すでに滅びちまった日本のために
第一幕
(舞台の上。背景無し。日本の神様が三柱、立っている)
神様A「はあ。悲しいなあ。」
神様B「どうしたんだい? 兄弟?」
神様A「お前か。見ろや。己達の国を。」
神様B「ああ、日本のことか。まあ、酷いもんよ。昔の面影が全くない。なんとも薄汚くて、俗っぽくて、醜い国になったもんだ。」
神様C「どうしたんだよ。元気出せよ。二人ともよぅ。己達には、まだアマテラスがいるじゃねえか?」
神様B「そのアマテラスは、先の戦争で、核爆弾が脳天に直撃して「植物人間」状態よ。あんな有様で、 果たして生きているといえるのか?」
神様C「分からんぜ? そのうち、ふと覚醒しちゃうかもしれない。」
神様A「ふんっ。アマテラスは、米軍の集中治療室で管理されている。米軍の許可なしでは、たとえ覚醒したって、何も出来んさ。」
神様B「あー。こんな時、スサノヲがいてくれたらなあ…」
神様A「スサノヲか。懐かしいな。ミッドウェーで死んじまったけどな…。」
神様B「じゃあ、せめて、オオクニヌシがいてくれたらなあ…。」
神様A「オオクニヌシも、硫黄島で死んじまったじゃないか…。」
神様B「ツクヨミは?」
神様C「あ、ツクヨミはな。沖縄戦の後、ずっと行方不明だとよ。――まあ、 多分、死んでいるな…。」
神様B「ヤマトタケルは? タヂカラヲは? タケミカヅチは? オモイノカネは?」
神様A「八十年前の戦争で、みーんな。きれいに死んじまったさ…。」
神様B「ああ、日本には、本当に、もう、何も残っていないんだな…。まったくクラゲみたいな国になっちまった。今、日本に残っているのは、己達みたいな力のない神ばかりか…。」
神様A「己なんか、タンポポの神だからな。」
神様B「己なんて、ダンゴ虫の神だぞ? 己達の力じゃ、出来ることなんて、何もないさ。」
神様C「でもよぅ。この国の人間は、これでいいのかよ? あれから八十年も経ったっていうのによう、アメリカにぺこぺこしてよう。奴隷のように搾取されているのに、星条旗を振って喜んでいる。アイツら恥ずかしくないのかよ?」
神様B「恥ずかしくないんじゃないかね?」
神様A「そうだ。今の日本人に、羞恥心やら武士道やらを求めても無駄さ。己達の時代は、もう終わったんだ。」
(遠くの方から、恐ろしい声が響いてくる)
祟り神「ふざけるな…。己は認めないぞ…。」
第二幕
(大量の蠅が全身に群がっている真っ黒い腐乱死体が、舞台右手から登場。全身が爛れていて、顔かたちがよく分からない)
神様A「誰だ!」
神様B「なんだ。この臭いは? ――生臭くて、鼻が曲がりそうだぜ。」
祟り神「(ゆっくりと、緩慢な動作で歩きながら、恨めしげに話す)己は絶対に許さないぞ…。この国を、こんな風にした奴らを、己は絶対に許さない…。」
神様B「おいおい。誰だ。てめえ?」
神様A「誰を許さないってんだよ?」
神様C「おい。お前たち。やめとけ! ソイツは祟り神だぜ?」
神様A、B「祟り神?」
神様C「そうだ。おいアンタ? アンタは、もともとは由緒正しい高天原の天津神だナ? なんだって、そんな悪霊みたいな姿になっちまったんだい?」
祟り神「己は今、靖国の英霊たちの魂とともにある…。そう、かつて、この国のために戦い、この国のために死んでいった誇り高き者たちの魂だ。
亡き戦士たちの荒ぶる魂は、己を急かすのだ。彼らはな。みな、今の堕落しきった日本人に、激しい憎悪と軽蔑と悲しみを抱いているぞ…。その情念の激しさが、己の身を焦がすのだ…。英霊たちは、こんな日本なら、いっそ滅ぼしてくれと呪っている…。己は、その願いを聞き入れた。こんな国は呪ってやる。えいっ。えいっ。」
