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男の人というのはどうして他の娘に目線がいくのでしょうか

アレイシアがベッドで転げ回っている。


『ラーメンが、あれほど店で許す気になれなかったラーメンが食べたい。

そういえば牛丼も食べてないぞ、生姜焼き定食、酢豚、回鍋肉、焼き肉もだ!。

回転寿司もねえし、柴漬けもねえ!そういやあ築地で寿司食ったこともねえ!

握り飯も、味噌汁も、カレーライスも、餃子も、サンマの塩焼きも、ハンバーグは・・・ああ、この前食ったか」


『本郷さん落ち着いてください、どうなされたのですか』


ハアハアゼイゼイ肩で息をするアレイシア(本郷)。


『す、すまねえお嬢、取り乱しちまったようだ』


『大丈夫ですか』


『ああ、日本で暮らしていたときに食ってたもんを思い出しちまってな』


『そのカレーなんとかですか』


『そうだ、俺はお菓子以外はあんまり気にしない男だと思っていたんだがな』


『おつらそうです、なにか私に出来ることは御座いませんか』


『ありがとうよ、お嬢。その気持だけで十分だ』


相変わらず優しいアレイシアに心が絆される本郷。


「お嬢様、なにか御座いましたか!大声で何事か叫んでおりましたが」


メイドのレイアが何度もドアをノックする。


「ごめんなさいレイア、大丈夫ですから」


「そうはおっしゃられましても」


「レイア、中に入ってきてもいいですよ」


15歳くらいの可愛らしいメイドがおずおずと部屋に入り、アレイシアの笑顔を確認すると近寄ってくる。


「心配してくれて有り難う」


「何分とお嬢様は色々ございましたのでご当主様からも気にかけてほしいと」


黒髪に黒い瞳をじっと見るアレイシア(本郷)。


『そういえばこういう娘もいたんだな、お嬢が面白すぎて気が付かなかったぜ』


『なんですか、面白すぎるって失礼ではございませんこと!』


『いや、悪かったお嬢。面白いってのは失礼だな、勘弁してくれ。そうだな俺はお嬢が大好きすぎて夢中だったのさ。本当だ』


ぽっと赤くなるアレイシア。


「お嬢様・・・」


「な、なんでもないの。気にしないでレイア」


『懐かしいな、黒い髪に黒い瞳』


『本郷さんはレイアのような黒い髪がお好きですの・・・』


『好きっていうか、日本人はみんなこうだったんだ。まあ最近は髪の毛を染めているのも多かったが』


『帰りたいですか』


『もう俺は死んじまってるんだぜお嬢、帰るとこなんてねえよ。それになお嬢といるとホントに楽しいんだ。神様に感謝しなくちゃな』


『楽しいですか・・・』


『ああ、楽しい。お嬢には迷惑かもしんねえけどな』


『そんなことは御座いませんよ。気にしないでください』


『ありがとな、お嬢』


とかいいつつ、レイアが気になる本郷。


メイド服に黒髪、黒い瞳。


『んんんんん、何となく思い出してきた。そうか!メイド喫茶だ!』


学生時代に通い詰めていたメイド喫茶のメイド(みくちゃん)の姿を思い浮かべる本郷。


絶対領域が眩しかった思い出が浮かぶ。


『本郷さん!鼻の下伸ばしてるでしょ(そんな気配)!サイテー!』


またしてもアレイシアの心のなかで必死に土下座するお菓子極道であった。





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