31話 指名手配
かなり間が空いてしまい大変申し訳ありませんでした。
少し忙しかったのと、執筆のモチベーションが保てなかったです。
人気ないなら自分の中だけの物語でもいいじゃないかと自問自答しておりました。
要はふてくされてたんですねw
そんな中でも閲覧していただける方々がいらっしゃったので、嬉しく感じ再開しました。
不定期になりますが、週に2~3話更新していきます。
時間は24時以降が多いと思います。
どれだけ歩いただろう……
道中幾度となく危険な魔物に襲われては、エレンの忠実な魔物5体が獅子奮迅の如く撃破し、その歩みを進める。
エルクとペルセフォネはというと、頑張って応援の一択!それが一番の正解だからだろう。
エルクの魂を喰らうものはかなり特殊な能力で、スタイルを宿していない時でも、自分の近くで生命が生き絶えると勝手に魂を吸収してしまう……
それは魂を喰らうもの特有の自動発動型能力“死神からの加護”によるものである。
その有効範囲はおよそ半径1キロ……暴走した際に100キロ圏内の魂を狩り取ったのは、おそらく技によるもので別物になる……
それは草木に宿っている小さな生命も対象となる為、出来れば自分の周りで生命が絶えるのは臨んでいない……
当然、魂を狩り取る以外にも技はいくつも有している。が、手加減してもただの魔物程度なら即死レベルの威力……
だからこそ、エレンには自分は非常時以外は戦闘に加わる事はしないと伝えていた。
ペルセフォネのスタイル……【冥界の女王】
魔人の特徴の1つとして……産み出されてから死ぬまで、つまり生涯スタイルの選択欄には1つのスタイルしか表示されない。
スタイル名は必ずその魔人の名が刻まれており、自身しか会得する事のできない唯一無二の固有スタイルとなっている。
その能力は主に、死の世界の植物を自在に産み出し操る能力。
当然!どの技も威力や効果は余程の実力者でなければ死に繋がるものばかり……
エレン達がペルセフォネと出会った時に踏み入れた『死の花畑』でエルク以外のメンバーが死に至らなかったのは、エルクが『魂の守護』で守っていた為であろう。
レッドゴブリンの集落を隠すのに一役買った時に言っていた通り、魔力コントロールを出来るので無差別死の心配はないが……
エルクが問題としてるのはペルセフォネの攻撃は広範囲技が多すぎる事。
なるべく魂を吸収したくないエルクが、自身同様にペルセフォネも非常時以外は戦闘に参加しないでほしいと伝えていた。
結果的にスタイルを習得していない魔物5体が前線で戦う事になる。
今後の為に一番経験値を得なければいけない当のエレンは、前線に混ざりながら何故か戦うことはせず、仲間へと熱い声援をぶつけているだけであった……
【現在のエレンのパーティー】
エレン(終わりの9人)
属性…不明
スタイル…未習得
コウモリ男爵 (ブラッドバッド)
属性…闇
スタイル…未習得
ランク…A
鉱石丸 (オールウルフ)
属性…光
スタイル…未習得
ランク…S
がいこつ伯爵 (ブリザードナイト)
属性…氷(派生属性)
スタイル…未取得
ランク…S
赤太郎 (レッドゴブリン)
属性…炎
スタイル…未習得
ランク…B
赤次郎 (レッドゴブリン)
属性…炎
スタイル…未習得
ランク…B
エルク(エルフ)
属性…冥(派生属性)
スタイル…【魂を喰らうもの】
ランク…???
冥界の女王ペルセフォネ(魔人No.5)
属性…冥(派生属性)
スタイル…【冥界の女王】
ランク…???
ふと、エレンが気になる……
「そう言えば、スタイルってなんですの?」
属性の事は昔からルーインとの勉強の時に何度も聞いていた事なので、細かなところまで理解はしていなくとも、その存在の事は知っている。
しかし、スタイルというのは習っていない……
正確に言えば習う前にこちらの世界に来てしまったので、当然何も知らない。
エルクは事細かに説明してくれた。
「つまり、いつか私にも新たなる能力が目覚める……そういう解釈で宜しいかしら?」
「そうだね!ちなみに魔物や聖獣もスタイルを得る事ができるけど、精霊だけはスタイルを持てないんだ!
あとこれは重要な事なんだけど、属性とスタイルには大きな関わりがあってね!