(祟り神が右手を大きく上げて振り下ろすようなしぐさを、何度か繰り返すと、遠くのほうから、地響きとともに、人々の悲鳴が聞こえてくる。)
神様A「おい、何をしているんだ! アンタ?」
神様B「わあ。地震だ! 火事だ!」
祟り神「ふははは。思い知ったか…。クソ日本人ども! お前たちなんか滅びてしまえ。いや、お前たちは、八十年前の戦争で絶滅するべきだったんだ。おめおめと生き残って、世界中に恥を曝すぐらいなら、潔く死んでしまえ。」
神様C「まさか…。近年、日本で頻発している地震やら、津波やら、異常気象やらの災害を、引き起こしているのは、全部、アンタの仕業か?」
祟り神「そうだ…。全て己がやったことだ。」
神様A「なぜそんな事をする?」
祟り神「何度も言っているだろう? 己は今の堕落した日本人が、嫌い嫌いで仕方がないんだ。この自然豊かな美しい国を作ったのは、イザナギとイザナミだ。そうして、日本の八百万の神々だ。
それなのに、日本人のこの無様は何だ? 神への信仰もなく、自然への崇拝もない。民族としての誇りを失い、ただ、ボーフラみたいに、へらへら生きている日本人に、こんな美しい国はもったいない。これは天罰だと思い知れ!」
神様A「祟り神さんよ。アンタの気持ちは分からないでもないけれどよー。分からんでもないけれど、日本は既に神から人の手に譲られている。この国の行く末は、この国の人間の手に委ねたらいいんじゃないか?」
神様B「そうだぜ? 日本人だって、全部が全部、アンタの考えているような人たちばかりじゃないと思うぜ。――ほら、見なよ。過去の日本に敬意をもっている日本人だって……て、あれ?」
(舞台右手から声がする)
ウヨク「朝鮮人は死ねえ…。死ねえ…。」
第三幕
(旧大日本帝国陸軍のコスプレをした日本の男たちがデモ行進しながら、舞台右手より登場)
ウヨク「在日特権を許すな―っ! 朝鮮人は日本から出ていけーっ!」
ウヨク「そうだ。そうだー。」
祟り神「おい、何だ。あの、程度の低そうな、変ちくりんな連中は?」
神様C「ああ…。変なのが出て来ちゃった…。」
神様B「あれはだねえ…。そのう…。多分、「ネット右翼」とかいう奴らで…。あ。」
(デモ行進の先頭に、朝鮮人が飛び出してくる。)
朝鮮人「アナタ達、ナゼ私達ヲ、イジメマスカ?」
ウヨク「来やがったな。朝鮮人め。」
ウヨク「竹島を返せ。馬鹿野郎。」
ウヨク「そうだそうだ。被害者面しやがって。お前たちが、どれだけ日本で悪いことをしているか――己達は、もう、全部、わかっちゃっているんだ。
慰安婦がどうだの、徴用工がどうだのと、何かとイチャモンつけては、賠償金をタカッてくる乞食どもめ。
半島に帰れ! 己達日本人の税金で、生活保護を受給して、のんのんと日本で暮らしやがって。」
朝鮮人「ソレハ、アナタ達ノ偏見デショウ? 全テノ朝鮮人ヲ一括リニシテ、悪ク言ウノハ、ヤメテ下サイ。朝鮮人ニ対スル冒涜デス。」
ウヨク「やかましい! また植民地にされたいか? この野郎!」
朝鮮人「植民地ニサレテイルノハ日本デショウ?」
ウヨク「なんだと? 己達がどの国の植民地だというんだ?」
朝鮮人「米国ノ植民地ジャナイデスカ?」
ウヨク「おいおい。馬鹿を言うなよ。日本とアメリカはな。戦略的な互恵関係を築いている重要なパートナーなんだ。己達のバックには、アメリカ様がついているんだぞ! 朝鮮人め。口の利き方に気をつけろよ? 己達に何かあってみろ? アメリカ様が黙っちゃいねえぞ?」
朝鮮人「ソノ米国ガ、プラザ合意デ、日本ヲ円高ニサセテ、バブル崩壊サセタ張本人ダト知ラナインデスカ?日本ノ半導体産業ヲ潰シタノモ米国デショ?
