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49歳の兄がある朝突然統合失調症になりました
私が夜勤明けに自宅に帰ったその日は、外には蝉が鳴き出して既に気温も30度を超えてた夏の何でも無い、ただ夏の一日の朝でした。
携帯の着信の送信元は離れて暮らしている母親。
私はしばらく着信音を聞きながら、寝不足ですぐにでも休みたい自分の目をこすりながら、このままシカトして過ごそうかと思案している間も、その携帯音は鳴き止まず、
さて、どうしたものか。
どうせ一緒に暮らしている兄への愚痴だろうと、
それならば、一回寝てから折り返し電話すれば
いいかと思いつつ、
その間も鳴き止まない携帯を拾い上げ
耳に当てて
母親の声を聞き出したのです。
ある夏の日。
ここからはじまる
私と
母親と
兄の
統合失調症という長い旅。