スタイルは自分自身の魂の様なもの、属性も産まれた時から魂に定着しているもの……
だからスタイルを扱っている時も、技や術は自分の持つ属性が反映されるんだよ。
例えば解り易い例だと、炎属性の人が攻撃特化の黒魔導士のスタイルだった場合は、扱える魔法は炎属性の魔法だけ!
それ以外の属性魔法は使えないんだよ!適正がないからね。
エレンの今後の事を考えると戦闘も視野に入れなきゃいけないと思うんだ……まず当面エレンの目標は、自分の属性を開花させる事だね。
加護を見るからに多分エレンの属性は毒だと思う!
エレンは毒属性の耐性がかなり高いし、毒龍の恩恵が与えられてるから……」
エレンは不敵な笑みを浮かべて話を聞いているが、理解できたのだろうか?とエルクは少々不安げになる。
「え?その顔は理解できたんだよ……ね?僕そんなに難しい事言ってないよね!」
「つまり………欲張ってはいけませんわ!と言う事ね!!」
口元に手の甲をあてがい高らかに笑う。
「………。」
「はぁ………私だけのスタイル………。
美しいですわ!一体どんな力が私に備わっているのかしら……
毒龍……なんて神秘的な響き……」
恍惚とした顔で遠くを見ているエレンに対し、エルクはちゃんと危険予測をしているようで……
「エレン……お願いだから先走って変なスタイルにしないでよ……」
「ふふ……エレンさんのスタイルどんなものか楽しみね。」
何日魔界の中を進んだだろうかという頃に、黒や紫の木々に覆われた暗い森の中で魔物の集落を見つける。
大きな大きな赤黒い木の至る所に穴が開いており、そこをフワフワしたものが沢山出入りをしている。
その木を中心にして、周りの木にも同じ様な穴が沢山開いており、木の穴から別の木の穴へと無数の梯子がかけられていて、多くのフワフワしたものがその上を移動している。
どうやらここは“パワーラビット”の集落みたいだ。
身長50センチ程で、体と同じくらいの大きくフワフワした尻尾をフワつかせ、紺色の毛並みをしたウサギの様な魔物が沢山いた……
言わずもがな……当然エレンの目は輝きに満ちている。
「んなッッ!ッなんですの??
フワフワしたウサギが沢山いますわ!!」
「あらあら!あれはパワーラビットですね。
ふふ……エレンさん。あの子達は見かけによらず力持ちなんですよ。」
エルクが2人を注意をしようとすると、中心の赤黒い木の高い所から一匹のパワーラビットがこちらに向かって飛び降りてくる。
モフン。と柔らかい音を立てて着地すると、クルンとした赤く丸い目でこちらを見て首をかしげている。
「おまえたち誰ですの?追っ手ですの?排除するです!」
そう言いながらパワーラビットが小さな右手を上に挙げると、空間の裂け目から体の3倍程の大きさの斧が出てくる。
「!!」
エレンの頭目掛けて間髪いれずに斧が振り下ろされる……
が、金属音と共に斧が止められる。
「な……強ッ……」
エレンを抱き寄せたエルクが大きな鎌で受け止める……予想以上のパワーで受け止めたエルクの足元がヒビ割れる……
「わぉ!あたちの斧受け止めたの凄いです!でも、もう一個あるですよ!」
左手側にも空間の裂け目ができ、同じ斧を取り出して振りかぶる!
「ああもうッ!!」
エルクがたまらず声を出すと、またしても大きな金属音と共に斧が止められた……
パワーラビットの後ろから死神が大きな鎌で掬う様に受け止める。
「キ、キモいですの!!」
パワーラビットは死神を見るや否や飛び跳ねながら俊敏に距離をあける。
「ちょ!ちょっと待って!僕達は別に君達に危害を加えるつもりはなくて……」
「ふふ……エルクさん。パワーラビットは単純で直情型が多いんですよ。」
誤解を解こうとするエルクに、後ろからにこやかな表情でパワーラビットの解説をするペルセフォネ。
「キモすぎてあんまり近寄りたくないですの!!