ナゼ、アナタ達ハ、米国ヲ友達ノヨウニ思ウノデスカ?
今ノ日本ハ円安ナノニ、米資産ヲ売ラナイノハ何故デスカ?
アナタ達ハ何カ変ダト思ワナイノデスカ?
日米地位協定ハ?日米合同委員会ハ? アナタ達ハ本当ニ何モ知ラナイノデスカ?モット勉強シテカラ、コウイウデモヲシテ下サイ。」
ウヨク「ええい。ペチャクチャと、よく喋る奴だ。」
ウヨク「おい。お前。日本のことが羨ましいんだろ? アメリカと仲良しな己達の事が羨ましいんだろ。戦争になっても、アメリカ様に助けてもらえないかもしれないもんな。お前の国?
(一部始終を見ていた祟り神が、地団駄踏む)
祟り神「おい! 何だ? アイツ等は? なんでアイツ等は、全部、アメリカ任せのくせに、あんなに威張っちゃっているんだ?
自分の国は自分で守るのが当たり前だろう? アイツ等には「男」としてのプライドはないのか? あー。この国の男達は、どいつもこいつも、アメリカ、アメリカと。五月蠅くて小利口な奴ばかり…。日本男児と武士の気骨は、どこに行ってしまったんだ…。」
神様A「……。」
神様B「……。」
(ウヨク団体が舞台左手に退場すると、また遠くから声がする)
サヨク「ジェンダーレス万歳!」
第四幕
(フェミニズム団体の女達が、全裸でデモ行進していながら、舞台左手から登場してくる)
サヨク「皆さん。「男らしさ」とか「女らしさ」は、社会的ジェンダーによって作られたものなのです。
男女に区別はありません。「性別」という概念は、社会によって後天的に作られたものです。それは、もう、科学的に証明されちゃっているんです。私は、「女」を家庭に閉じ込め、「母」になるという義務を、私たちに背負わせた「男」の罪を、絶対に許さない。」
サヨク「許さな―い。」
サヨク「許さなーい。」
神様A「ああ、このタイミングで、また変なのが出てきちゃった。」
祟り神(軽蔑の眼差しで、デモ行進を眺める)
サヨク「なぜ「女だから」という理由で、私達は性的に受動的であり続けなければならないのでしょう? なぜ「女」がセックスに積極的であってはいけないのでしょう? 女もセックスしたいです。」
サヨク「セックスさせろーっ。」
サヨク「セックスさせろーっ。」
サヨク「「女だから」という理由で、私達は性的に「男」に遠慮する必要は全くありません。さあ「女」も叫びましょう! まんこーっ。」
サヨク「まんこーっ。」
サヨク「まんこーっ。」
(祟り神。小刻みに体を震わせ、首を振って我慢しながら、話を聞く。)
サヨク「皆さん。今、日本のジェンダーギャップ指数が、世界で何位かご存じですか? 一四五ヶ国中一二五位ですよ? なぜこうなったか? 男女平等がいまだ進んでいないからですよ。アメリカを御覧なさい。トランスジェンダーや同性婚の認識が進んでいます。その点、日本人の認識はアメリカに比べ、大いに遅れているんです。
さあ、私達も、アメリカを見習って、同性婚やトランスジェンダーの認識を、周知させなければなりません。「男らしさ」とか「女らしさ」とか、クソくらえです。アメリカのように、性別は個人で自由に決めましょう。そして男女という括りにこだわらず、自由に生きましょう。アメリカのように!」
サヨク「良妻賢母なんてクソくらえ!」
サヨク「トランスジェンダーが新しーいっ!」
神様C「なんか、嫌な予感…。」(おそるおそる祟り神をみる)
(祟り神、意味不明なことをブツブツと呟きながら、何かの準備に取り掛かる)
神様A「た…祟り神さんよ…。何をしているんだい?」
神様B「早まっちゃダメだぜ…。な? 冷静になるんだぞ…。」
