弱肉強食の世界
「え!?ジョブズさんが、逮捕!!?」
ファミリーたちは驚き、ロラックスの腕時計を見た。
そして彼らもまた、青ざめた表情をした。
それからポンジが口を開いた。
「今は、何もしてやれない。だが、いつか必ずジョブズの仇は取る。ピノキオ、ジョブズがこれからどうすべきか、俺が説明する。その内容を文字にしてジョブズへ送ってくれ」
ポンジはファミリーたちに、送るべきメッセージの内容を説明した。
ピノキオはそれを聞き終えると、すぐにジョブズへメッセージを送信した。
ージョブズさん。捜査で何があっても、黙秘を貫いてください。次に、今後はこちらから連絡を取ることはありません。最後に、必ず助けに行きます。だから、諦めず、頑張って下さいー
ジョブズはその文章を読み終えると、パトカーの窓越しに夜空を見上げた。
そして、かつて愛した恋人の姿が脳裏に浮かんだ。
それは、十年前、小石がBanana Japanに就職する以前、五星電機で働いていた頃の出来事だった。
「なんでここのコード、間違えてんだよ!このゴミカスが!!」
上司の古味自分郎は、小石、ジョブズに対し、明らかにパワハラと呼べる暴言を吐いた。
だが、小石は黙っていた。
「…」
「おい! 人の話くらい、ちゃんと聞けよ!!」
古味は勢いよく怒鳴りつけた。
それでも
「…」
小石は、ただ黙り続けた。
「まあ、その態度も今だけ、そのうち、お前はクビだぞクービ」
古味はそう悔しそうに吐き捨てると、は去っていった。
それでも小石は、何も言わなかった。
そして、ある日の昼休みに、男子トイレで、小石は複数の同僚に囲まれていた。
ドンッ!
五星財閥家と親戚関係にある三星が、小石を思い切り殴り、蹴った。
「…」
無言。
「ほら、動画撮ってんだから、なんか喋れよー!ははは!!」
別の同僚がスマートフォンを向け、嘲笑する。
それでも
「…」
三星は、つまらなそうに舌打ちすると、さらに暴力を加えた。
「おい!何か喋ろっつってんだろ!!」
ドンッ、ドンッ、ドンッ、ドンッ…
痛々しい殴打の音が狭い空間に響く。
そのとき、突然、男子トイレの扉が開いた。
そこに立っていたのは、正義感の強い眼差しをした、一人の女性だったのだ。




