13.過去
「出会ったのは…2年半ぐらい前――って言ってもお互いの存在を知ったのが2年半前なだけで、実際会ったのはもう少し後だったけどね」
「ネット?」
「そ。その時ちょっと色々あってさ。かと言って、友人にもちょっと言い難い話で、それでも誰かに愚痴を聞いて欲しかったの」
「確かに。何も知らない人の方が愚痴って言いやすいよな」
そう言って笑う坂井は、多分ネット肯定派なんだろう。
「そうそう。何故か使わない人達からはネットって嫌悪されるけどね」
坂井のその言葉に、ちょっと安心した。
何故ならネットから始まる関係に関して疑心を抱く人間の方がまだまだ多いからだ。
もしも懸念な顔をされたら…、多分私は話せなくなっただろう。
ネットに関する世論の認識と言えば、――『インターネット=(イコール)危険』もしくは『インターネット=(イコール)嘘』――だ。
確かにインターネットが普及する前に比べて、目に見えるネット犯罪が増えたのは確かだけれど、私はこうも思う。
犯罪が増えたのは色々な人間がインターネットを使い始めたからであって、インターネット自体が危ない訳ではないんじゃないかと。
現実でだって、関わる人数が増えればイザコザは増える。
それは友人関係のみで集めた所で、何処かから大なり小なり入ってくるものだ。
それは現実も空想も変わらない。
それならば、どちらも自分で危険を回避するしかない点に関しては変わらないと思うのだ。
インターネットも結局は道具であり、本人の使い方次第で人を喜ばす事も出来れば、殺める事も出来る、包丁という道具と一緒、危ないから包丁なんて絶対使うなという人はいないのだから。
確かにインターネットはそういった『危険』も内包しているが、メリットもある。
それは『自分と全く関わりのない人と知り合える事』だ。
――知っている人だから言えない事がある――とは、実際にそういう事を思ったことのある人以外は分からないものなのかも知れない。
――自分の事を知らないから、何でも言える――
相手は色眼鏡をかけることなく、その時の『私』を受け入れてくれるのだから。
だからこそ、私はその時愚痴を言う相手をネット上に求めたのだ。
世の中同じように≪構ってくれる人≫を求めている人は割と多く、彼はその中に書き込みをしている1人だった。
「始まりは、私からの書き込みだった。彼のプロフィールに自分との共通点見つけてさ、同い年だったし、つい書き込みしちゃたんだ。それから暫くサイト内で連絡を取り合って、そのうち携帯で連絡を取り合うようになった」
連絡取り始めてすぐに『直接メールしよう』と言う人が多い中、彼は逆にそういう事は一度も言わず――、だから余計に気になったのかもしれない。
「初めはね、恋愛感情なんて欠片もなくて唯の友達だった。どちらかというと対象外に入ってたんだと思う。好意はあったよ?好きなのかなって思う事もあったけど…色々あったのが恋愛系でさ、寂しい所を構って貰ってるから…だから流されてるだけだと思ってた。それが知り合って2ヶ月ぐらいになった時、――好きになってもいいか――って聞かれたの」
お互い遠距離は嫌だったから、「両者の間で恋愛はないね」って笑って言いあった事もあったから、彼の言葉は予想外であったはずなのに…。
「――嬉しかったんだ。それで私は彼の事が好きなんだって気付いた。でもやっぱり会わずに付き合うのは抵抗が合って…、彼が会いに来てくれて…その日から付き合い始めて、月に1回会う事も出来なかったけど…『幸せ』だったんだ」
――あの日までは…。
美優の過去、今まで何度か出てきた――『あの日』――が明らかになっていきます。
さて。
関係ないけど、美優と春光の出会いとか付き合い方とかその他とか…ほぼ自分の今の恋愛を書いてるんですよね(笑)
そんでもって、多分美優の気持ちとかもイコール自分の気持ちになってると思う。
こういうの書いてると美優を通して自分の気持ちが分かる…っていう、…不器用なんですかねw
最近、「リアルな知り合いには決して見せられないな」なんて思う作者ですw
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では、また。