(祟り神。憎しみに満ちた目で、にらみつける)
祟り神「いや、これ以上の観察は無意味だ。己の判断は、全く間違っちゃいなかった。ここは、もう、日本じゃない。いや、日本という国は、とっくに死んでいたんだ。
今あるこの国は、強いて言うなら、ソドムかゴモラだ。この国の人間は、意気地なく、貞操の観念もなく、淫欲に耽り、同性愛を推奨している。何がジェンダーレスだ。男女の別は、神の定めた理だ。信仰も規律も文化もない。こんな出来損ないの、死に損ないどもは、天の怒りの稲妻で引導を渡してやる。
己はもう醜い日本人に、これ以上我慢できない。これから南海トラフに向かうことにする。」
神様A「やめろって!」
神様C「そうだ。人間の世界の事は、人間に任せろよ。もう、己達の時代じゃないんだよ。人間の世界から手を引こう。己達の価値観は古いんだよ!」
祟り神「うるさいっ! 己に命令するな…。呪ってやる…。何もかも呪ってやる…。」
(祟り神が、舞台の左側に去ったと思うと、突然、中央まで後ずさりする。)
祟り神「うわぁ! 化け物だ! 化け物が来たあ!」
(祟り神。ビックリして逃げるように、舞台の右側に走り去っていく。)
神様A「どうしたんだ? 祟り神の奴。突然、血相変えて逃げちゃった。」
神様B「祟り神が、あんなに怯えるなんて、一体どんな凶悪な化け物がやって来たというのだろう?」
(神様たちが、不審げに舞台の左側をのぞき込むと、ビックリして飛び上がる。)
神様A「わあっ! なるほど、コイツはやべえのが来た!」
神様B「本当だ。世界一の極悪がやってきた。己も逃げる!」
神様C「みんな待ってくれ。己も逃げるから。置いてかないでくれえ。」
(日本の神様たち、舞台の右側に逃げてしまう。退場して舞台には誰もいなくなる)
第五幕
(アメリカ大統領が、舞台左側から悠然と歩いて登場してくる。)
米国大統領「おい、日本。日本の総理はいるか?」
(日本の総理が、舞台左側から、もみ手をしつつ、腰を低くして登場する。)
日本総理「は。何でございましょう?」
米国大統領「今度、我が合衆国ではな。次世代の武器を開発しようと思っている。これからは宇宙の時代だ。6G――いや、7Gだ。
我がアメリカ合衆国は、常に世界最強でなければならない。軍事力で最強でなければ、中国やロシアはおろか、世界に睨みが利かなくなるからな。」
日本総理「は。その通りでございます。」
米国大統領「しかし、新しい武器を作るには金がいる。また、その一方で古い武器も、どしどし処分していかなければならない。」
日本総理「おっしゃりたい事は分かります。米軍が使い古した時代遅れの中古の武器や不良品などは、全部日本が買い取らせて頂きます。」
米国大統領「なら、三兆円出せ。」
日本総理「は。かしこまりました。」
米国大統領「それとな。アメリカの農家を買い支えるために、お前の国で、遺伝子組み換えのトウモロコシを全部買え。」
日本総理「遺伝子組み換え作物ですか? その場合、日本国民を騙すために、マスコミで世論工作しなければなりません。少し時間がかかります。」
米国大統領「(睨みつける)お前らの都合など知らん。すぐに買え。」
日本総理「は。かしこまりました。」
米国大統領「それとな。お前の国の年貢が足りないと、ホワイトハウスから苦情が来ている。もっと、土民どもから税金をぎゅうぎゅうに絞りとれ。そして、その金をアメリカに流せ。」
日本総理「おそれながら大統領…。日本の税率は、既に最高五十五%に達しております…。これはオランダの植民地・アルバに次いで、世界で二番目に高い税金です…。これ以上、国民から税金を搾り取ったら、私は国民に殺されてしまうかもしれません…。」
