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『本郷さんってどんな姿でしたか』
鏡の前で本郷から聞いた日本の女性ファッションを参考に作った服をああでもないこうでもないとメイドのレイアと共にはしゃぐアレイシア。
レイアはゴスロリでパンキッシュな装い、アレイシアは本郷の妹が中学生の時に着ていたような服を着る。
本郷に女性のファッションの記憶はあまりない。
着物姿のあねさん、ラウンジやクラブに出勤前の女性、キャバ嬢、バーのマダム、店の従業員の制服、妹の制服と普段着、アイアンメイドの戦闘メイド服位である。
アレイシアがしつこく聞くのでアレイシアには妹の服装、レイアにはアイアンメイドの戦闘メイド服を教えた。
『ん、呼んだかお嬢。お、おお二人ともなかなかお似合いだ』
妹のようなアレイシアの下着姿を見る気がないと言うか見たくもない本郷は着替えの前にレイアの奏でるクラシック曲(本郷)で寝ていた。
家族のだらしない姿をみたいと思う人間は何処にもいない。
『ありがとうございます。それで本郷さんの姿をお聞きしたいのですが』
『さあなー俺はあんまり特徴がなかったと思う。それより二人とも可愛いぜ、アイドルみたいだ』
適当に誉めて話を逸らす本郷。
突然自分の姿を聞かれても正直困ると思う本郷、この前この世界にいる魔物図鑑を見ていたが自分にそっくりなオーガがいてのけぞった本郷。
神竜組に入る前の学生時代は妹から男性アイドルグループで廃村間際の村で農業をしてみようという番組のなかで一番男らしい人に似ていると言われたことがあったが男に興味が一切無い本郷は見せられた写真を見て『俺がこんなに怖そうな訳が無い』と心の中で思っていた。
あえていうなら妹と見ていた美容師のドラマの男性主人公の方が自分に似ていると思っていた。
自分のことはよくわからないと言うのが人と言うものである。
絵画で言えば印象派の本郷であったが、流石に組に入れば外面は大事だと兄貴達に言われそこそこ高級なスーツを着る為に歌舞伎町の男気という服屋に行った。
「おいおい鬼龍ちゃんだよ、見て下さいよ若頭」
「おー、なかなか男前だぞレイジ。確かに鬼が如くの鬼龍和真にソックリだな!」
「勘弁してくださいよオヤジ」
「そう言えば声の感じも似てるわ、そーかーレイジの声をどっかで聞いたことあると思っていたが鬼龍ちゃんだったのかー」
「じゃあ、あっしはアイパッチつけると久遠の兄貴ってとこですかね」
「おお!いいねー。よし、今度お前にヘビ革のジャケット買ってやる」
いやいやいや、オヤジや兄貴は知らないから言うけどそれってゲームコスプレですからーと口に出掛かる本郷であったが、ノリノリの二人に水を刺すのも怖いので黙っていた。
この時、妹が結構気を使ってくれていたと気付いた本郷であった。
ちなみにその界隈でもヤクザが主人公のゲームは話題になり大ヒットしていた。
任侠博徒もゲームくらいはするのである。
ただし神竜組に限っては格闘ゲームが主流であった。
鏡をじっと見つめるアレイシア。
その目線の先は心の中の本郷である。
『しょうーがねーなー、惚れんなよ、お嬢』
本郷の記憶から美容師の役の男性の顔がアレイシアに見せられた。
『これは素敵な・・・キャー』
夢は壊したくない本郷はもう引き返せないと思った。




