プロローグ
「射撃を絶やすな!」
「増援はまだか!」
塹壕の上を通りすぎる弾丸の雨。
横の隊員が肩を撃ち抜かれる。
「おい!大丈夫か!?」
「衛生兵!衛生兵はどこだ!?」
塹壕のあちこちでそんな声が上がる。
「緊急連絡!他部隊は来れないそうです!」
「なんだと!?上は何を考えてるんだ!」
叫び声と同時に、敵の陣地から爆炎が発せられ、空気を切る音が聞こえる。
「!?敵砲弾飛来!口を開け!圧死するぞ!」
叫んだ刹那、、敵陣から飛来する砲弾が空中で爆発し、地面には到達する前に止められる。
「どうした!何が起こっている!」
「!?海自から緊急無線が入りました!海自から増援です!」
「海自だと!?今のは護衛艦からの攻撃か!?」
叫ぶ瞬間、頭上を攻撃ヘリが通り過ぎる。
「海自の紋章…。それにあの部隊章…。」
「海自からの続報!向かった部隊は、遊撃特務遊撃特務攻略大隊!」
敵陣地では先ほど頭上を通り過ぎた攻撃ヘリが、敵陣地に攻撃をしている。
その光景に気を取られていると、今度は大量の輸送ヘリと輸送機が通り過ぎてゆく。
〈遊特攻全部隊に通達!敵を殲滅せよ!暁の日本を、勝利へ導くのだ!〉
≪≪≪うぉぉぉーーー!≫≫≫
無線から少女の様な声に続き、雄たけびが聞こえる。
「なんだあれは…。」
どこからかぼそりと聞こえる。
向こうではヘリボーンや空挺降下で降下した隊員が敵部隊を蹂躙していく。
その部隊の先頭には、刀を持って叫ぶ少女の姿があった。