第2話「天使の顕現」
魔人が指を鳴らすとルクレツィアの胸のロザリオが光って
ルクレツィアは中に浮き上がり魔人の横に並んだ。
魔人はこちらを向くとこう言った。
「貴様の悪行見過ごせぬ。転生せぬよう封印する」
「ブラックホール!」
数フェムト秒だけマイクロブラックホールが現れて
アダルフがいた場所には10m位のクレーターだけが残った。
「アダルフ…うっうっ」ルクレツィアは目を両手で抑え涙を流した。
魔人はルクレツィアをマントで包むと一緒に消えた。
…
その場所に風が吹くと川に流れていった。
川岸には葦が群生していた。
その中で一本だけ透け気味の葦があった。
ブラックホールが現れる前に名言を心のなかで唱えた。
「時間よ止まれ!」
「人は考える葦である」
すると俺は近くの川の葦になっていた。
俺が人間の姿に戻ると
上空を巡回していた魔人の部下の天使達が集まってきた。
「やばい。このままではまたやられる」
「シュレディンガーの猫」
俺は並行世界に逃げることにした。
並行世界を移動しても天使達は追跡してきたが
何度も並行世界を移動することで何とか追跡を振り切った。
その後息子のギムレーと合流した。
「ルクレツィアを頼む」
「わかりました父上。母上は必ず救出して見せます」
ギムレーは並行世界に移動していった。
俺は「仲間を増やさねば。この世界に馴染むためにも現地妻を作ろう」
そして俺はアメリカに行き下着メーカー エリザベスシークレットの発表会の
会場に現れた。
関係者のふりをして舞台裏に潜入し参加しているモデルの中でも好きなミゼルプンチャンとサーリーグロスとセイラースィプドの3人をナンパして触ろうとすると蔑んだ表情をした三人にメチャメチャに踏まれたが俺は名言を唱えた
「嫌よ嫌よも好きのうち」
すると三人の表情がぱあっと明るくなり
「まあ!」
連絡先のSNSアカウント名を書いた紙を渡された。
そして俺は三人と密会を重ねて
ミゼルとの間には女の子チェルシーと男の子シャルルが
サーリーとの間には女の子エミリーが
セイラーとの間にも女の子アビゲイルがそれぞれ産まれた。
子供達は「光陰矢の如し」の名言であっという間にハイティーンに成長し
三人は出産後に名言により妊娠前の体に戻った。
俺は娘のベッドの匂いが好きだった。
リビングでは妻と娘達に上から見下されていた。
俺は妻と娘達に抱きつかれるとデレデレだった。
「あなた~」「パパ~」
「最高!」
そして娘達はお嬢様学校に通っていたが、バケーションの時期になると仲良くなった友達が山にある俺の家に一緒に良くやって来た。そして娘の友達と俺は仲良くなり不定期の現地妻に加わっていった。娘が寝た後その時になると家から逃げ出して森へ入っていったりしたが追いついて和解するのが常だった。
仲良くなった子は捜索に協力してくれるようになった。
しばらくすると息子のギムレーが問題の世界で巡回している天使を一体捕縛して連れてきた。
天使は言った「グ…私の終わり」
天使は男でも女でも無い両性だった。
天使とギムレーは交流して子孫を作った。
娘のチェルシーの天使へのハニートラップによると天使達は普段天空城に居るとの事だった。
ルクレツィアを連れて行ったのはかなり上の位の天使で滅多に地上には現れないとの事だった。
天使は逃がすわけには行かなかったので地下基地に幽閉する事にした。
地下基地では
天使に有効な武器を作るために天使の羽根を使って
翼のような機関銃や翼のような大剣等を作っていった。
普段は羽根一枚になっていて必要に応じて武器の形になる物だった。
他に天使の攻撃に耐えるために天使の防具も作った。
天使の羽根を使った電子機器も作られていった。代表的な物に天使レーダーがあった。
天使が近づいてくると別世界に隠れるようにした。
ただ寝ている間にも天使レーダーが警告音を出す事があってゆっくり寝ている暇もなかった。
天使はどの世界にも現れた。同胞の天使が捕らえられた事が余計にそうさせているのかもしれなかった。
地下基地は捕らえた天使から吸い出している天力によって天使の目から隠蔽されていた。
天使の現地人からの情報捜査によって怪しい山荘がある事が突き止められた。
ある時、白いスーツを着た男達が山荘にやって来た。
ここに来たということはほぼ突き止められたという事であろう。
俺がギムレーに指示を出すと白スーツ達と一緒に異空間のダンジョンに転移した。
白スーツ達は天使の姿に変わった。
天使達はダンジョンの迷路で別れたので一人になった所をギムレーが戦いを挑んでいった。
「てりゃー!」ギムレーは天使武器ツヴァイハンダーを天使に向かって振り下ろしていった。
天使は持っている槍を使って受け止め応戦していったが槍はツヴァイハンダーに相性が悪く
数回打ち合ったところで天使はやられていった。
すべての天使を倒すと俺たちは元の山荘のある世界に戻っていった。
そんな事を繰り返していくうちに天使の遺体から流れた血に植物が生えて花を咲かせた。
花から得られた実は実験の結果天使の力、天力を少し上げる効果のあるものだった。
俺アダルフとギムレーは実を食べて天力を上げていった。天使の遺体に生えるキノコは食べると
天力に対する防御力を上げる効果があった。