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お菓子極道の作り方

本郷が女性店員を守るために刺されたところに話は戻る。



「あかりー!お前はおれのもんだ。お前はー!」


女性店員達の悲鳴が店内に響く。


「レイジ!」


「あねさんたちは下がってくださいや」


いきなり腹を刺された本郷だが、ストーカー男の身体をガッチリのつかみ取り店の外まで連れ出す。

おびただしい血が流れ本郷の顔に血の気がない。


「あねさん、コイツと俺が出たら店に鍵を、後は組のみんなに」


「畜生!畜生!てめえみたいなやくざもんがいるからあかりが俺から離れちまったんじゃねーか」


「お互い畜生さ、でもなこれでも俺は神竜組若頭本郷の舎弟、てめえみてーなホスト野郎に仲間をいいようにさせねえー!男っていうのが気に入らねえが一緒に地獄につきあってもらうぜ!」


本郷は土砂降りの中でストーカー男に切りかかられながら空手、合気道技で追い詰める。


「教えてやろう、この街全てが凶器っていうのを!」


本郷は相手のエリを掴むと柔道の大外狩技でアスファルトに頭を叩きつけた。


首の骨が折れる音がはっきり聞こえる。


ストーカー男は動かなくなった。


本郷はその場に尻をつこうとするがそのまま仰向けで倒れる。


冷たい雨が顔を濡らす。


血が止まらない。

寒気が体中を覆い指一本も動かない。

人が覗き込んで声をかけているような気がするが段々と暗くなってきてよくわからない。


死ぬんだなと覚悟した。


「ははは、やくざもんにしちゃあ良い最後か・・・綾乃ごめんな、こんなにいちゃんでごめ・・・」


走馬燈が浮かぶ。


『お兄ちゃん、今度は青山のケーキ屋さん』


『ああ、美味いといいな』


『お兄ちゃん、ここのお汁粉美味しいね』


『さすが俺の妹、美味いもの見つけるなー』


『お兄ちゃん・・・』


『泣くなよ、お前は幸せになるんだ、なってくれお願いだ』


「綾乃のこ・ど・も・・・みて」


雨は更に激しくなって流れ出る血を洗い流していった。


本郷はこうして最後を迎えたはずだった。





『助けて!誰か助けて下さいまし!』


目の前に広がる深い森。


犬のようではあるが有り得ないほどの赤い毛並みの化け物がアレイシアを襲おうとしていた。


『!!!』


化け物が飛びかかってくる。

アレイシアはそれをかわしつつ振り返りキッっと目を合わす。


「ほう、地獄にゃ面白れえもんがいるもんだな」


化け物が砂を後ろ脚で何度もかく。

敵から目をはなさない限り本郷アレイシアは無敵である。

歌舞伎町で死んだのは油断以外なにものでもない。

本郷は裏社会のルール無用の賭け格闘技戦でも最強であったのだ。


再度飛びかかられる。


相手の両手両足が伸びきった瞬間わき腹に空手の横蹴りを叩き込む。


ギャン!と叫んで倒れた所に全体中をかけてプロレス技でも危険なヤクザキックで化け物の頭を勢いよく踏み潰す。


動かなくなった相手を逆さに吊しとどめのパイルドライバーで首の骨を折った。


「あそこにいた!お嬢ちゃん大丈夫か!」


気を失う前に見たのは髭もじゃの外国人のような男数人だった。



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