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プロローグ
「……―――それではこれで出発前の集会を終わる」
朗々とした声が広いホールに響き渡る。
その言葉にそわそわする者、不安そうにする者、目を輝かせる者。
反応は様々だった。
「諸君らはこの日のために今までの学校生活を過ごしてきたといっても過言ではない。緊張している者も多いだろう。がしかし、焦ってはいけない。今までで学んだことをしっかりと実行すれば、結果はおのずとついてくるはずだ。自分を信じ、しっかりがんばってくれ」
そこで老人は言葉を切った。
「一同、礼」
何百人もの生徒がいっせいに頭を下げ、周りにいた教員からは盛大な拍手が送られる。
彼らの最終試験が今、始まった。