第3話「天使の神罰」
天使レーダーで天使が集団で迫っている事に気がついた。
天使は砲台のような物を数人がかりで運んで来た。
天使達が砲台を山荘より高い位置に設置すると
砲台に向けて天使達は天力を送り始めた。
ダンジョンへの天使の転移は山荘の近くでないと装置の有効範囲でないので
使えない。
ギムレーが伸び縮みする見えざる手をゴム紐のように使って砲台に襲撃に行き、砲撃準備を止めさせようとした。
砲台に近づくと天使が光の矢を山程飛ばしてきた。
大剣でガードしながら見えざる手で自分の軌道を変えて避けるのが精一杯だった。護衛も十分に居るようだ。
「神罰!」
砲台から丸いエネルギー体が大砲のように放物線を描いて砲弾として投射された。
砲弾が当たると爆弾であったかのように
当たった箇所から影響範囲が広がりブロックの塊であったかのようになり
投射されるたびにブロック化したピースが無くなっていった。
基地を放棄して逃げる事にした。
幽閉していた天使は見つけられ合流するだろうが逃げる事にした。
第2基地を作る事にした。
基地で開発していたアリ型ロボットを使って
あちこちに人間サイズのアリの巣を作る事にした。
アリの巣が出来るまではダンジョンに逃げる事にした。
ある時、アリから地面を掘っていると変わったものが見つかったという連絡があった。
天力の結晶体だった。
過去に天使の戦いで放たれた兵器の残骸かもしれない。
軍勢に対抗するには人数が必要だ
この結晶を活用したロボットを量産することにした。
次にこれを使って
天空の城にラッシュをかける事にした。
散兵と弓兵と剣士を使って大群を組織した。
戦力の逐次投入は愚策だ。
戦力は並行世界の工場からも送らせる事で絶え間なく送れそうだ。
斥候ロボットを使って天使の本拠地の天空の城を探す事にした。
積乱雲の中に隠れていたようだ。
天空の城は球体だった。
ロボットの軍勢を戦わせている間にルクレツィアを救出する作戦にした。
襲撃の日が来た。
飛翔するロボットの軍勢を天空の城に襲撃させた。
ロボットは天力のビームシールドで天使の矢を防御しながら
天力のビームで応戦していた。
天使にやられたロボットは爆散時に
天力の煙幕とチャフをばら撒いて天使の攻撃が当たり難いようにした。
破壊した外壁から中に侵入する事にした。
内部では次々とやってくる天使をギムレーが大剣でなぎ倒していった。
通路を進むと途中に部屋があり
通常の天使よりも強そうなライオンの顔の天使が大剣を持って待ち構えていた。
天使は名乗った「我は72柱が一人天使サブナック 此処から先へは行かせん」
ギムレーは天使武器で戦っていた。ギムレーと天使は互角らしく
ギムレーは「父上、ここは任せて先に行ってください。」といった。
暫く進むと獅子の咆哮が聞こえた。
さらに進むと大階段があり大階段の脇にいた天使達が階段内に矢を放ってきた。
ビームシールドを雨傘のように構えて進んだ。
大階段の向こうに扉があり開けるとドーム状の広間に魔人がいた。
後方から天使の群れが迫っていた。
後ろに付いているロボットの軍勢は大階段の横の天使達と矢の打ち合いになっていて
動けずにいた。
魔人は「来たか罪人よ」といった。
魔人が空間に回転する光の歯車を放つと当たったロボット達は破壊された。
ロボットが地面をタイヤで高速で進んで数体がかりでビームの剣で戦いを挑んでも
剣を持った魔人とすれ違うとロボット達は爆発した。
多少鍛えた程度の天力では太刀打ちできないだろう。
魔人の注意はこちらに引きつける事にした。
外壁のロボットに指示を出して脱出ルートの確保をさせていた。
ロボットが爆発時に撒いた天力の煙幕と閃光に紛れて逃げた。
ルクレツィアを発見したとの連絡がインカムで入ったのでそちらを救出するように
指示した。
脱出しようとすると途中にルクレツィアが立っていた
天力でエネルギーフィールドを張っていた。
「一緒には行きません。私は天界の一員です。」との答えが返ってきた。
別居的な?
意思を尊重してそのままにすることにした。
ルクレツィアは色違いのエネルギーの矢を構え、ロボットが破壊した穴から脱出しようとしていたギムレーに向けて発射した。
ギムレーの腕にエネルギーの矢が刺さった。その矢は光の粒子を放っていたが、矢はすぐに消えてしまった。
ギムレーは流血する腕を抑えて言った。「母上…何を」
そのまま俺たちは脱出口からロボットの背中に乗って脱出した。
脱出後
夜間ギムレーは目や口から七色の粒子をビームのようにしばらく放つとベッドで39.5℃の高熱を出して寝込んでいた。
天使は襲撃を受けて暫くこちらに対して関わらない方針にしたようだった。
脱出の途中でロボットが天空の城に記録されていたデータを一部コピーしていた。
コピーしたデータには天界の数学や物理学等の情報が記録されていた。
天使達は元天使達とも戦っていたらしかった。
今元天使達がどこに居るかはわからないらしい。
「あれ?」
熱が下がるとギムレーは能力が使えない普通の人間になっていた。
更に以前ギムレーが征服した並行世界は征服の無かった世界になっていた。