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LoveStory  作者: 灯月樹青
17/20

17.選べない解答(こたえ)

いつもよりちょっと長いかも。

――ボスッと音を立てながら美優がベッドに寝転ぶ。

予想以上に話し込んでしまった為に、坂井と別れたのは、ギリギリ終電に間に合うぐらいの時間で、家に着いた頃には時計の短針は12時をゆうに過ぎていた。

それから化粧を落とし、風呂に入り、寝る身支度をし終えた今は、2時近く。

感情の起伏があったという事と、かなり大量のアルコールを摂取したという事もあり、精神的にも身体的にもいつも以上にグッタリしているという自覚があった。

それでも、耳に残る坂井の言葉が、眠りに落ちる事を阻害する。


――『動かなきゃ、何も変わらないぞ』――


それは、怖くて行けないと言った私に、あの後坂井が投げかけた言葉だ。

坂井が私に何を言いたかったのか、それに気付かない程鈍感ではないつもりだ。

それでも、しなきゃいけない事と、実行出来る事は――別――だ。

既になくなっていると思っていた恋心を自覚したことで、『会いたい』と思う気持ちは大きくなっている、…それでも――。


(………怖い――)


怯える心がそれを否定する。

もう何度も繰り返し、何度も答えを出し、そしてまた何度も繰り返されていく葛藤。

それでも繰り返す私は、否定しながらも、彼と会う事を望んでいるんだろう。

だからこそ、違う解答こたえを求め、問いを繰り返す。

つまりこの問答は、『会う』という解答を出さない限り何度でも繰り返されていくのだろう。

坂井の言いたい事も分かる。

多分、私は彼に対する気持ちを清算しない限り、他の恋愛は出来ないだろう。

それは彼と別れてから数年、付き合おうという気分にならなかったことからも、簡単に推測する事が出来る。


「――…ハル」


名前を呼べば、簡単に呼び出すことの出来る面影。

彼と出会わなければよかったと考えなかったわけじゃない。

彼と出会わなければ、きっとこんな気持ちにはならなかっただろうから。

それでも、彼と出会わない『今』が想像出来ないのもまた確かだった。

何であれ、彼は私にとってなくてはならない存在として、私の中に刻まれているのだから。

その存在に、私は『ケジメ』を付ける必要がある。

彼と会うと言う事が、(ハル)にとってどういう意味を持っているとしても。

結局、大切なのは――『自分』――なのだから。



そう改めて自分の気持ちを見つめなおした頃、充電していた携帯が小さく緑色に発光している事に気付く。


(――メール?)


メールの受信を知らせる携帯を手に取ると、慣れた操作で受信メールを呼びだす。

そのメールの内容に、若干気持ちが緩み、口元に笑みが浮かぶ。



---------------------

TO:冴島敦

FROM:伊藤美優

---------------------

今日坂井と呑みに行った

んだって?

坂井に聞いたぞ。

俺も誘ってくれりゃ行っ

たのに、なんで誘ってく

れねーんだよ!?

俺も酒飲みてぇ~よ!


で、今週末どうする?

案内して欲しい所あるな

ら案内するぞー?

---------------------



届いたメールを見ながら、プライベートは結構無口な癖に、かなりフレンドリーなメールを打つ同僚を思い浮かべると何とも奇妙で笑えてしまう。

休みぐらい部屋から出てどっかに行きたいと思うのだが、生憎土地にも明るくない為、行きたい場所というのも私の頭では思いつかなかった。

かといって、(家に引きこもってるっていうのは嫌だしなぁ~)と考え、返信画面を開くとメールを打ち始める。



---------------------

TO:伊藤美優

FROM:冴島敦

---------------------

私も会社出た所偶然坂井

に捕まっただけだし、約

束してた訳じゃないんだ

からしょうがないじゃな

い(笑)

飲みたいなら企画すれば

いいんじゃない?

何人かは集まるでしょ?


明日かぁ~。

行きたい場所って思いつ

かないんだけど、どっか

お勧めスポットとかある

~?

---------------------



そう、当たり障りのない事を書いてメールを送信する。

冴島なら多分今日中に返信が来るだろうと、少しメールを待つことにする。

そんなに長い時間を置かず、携帯がメールの受信を告げる。



---------------------

TO:冴島敦

FROM:伊藤美優

---------------------

企画すればって…俺は誘

って貰えないのかよ(笑)


何もないなら観光じゃな

くて、俺とデートでもす

るか?(笑)

---------------------


---------------------

TO:伊藤美優

FROM:冴島敦

---------------------

わかった、わかった(笑)

なんかあったら次は誘う

よ~(笑)

それでいいんでしょ?


デートかぁ~、んじゃ、

冴島にエスコートして貰

おうかな☆

---------------------


いつものノリで、そんなメールを送信した時、不意に坂井の言葉が頭を過ぎった。


――馬に蹴られるよーな事はしない主義なんで――


と。

更新遅くなってしまい、すいません。。orz

暫らくは試験とかないんで、週1で更新します!

…多分(マテ

こんな作者ですが、優しく見守って頂けると嬉しいです(>△<;)


内容的には坂井との飲み会を経た、美優の考えをメインに書いた…つもりです。

私が美優と同じ状況になったら…多分同じ事を考えるんじゃないかな。

行動するかはやっぱりわからないけど…ね。

美優はもう一人の自分の感覚なんで割と書きやすいです☆

近しい人にいえなかった想いを此処に…。


次は冴島との休日でも☆

のほほーんと出来ればいいなぁ~(まだ未定


誤字脱字、ご指摘など在りましたら遠慮なくどうぞ。

感想など頂けると嬉しいです☆


ではまた来週☆

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