正すべき理不尽
「ぼ、僕は何度も何度もカスタマーサービスに、今すぐ販売を中止しろってクレームを入れたのに…け、結局、販売を中止しないじゃないか?」
彼はビクビク震えながら言った。
するとスピルバーグが問い返した。
「それの何が問題なんだ…?」
「問題大アリだよ!」
ポンジは彼の言葉を遮り、珍しく怒鳴るように言った。
「怒鳴ってすまない。今から説明する」
ポンジは一度深呼吸し、冷静になって話し始めた。
「最近になって、ようやく問題視され始めたんだ。動物の革の問題がな。まず、君たちは動物の革がどうやって取られているか知っているか?」
ポンジがファミリーたちに尋ねると、全員が首を横に振った。
「動物の革は、もちろん飼育された動物から取られる。だが、革を取る目的だけなら、十分な餌や良い飼育環境はほとんど必要ない。その結果、飼育場では動物を狭い場所に閉じ込めたり、過酷な環境で育てたりする。さらに、採取の際には…」
ポンジは一瞬言葉を切り、続けた。
「生きたまま、革を剥がすこともある。」
「ぎゃっ…」
あまりの内容に、ファミリーたちは青ざめ、思わず声を上げてしまった。
「これは倫理的におかしいんじゃないかと、何度もカスタマーサービスに問い合わせた。だが、この様子じゃ…もう諦めるしかないのかもしれないな」
ポンジがため息をつき、諦めかけたその時、ピノキオがはっきりと「これは酷いです。酷すぎます!」と言った。
「ピノキオ…」
ピノキオの夫になったばかりのAは驚き、彼女の方を向いて呟いた。
「私は、この件を消費者庁に相談してみます。」
「いいのか…?」
ポンジが申し訳無さそうに尋ねた。
「はい。おかしいことは、おかしいままにしてはいけません。きちんと正すべきです!」
彼女は迷いなく、そう言い切った。
後日、ピノキオは消費者庁に電話をかけた。
「もしもし、こちら消費者庁です。」
「もしもし。あの、ル・ビトンのワニ革製バッグですが、あれはワシントン条約に違反していませんか?今すぐ販売を規制すべきではないでしょうか?」
ピノキオは、厳しい口調で職員に問いかけた。
しかし、「それは出来ませんね」という予想外の返答が返ってきたのだった。




