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子供より大人が似合う遊び

あれから一月ほどが経つ。

グラハムとの一件は無かったことになっていた。

逆に軍兵士がマーベリック伯爵邸に毎日ローテーションで訓練を受けにきている。

その中にグラハムもいる。


アレイシアに真摯に謝り許されたのはいいが毎日来る。

時々将軍も来る、アレイシアの料理目当てで。


自分達の分の経費は軍が持つ事になっている。


護衛騎士団の昼食は主にアレイシアの作ったレシピに従って提供されている。

もちろん主に作るのはリンゼイとメイドであり、時々新作をアレイシアが作る。

軍の兵士は5人単位でくる。

微妙な人数の為に新たな料理人を雇うことが出来ない。


ついに王国初のパート労働者を募集する事になった。


「アレイシア嬢、このパートタイムワーカーと言うのに応募してくるものかな、大した稼ぎにもならないんじゃないのか」


パート労働者を雇う羽目になった原因が首を捻る。


「そう言うわけで軍の皆さんの昼食代を値上げさせていただきます」


「値上げ分は俺が持つしかないかなー」


「あら、良いんですか」


「いやまあ、原因は俺たちだし、みんなここの料理を楽しみにしてるし。おれ、昼飯食いに来てるようなところもあるし」


グラハムは軍でブーブー言われていた。

立場を利用してアレイシアの料理を毎日食べる卑怯者とか、教官として部下もしくは上司を思いやる気持ちは無いのか!とか、アレイシアの成人式までになんとかしろという将軍とか。


別に料理目当てで毎日来ているだけではない。

軍教官として最新の戦闘術をなるべく速く自分が覚え教育に生かす必要が有るからなのだが、そこをみんな理解出来ないのかと思っている。


だが教官はグラハムだけではない。

ただただグラハムの強い押し、そして他の教官の弱みを掴むために結構な金も使ったので当然の権利と考えていた。


「グラハムさん、そろそろ王宮に行って報告する時間ではないですか」


「おお、マクシミリアン君いたのか」


「ずっといましたが」


「いやいや、視界に入らなくて失礼したマクシミリアン君」


最近アレイシアより少し背が高くなったがグラハムからすればちびっ子である。


「そろそろ行くよアレイシア嬢、明日も美味いものヨロシクネー」


むっとするマクシミリアン。


「マクシミリアン様、例のもの、もう大丈夫かと」


手を引かれてアレイシアの部屋に連れて行かれるマクシミリアン。

本郷は熟睡中である。

テーブルの上には二人でここ数日せっせと作ったリバーシ。


じっくりと色を塗った所が乾いているか確認するマクシミリアン。


「大丈夫だ、これなら指に色が着くこともないよ」


電子ゲームのない世界で本郷が必死に思いを巡らしてアレイシアに伝えたゲーム。


マクシミリアンにルールは教えてある。

必勝法はアレイシアには言わなかった。

となりにいつのまにかルークとマリアンヌがいた。

ゲームはリビングに持ち込まれた。

気がつけば家族の中でゲームの奪い合い。

ルークとマリアンヌの試合を見ながらちょっかいを出すアレイシアとマクシミリアン。


「あっちいっててお兄ちゃん」


ルークが真っ赤になってマクシミリアンに抗議する。


「はいはい、失礼しました」


二人は部屋に戻る。


「これは少し大掛かりなので設計だけしてあとは木工技師と鍛冶屋さんにお願いという事になります」


大ざっぱに描かれた設計図をマクシミリアンに見せるアレイシア。


「分かった、じゃあ材料をどうするか決める前におおよその大きさを決めていこうか」


1月後マーベリック伯爵邸にビリヤード台が運び込まれ大人たちに奪われた。














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