初恋人2
中学を卒業して。
私はほぼ毎日、Kくんに送って帰ってもらう高校生活をしていました。
この頃は携帯はなかったので、ポケベルが頼みの綱でした。
Kくんはポケベルを持っていないので、私が一方的に連絡を待つ日々でした。
ところがある日、連絡が入らない日がありました。私はしばらく駅で待ってみたのですが、連絡はなく、Kくんの家に電話しても誰も出ませんでした。
そこで私は一人で帰ることにしました。
帰り道は途中、卒業した小学校を抜けるのですが、ふと嫌な予感がして自転車を降りて、歩き始めました。
校門を抜けると運動場があり、その正面には昇降口というのか、広いタイル張りの玄関があり、そこを見て思わず私は隠れてしまいました。
そこにあったのはSちゃんとKくんの姿。しかも二人はいちゃついて見えました。
私は見つからないように玄関の裏へ回りました。ガラス越しに見える二人はストレッチをしながら、いちゃついていました。
ショックで家に戻る私。
そこには機嫌の悪そうな母の姿が。
私は自暴自棄になって、母と喧嘩して家を飛び出しました。
長いこと一人で泣いていたと思います。ふと思い立って、中学の頃になついていた英語の先生に電話をかけました。彼女は私の話を親身に聞いてくれ、私も徐々に落ち着いていきました。彼女の提案で私はその場所から一番近くの友達に連絡を入れました。
結果、母に捕まりましたが、そのとき私の親友の数名が私を捜索してくれていました。もちろんSちゃんも、Kくんも。
私はその日はおとなしく帰りましたが、翌日、Kくんに問いただしました。
Kくんは、一緒に運動するためにストレッチをしていただけだと言い張りましたが、絶対にそれ以上のことをしていたはず。なんといっても反対側から私はみていたのだから。
この件でさらにSちゃんにコンプレックスを抱いた私は、そのうちKくんと別れることになります。
これをきっかけに、私の彼氏いない歴がない生活が始まりました。
数年後、大人になってからなぜかKくんとつるんだ時期がありました。
そのときに、まだ学生だったKくんは、
「俺が働き始めたら絶対お前を迎えにいく」
と固い約束をかわしたものの、結局Kくんは迎えに来ずに今に至ります。職場は実は調べて知っているし、お兄さんとはFBでお友達なので、本気を出せば会いに行けるんですが、とりあえずそれはしないでおきます。ぶくぶくに太った姿を見せたくないし、ね。