米国大統領「HAHAHAHAHA。お前なんかが死んだって、別の総理を据えればいいだけだ。我が合衆国は、痛くも何ともないよ?」
日本総理「しかし、大統領…。」
米国大統領「お前たち土民の国の、徳川とかという土民の王が「民は生かさず殺さず」と言ったそうじゃないか? 合衆国は、この言葉から多くのことを学んだ。そうだ。お前たちのような土民は「生かさず殺さず」に搾取すればいいんだ。」
日本総理「「生かさず殺さず」の政策は、ただいま実行しているところでございます。しかし、もう日本国民は、乾ききったボロ雑巾のようです。人心は荒み、治安も悪化し、秩序は崩壊必至。これ以上、税金を搾り取るのは、難しい状況です。」
米国大統領「そこを何とかするのが、お前の仕事だろ。まあ、頑張れよ。田中角栄とか、中川昭一みたいな目に遭いたくなかったらな?」
日本総理「……。」
第六幕
(日本総理、国会で演説する。聴衆もマスコミもいない。もちろん、日本の神様もいない。誰もいない。一人でぽつんと中央に立っている。)
「皆さん。
私達の国は、平和憲法を重んじ、国際発展にも協力する、世界でも類をみない先進国です。日本は絶対に戦争をしません。世界唯一の被爆国として、核の断絶にも力を尽くしてきました。実に平和で良い国です。
でも、武器は買います。めっちゃ買います。六・八兆円買います。いや、なんなら、これから五年間で、四十三兆円。――実質的には、六十兆円のお金を使って、皆さんも大好きなアメリカを中心に、武器をバンバン買いたいと思っております。
しかし、我が国には、お金がありません。老人に払う年金も、貧困家庭や一人親世帯を支援するお金もありません。
だから、私は米軍の基地負担率を、ほぼ「ゼロ」にし、支払う義務のない「思いやり予算」を増額しようと決めました。さらに皆さんも大好きなアメリカが作りたがっている新型兵器の開発費用も、全て日本で支払うことに決めました。
しかし、我が国には、お金がありません。今、様々なセコイ手を使って、国民の給料から最大五十五%もの税金をかすめ取っておりますが、それでもお金が足りません。
だから、私はアメリカとFTA協定を結び、今後段階を踏んで、さらに日本の富がアメリカに流出していくような仕組みを作りました。
しかし、我が国にはお金がありません。円安が深刻化し、一ドル一五〇円となって、ほとんどの日本人は、海外旅行にも行けず、安い衣服を着たり、質素な食事をしたりする事しか出来なくなりました。
だから、私は我が国が保有している大量の米国債などには、殆ど手をつけないとアメリカ大統領に確約しました。かつて「米国債を売る」と発言した橋本元総理の娘が、米兵から謎の集団暴行を受けたという話を聞いて、ビビったからです。
しかし、皆さん。安心して下さい。私達はアメリカのATMなのですから。アメリカが私達を見捨てる筈がないのです。
もちろん、恥じることなど何もありません。
そう――。だって、我々は、『日、出づる国』の国民なのですからぁ~~~!」
(総理。演説の最後で、感極まったように、渾身のガッツポーズを決めながら、空を仰ぐ。拍手も何もなし。ただ、無人の静けさだけが広がる。)
幕――
※執筆にあたって、インターネットの「大国の犬」という動画のセリフを参考にした部分があります。また、本文に差別的ととられかねない表現もありますが、文学的な表現を重視した結果とみて頂けましたら幸いです。