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裏側の町

挿絵(By みてみん)

 こんにちは、椎名七海(ナミ)です。

 みなさんお久しぶりですね。

 あたしが籠目小学校を卒業してからもう1年以上の時間が過ぎました。

 もう今は籠目中学校の2年生になっています。


 今日はあたしから、鳳町に伝わる「裏側の町」と呼ばれる都市伝説をお話したいと思います。

 都市伝説と言っても、これはずいぶん新しいお話で、しかもあたしの友人のミキ(高村神酒)やシュン君(水神瞬)が関係しているものです。


 覚えている人もいるかも知れませんが、あたしたちがまだ中1の冬のころ、あたしたちのクラスに1人の転校生がやってきました。

 名前はオーヘッド・クラウス。

 アメリカのニューペリーポートからやってきた、アメリカ人の男の子です。


 クラウスは大変優しくてステキな男の子で、当時クラスの中でも人気者。

 当然あたしやミキやシュン君ともすぐに仲良くなり、特にシュンとミキは彼と親友として付き合っていました。


 そんなある日のことです。彼ら3人が失踪したのは。


 当日ミキたちがいなくなったと思われる時間、クラウスの家の上空付近に、オレンジ色に輝く不思議な物体が浮かんでいて、それを目撃した人が鳳町には何人もいました。


 あたしのママや、妹の詩織もたまたまそれを目撃したと言っていました。

 そしてその日を境に、ミキとシュン君、そしてクラウスの3人が、まるで神隠しにでも遭ったように突然いなくなってしまったんです。


 ほんの数ヶ月前の出来事ですから、今でもその時のことはよく憶えています。

 何日もの間パトカーや警察が町中を巡回し、テレビでも取り上げられ、みんなは心配で心配で3人のことを必死に探しました。

 それでも彼らは見つかりません。


 そして、やがて・・・・。

 もう3人のことが絶望視され始めたある夜のことです。

 ふいにひょっこりと、ミキとシュン君が帰ってきたんです。

 石着山の入り口の小高い丘に2人は倒れていたということでした。


 残念ながら、クラウスだけは帰ってきませんでしたが、ミキとシュン君はその理由を知っていました。そして、「クラウス君のことは心配しなくていいよ。」とあたしに言ってくれました。


 あれだけ大騒ぎした後のことですから、警察もマスコミも2人のことをほっとくはずがありません。

 誰もが真相を知りたくて、マスコミなどがそろってミキたちのもとを訪れたみたいです。

 ところがある日、そんな奇妙な熱をおびた究明合戦が、まるでロウソクの火を吹き消すように終息してしまいました。

 警察からの正式な発表があったのです。

 それは、このようなものでした。


 実はクラウスは、アメリカのある重要な犯罪の関係者にあたり、彼自身には罪はないものの、クラウス自身の命も危険にさらされる可能性がありました。

 そんな中、クラウスと特に親しくしていたミキとシュン君が、たまたまその犯罪の重要参考人と接触してしまい、2人もまた危険な状況に陥ったのです。

 アメリカ当局は2人の身の安全を図るため、そして2人の目撃証言を検証するため、約1ヶ月の間保護していたということでした。


 ちなみに事件は全面解決し、クラウスは今はアメリカで静かに暮らしているということです。

 これ以上の情報を知ろうとする人には、必ずアメリカのある機関からの圧力がかかるそうですよ。


 そして、その頃からです。

 こんな噂が流れるようになったのは・・・・・。


 私たちが住んでいる町・鳳町は表側の姿。実はどこかにひっそりともう1つ「裏の鳳町」があって、そこには宇宙人が住んでいる。

 たまに行方不明になる町の住民。

 その人が帰ってきた時には、もう別の人間にすり替わっているってね。

 もしかしたら行方不明になった3人は、実はUFOに連れていかれたんじゃないかって。


 実際あれから鳳町の上空には、時々オレンジ色に輝く飛行物体が現れるようになりました。

 誰かを監視しているのでしょうか?


 そして、帰ってきたミキとシュン君も、前とはちょっと違う雰囲気に感じられます。

 もしミキたちを知っている人が2人を見たら、きっと「ん?何かちょっと違うぞ。」と思うことでしょう。


 でも、あたし実は知っているんです。

 ミキたちが帰ってきてから数日後のことです。

 ミキは、あたしとリコにだけこっそりと、彼女たちの身に何が起きたのかを話してくれました。

 不思議な、本当に不思議なお話でした。


「裏側の町」の真相についてはあたしにはわかりません。

 でも、これだけははっきり言えます。

 ミキもシュン君も偽者ではありません。

 誰がなんて言おうと絶対に本人です。


 そして、ミキが話してくれた「エリア51・ロズウェル」での不思議な物語。

 とても信じられないような不思議なお話でしたが、ミキが言うのだから、あれもまた本当のお話なのでしょう・・・・。

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