皆まとめて死ぬといいですの!!」
パワーラビットが頭の後ろに両斧を重ねる様に構えると、キーン!と耳をつんざくような音と共に斧が黄色い光を放つ……
「あらあらキレイ!」
「美しいですわね!」
エレンとペルセフォネは、まるで花火を見るかの様にうっとりとした表情で光と殺気を放つ斧を見ている。
「え!いやいや2人とも呑気な事言ってないで、もっと焦ってよ!!」
ブンッと空を切る音と共に、黄色い閃光を帯びた斧が高速で回転し、地面を抉りながら凄まじい速度でエルク達の方へと飛んでくる……
エルクが溜め息と共に諦めた表情をすると、右手を前に掲げる……
すると禍々しい魔力が一気に収束され右手に殺気が纏わりつく。
クラウンと対峙した時に経験した圧倒的な殺意を感じ、エレンの背筋が強ばり血の気が引く……
何かに気づいたペルセフォネがサッとエルクを止める様に手を差し出し、エルクの行動を止めた……
すると、殺気を帯びた斧が不自然に旋回し、パワーラビットの手元へと戻っていく。
2つの斧を両手で受け止めると、パワーラビットは訝しげな表情をして赤黒い木の上を見る。
「どうちて邪魔するですの?レウスたん!」
そう言うと先程パワーラビットが降ってきた場所から一人の青年が飛び降りてきた!
そのレウスと呼ばれた青年はキレイに着地すると、ムッとするパワーラビットの頭を優しく撫でながらペルセフォネの方をジッと見ている……
金と黒がキレイに混ざった髪色……漆黒の瞳……背は170センチ程で八重歯が鋭く尖っている。
身なりはとても綺麗とは言えず、一見貴族の様な服装をしているが、その見た目はどこか勇者を連想する様な格好をしていた……
「あらあら。懐かしいわ……元気にしていたかしら?」
ペルセフォネはレウスに話しかけるが、レウスはどこか困惑した表情をしている。
「あの……俺の事を知っているんですか?俺……記憶がなくて。」
「あら!それは大変ね……。私は貴方のお母さんよ。」
レウスを含め皆が驚きの声をあげている……
無理もないだろう、母と名乗るペルセフォネがあまりに普通の態度なのだから。
エルクは見た瞬間なんとなく感じていた。レウスの風貌があまりにハデスに似ていたから。
「素晴らしいですわ!まぁさに感動の再会ッ!!」
「レウスたん!お母様ですの??」
「え……?貴女が……俺の母親?えっと……ちょっと急すぎて……すみません。
理解が追い付かなくて……」
「あらあら……悲しいわ。昔はあんなにママ……ママって甘えてきたのに、忘れてしまったのね。」
「ペルセフォネさん……もしかして誰かに記憶を消されたのかも……」
エルクの中で対象者の記憶を奪う人物に心当たりがあるのか、エルクはペルセフォネの方を見ると、少し不安げな表情をした……
「ふふ……エルクさん、レウスがハデスの息子である以上、十中八九そうでしょうね。」
「あの……本当に俺の母親なんですか?」
「君はどうして今、僕達を助けてくれたの?分からなくても体が勝手に動いたんじゃないかな……。
例え記憶を忘れたとしても、魂に刻まれた愛は時に意思を凌駕する。
それに、僕は君の父親をよく知っているんだ。
すごく似てるよ……とても懐かしく思えるほどに……」
申し訳なさそうな顔をしてレウスを見るエルクを、エレンがジッと見ていると思ったら急にエルクの頭をいい子いい子し始めた。
エレンの急な行動に顔を真っ赤にしながら手で払うエルク達を見て、ペルセフォネは微笑ましい顔で見ながらレウスの方に顔を向ける。
「ふふ……レウス、貴方の解るところからでいいから聞かせてくれないかしら。
エレンさん。急ぐ旅の途中で申し訳ないのだけれど、少しお時間を頂いてもいいかしら?」
「なぁぁにを言っているのかしらリマは!当然宜しくってよ!!」
エレンはいつも通り、手の甲を口許にあてがい高笑いしている。
「そう言うことなら中で話した方がいいですの!」
パワーラビットが着ている服の懐からゴソゴソと1枚の紙を取り出すと、ペルセフォネ達に見せた。
「あらあら凄いわ。レウス……貴方とても価値があるのね。」
その紙にはレウスの写真と共にこう書かれていた……
< レウス・ジケルヘイム >
デッド・オア・アライブ
ランク SSSSS
報酬 魔人化or魔人のクラスアップ
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございます
新キャラが増えてきて覚えきれなかったらすみません。
読んでいただける方からご要望があったら、いつか全キャラの一覧表作ります。
完結まで、まだまだ気の遠くなる様な長さですが頑張ります!
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また、今後も読み続けたいなと思って頂けられたらブックマークに登録して欲しいです。
パーマが頑張れます。
これからも読者の方々が楽しんで頂ける様、精進します!!
宜しくお願いします。




