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さよなら平和な世界

HOTDの続刊待ってます。

 20xx年の冬。今日は待ちに待ったゲームの発売日だ。大人気シリーズの続編という事で、売り切れる前に予約しておいた。冬休みに入ったばかりなので、ぶっ続けてプレイしまくろうと期待に胸を膨らませて、電車を乗り継ぎ都会へとやって来た。





 その時はまだ、あれほど待ち焦がれていたゲームが出来なくなるなんて考えもしなかった。

 





 ゲーム自体は買うことが出来た。本体もコントローラーも買うことが出来た。後は帰って、家に引きこもるだけであった。地元の駅に着いて、歩いてちょっとした事だった。




「....?何でそんなに電話がかかってきてるんだ」



 電源を切っていた携帯の電源を入れてみると、何十件もの電話が来ていた。遠くに住んでいる両親や親戚から電話がかかって来ていた。何事だと思い、電話をかけ直してて繋がらない。この辺は田舎なので、電波の調子が悪かったり電話が繋がりにくいことがよく起きる。後でかけなおそうと思っても、何十件も電話をかけてくるほどの用事とは何なのか気になる。



 もしや身内に不幸でも合ったのかと考えを膨らませていると、遠くの街の方角から煙が上がっているのが見えた。それも工場の煙かと思うほどドス黒い煙が大量に上がっていた。あの辺りには工場なんて無かったはずだ。不審に思っていたが、直後煙が上がっている理由が分かった。




 街が燃えている。住宅も握り拳ほどの大きさの車も人も、あらゆるものが燃えていた。だがそれだけではない、街をめちゃくちゃにした原因がいた。


 遠くから見ている自分から見ても、その巨体がこの地球上の生物とかけ離れているのが分かる。遠くから見ている為、車や家も小さく見える。しかし、住宅一棟を踏み潰しながら歩いているアレは何だ?二足歩行で歩いているが、体全体が真っ白で頭部の上には天使の輪っかの様なモノが浮かんでいる。頭部の両側面からは絶えず黒い液体が滲み出ている。ここからでもはっきりと分かるほどの巨体。ピカッと天使の輪っかの様なモノが光ったかと思うと、まだ燃えていなかった所が火の渦に呑み込まれていった。





 見ているだけで悍ましい。体中の力が抜けていき、過呼吸になっていく。怖くてたまらないはずなのに、瞼が落ちる事なく惨状と化け物を見続けてしまう。早く家に帰らなければと理性は叫び続けているが、体は言うことを聞かない。ふにゃふにゃの足で歩くことが出来ず、蛆虫の様に蠢いてでしか動けない。此方に風向きが変わったのか、あらゆるモノが焼ける匂いや微かに人の絶叫が聞こえて来る。鼻水を啜る余裕すらない。誰か助けてと思っても助けなど来るはずがない。

  



 結局暫くの合間、自分は正しい蠢いているしかなかった。









 この日をもって、世界は地獄へと変貌した。

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