面をみるとお菓子の女神が映っていた。




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