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hello.goodbye summer⑬


 まるで、禁断の曲。そう、誰かが言った。それ程、この曲は美しく、綺麗で、そして恐ろしさを孕んでいた。


 弾きながら、音が怖いと思ったのは、初めてだ。


「さぁ、終らせよう。全部さ」


 演奏終了直後。陽葵の声を聞いた瞬間、私の意識は闇へと落ちた。


 再び目を開けた私が見たのは、綺麗な空の下。花畑が広がる中にいる両親と、陽向と陽葵。笑顔の4人に私は走りよって抱きしめた。


「全部、終わったんだね」

「うん。終わったよ」

「よく頑張ったね 」

「凄いわ向日葵」

「お前がいなかったら、こうならなかったな」


 良かった。終わったんだ。全部。全部。


「行こうか。向日葵」

「うん!」


 私は、4人と一緒に歩き出した。これから始まる幸せな日々を想像しながら。


ーーーー

『緊急ニュースです。今夜行われたコンサートで、千倉日向と空嶺向日葵の演奏後、演奏を聞いてた者全員が死亡する事件が発生しました。観客同様、2人の死亡も確認されており、なお、この事件の被害者は数万人のぼるとされております。警察は、詳しい状況を調べると同時に、原因追求を急いでいるようです』


 全ての悪夢は終わり、優しい夢へと誘われた。


 多くの犠牲を生みながら。


 goodbye summer.


 hello summer.


 2度と目覚ぬ幸せな夏へとあなたを誘いましょうーー。


 (完結)




ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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