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分が悪い戦いでも背中を見せないかっこよさ

マデューカスは走る。

将軍という役を必死にこなし、仕事を終え白馬に乗って突き進む。

目指すはマーベリック伯爵邸。

追いすがる護衛のための軍の兵士の2人。


「将軍様!そんなに急ぐとお体にさわり・・・」


「うるさい!わしのことは放っておけと言うとるじゃろうが!」


もう、時刻は午後一時半。

お茶会が始まるのは30分後である。


これから孫から聞いたアレイシアが主催するお茶会にごねてごねてごねまくって参加するのだ。


アレックス伯爵はなぜかアレイシアをあまり外に出したがらないし、アレイシアもご近所の子供、それも平民と僅かな貴族としか付き合わない。

それもこれもアレックス伯爵自体が急に王に請われて特別に王宮で働く事になってしまったので王都別邸と言うわけにもいかず屋敷を貴族街から反対の平民街近くに構える事になったのが原因である。


走る将軍。


ふと気づき後ろを振り向く。


「マーガレット!そういえば伯爵邸はどのあたりであったかのー」


呆れ顔の護衛兵士。


「マデューカス様、ゆっくり走っても10分も掛かりませんので」


「うむ、あとは任せる」


「・・・」


伯爵邸は平民街の外れにあった。そのため敷地はそこそこ広いが建物自体は古くいかにも借りている商人屋敷風情であった。


門をくぐると既に3台の馬車が見えた。


「なんじゃ、みな早いのー」


今日は本来であれば女子会であるが将軍として時には貴族の子女と世情を語り合う会となっていた。

アレイシアが貴族を招く微妙に不定期なお茶会。

この情報を知るのに孫のキースにそれとなく探らせていた。


アレイシアのお菓子は市販されていないしレシピも一切が秘密になっていた。

時折帰郷すると領民にお菓子を振る舞うのは聞いていたが王都ではご近所位しか口に出来ないと孫の友人のマクシミリアンの話であった。

ゆえにアレイシアのお菓子をまた食べるためにはお茶会に呼ばれる必要があった。


なぜそういうことになっているのか。


本郷がこの平民街で甘味処「子猫のしっぽ」を開こうと考えているからだ。


ケーキとプリンの味を忘れられない将軍。

聞けばお菓子の他にも軽食が出されるという。


一人一人に分けて出されるのか確信の持てない将軍。

もし立食パーティー形式であれば早い者勝ち。

こんなに早くに3台の馬車があるということは敵もそう考えたのであろうと思う将軍であった。


将軍の白馬を見た使用人が慌てて寄ってくる。


「お待ちしておりましたマデューカス公爵様」


「うむ、皆も揃っておるようじゃな」


「はい、アレイシアお嬢様もマデューカス公爵様をお待ちしております。ささ、こちらへ」


外套を渡し開かれたドアからアレイシアの待つリビングに向かう。


「お待ちしておりましたマデューカス公爵様」


華のようなアレイシアがそこにいた。

美しいとは思っていたが前回は格闘着姿だった。

今こうしてドレスに包まれたアレイシアは視線を向けられないほど美しく淑やかだ。


これは外に出したくなくなると思う将軍は、アレイシアの早朝ランニングを知らない。

既に殆どの貴族の子息から平民男子がアレイシア見たさに列を組んで走っているのだ。その中で埋もれるアレイシアであったため、最近男の子が元気に毎日ランニングしていると思っているだけだったのだ。

しかもアレイシアのそばで走るのも熾烈な競争がありランニングしながら喧嘩さながらのモッシュ状態なので更にアレイシアが空間を維持されつつ埋もれているのでそう考えても仕方がないであろう。

そうなるのが分かっているのでアレックスもアレイシアを外に出すのを躊躇している。


礼儀正しいアレイシアに促され小さなお茶会会場に足を運ぶ。


「敵はオナゴ3人、負ける訳にはいかん!」


お茶会参加者の女性3人の気迫のこもったご挨拶。


綺麗なお菓子が並んだ立食パーティーが今始まる!。







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