表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
LoveStory  作者: 灯月樹青
16/20

16.傷付きたくない

誤字、脱字ありましたら報告して頂けると助かります。

「で?」

「へ?」


唐突に坂井が話を振るから、何の事を言われたのか分からず呆けてしまったのは、まぁ…しょうがない事だと思う。


「『へ?』じゃないだろ?どうすんの?」

「…?何が?」

「まだ好きなんだろう?今のままじゃ前に進めないんじゃねーの?」


そこまで言われてやっと、坂井が何を言いたいのかが分かった私は、ちょっと鈍いのかもしれない。


「――そうかもしれないけど…もう終わった事だよ」


会いたいと思う気持ちと、会いたくないと思う気持ち。

諦めようと思う気持ちと、諦められないと思う気持ち。

鬩ぎ合い、葛藤する想い。


「あのなぁ…相手は知らないけど、少なくても伊藤の中では終わってないだろう?連絡とか取れねーの?ハッキリしとかないと引き摺るだろ?」

「――連絡先とか、消しちゃったし…」


これは本当だった。

電話も、メールも、何一つ相手に連絡を取れる手段を残さなかったから。

ただ――一つだけ。


「住んでる場所とかは?」

「――引っ越してなければ…」


あの日――地図を見ながら歩いた道だけは、そんなに入り組んだ場所でもなかったから、多分方向音痴の私であっても行く事が出来るだろう。

引っ越して来てから、何度か行こうとして…そして…止めた場所。


「遠いの?」

「…ううん。県内ここだから」


会える距離に、彼が居る。

それがどれほど私の感情を揺らしているか。

訪ねてみて、彼が引っ越して居るのを確認したら、きっとこの気持ちも収まるんだろうと思う私と、彼との繋がりが何も無くなる事に恐怖を抱く私。

此処でも私の中にある2つの気持ちが葛藤を起こす。

時間は傷を癒すと言うけれど、私の傷はまだ膿んだまま…。


「会いに行こうと思った事がない訳じゃない。でも、どうしても…怖くて――行けない…」


――怖い――、彼がまだそこに住んでいると知ることが…。

――怖い――、会って話をするかもしれない事が…。

――怖い――、あの時の真実を知ることが…。

――怖い――、もう…あんな思いはしたくないから…。

私は、もう傷付きたくないから――。


一回忘れさせた癖にまた蒸し返す坂井…ちょっと酷いなぁ…とか、ちょっと思ったり(え、酷いのは作者ですか?…まさかぁ~(笑))


美優が思う気持ちは作者的には当然かな?と思ってます。

一度傷付くと、どうしても次は傷付きたくないと思う。

それは自分を守ることだけど…しょうがないと思うんです。

誰でも傷なんて増やしたくないんですから。

進む事が怖くなる――それは傷付く事を知ってしまうからなんですよね。


さて、坂井との絡み。

今回はとりあえずここまでのつもりです。


では、また。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