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コンフィデンスゲーム シーズン2  作者: Dr.Kei
ル・ビトン石岡工場新設保険詐欺編

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書類の秘密

「はあ?」

山岡は戸惑ったように言った。

「ほら、これを見てください。まず、元の四井墨共銀行のホームページですが、上の部分の色は本来、こういう濃いめの緑色で、下の薄い部分は黄緑色のはずなんです。しかし…」

そう言って、切野はパソコンの画面を山岡に見せた。

「この書類は全体的に薄めの緑色で、下の薄い部分も黄色と、微妙に違います」

「あ、本当だ!」

山岡は驚いて声を上げた。

「そして次に、一番上の部分ですが、かすかに青い線が見えませんか?」

「あ、確かに」

「つまりこれは、別の銀行のホームページのスクリーンショットを元にして、上から緑色と黄色を被せて加工している、ということです」

「そういうことか!じゃあ、この“上の部分が青色”という情報で、銀行をかなり絞れたな」

「いえ、まだいけます」

「え?」

「最後に、このロゴをじっくり見てください」

「じっくりか?」

「はい。すると、何か異変に気づきませんか?」

「…」

山岡はしばらく画面を見つめ、考え込んだ。

「あ!このロゴの左側、ちょっと何かはみ出してる!」

山岡は、ひらめいたように言った。

「その通りです。この“何か”は、丸く、くの字に曲がっています。しかし、この独特の曲がり方から考えると、カクカクした漢字やカタカナとは考えにくい。つまり、ひらがなです」

「ひらがな…」

「そして、ひらがなで左側にこの形が来る文字は、たった一つ。“み”です。“み”が最初につく銀行は、一つしかありません。

もうお分かりですよね、山岡警視」

切野がそう言うと、山岡は目を大きく見開き、噛みしめるように言った。

「みずな銀行…」

「その通りです。では明日、早速みずな銀行本店に取り調べに入りましょう」

そして翌日、大手町ビルに、山岡、切野、小林、高木、女性の宇佐美警部補、さらにサイバーセキュリティ対策本部の数名が入った。

「だ、誰ですか?」

受付の女性が、びくびくしながら大柄な警備員に声をかけた。

「こんにちは。警視庁捜査二課の山岡と申します」

そう言うと山岡は、警察手帳をガラスのシールドにぴったりと押し当てて見せた。

「横浜カジノ誘致詐欺の件で、社内捜査をさせて頂きたいのですが、よろしいでしょうか」

真顔で問いかける山岡に、警備員はあまりの迫力に言葉を失い、無言のまま扉を開けた。

彼らはそのまま堂々と中へ入っていった。

「警察だ。これから社員のパソコンを押収する。パソコンの操作は一旦全て止めろ」

山岡が大声で告げると、社員たちは一斉に操作を止め、ざわめきが広がった。

しかし、サイバーセキュリティ対策本部の警察官たちはそれに構わず、即座に捜査を開始した。

一方で梅林、高木、宇佐美は社員を一人ずつ呼び、取り調べを進めていた。

しばらく捜査が続いた後…

「切野さん、ちょっと」

サイバーセキュリティ対策本部の警察官の男性が切野を呼び、彼はそちらへ向かった。

「騙し取られた金額は、合計1000億円でしたよね。確認しましたが、2019年9月10日の0時0分頃、四つの企業連合の口座から、BOOユニバンクの口座へ、合計1000億円が振り込まれています」

「すごいですね。よくやってくれました。それで、そのBOOユニバンクの口座の受取人名は?」

「少々お待ちください」

男性はそう言ってキーボードを打ち、画面を確認した。

「…ありました。この人です」

画面に表示された名前を、切野は見た。

ー小石 翔ー

その後、警察はBOOユニバンクに照会をかけ、小石翔の住所を特定した。

一方その頃、ジョブズは不運にも、秋葉原のタワーマンションにある自宅へ帰宅していた。

「はあ…」

温かいココアを飲みながらパソコンで作業をし、彼はため息をついた。

すると、ピンポーン、とインターホンの音が部屋に響いた。

彼は通話ボタンを押した。

「はーい」

「こんにちは、警察です。あなたが詐欺に関与している疑いがあるため、これから家宅捜索を行います。よろしいでしょうか」

ーえ、警察?どうして…?ー

ジョブズは、途轍もない戸惑いに襲われた。

彼は今、大ピンチを迎えていた。

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