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白黒物語~2人と7人の主人公~  作者: 天然パ~マ
~中立都市編~
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11話 シエンの物語

『汝、何を求める?』


(おぉ!これがうちなる自分の声ってやつか。ん?いや……俺の声ってこんな渋味がある声なの?)


『汝、何を求める?』


(うーん。まぁいいか!俺か?……俺が求めるのは力だ!!)


『何故力を求める?』


(そんなの決まってる!護りたい奴等がいるからだ!!)


『それは己が為か?』


(……まぁ、自分の為と言えば自分の為だよな!皆を護りたいって言っても、結局は自分が大切な家族を失いたくないからって意味のが大きいからな。)


『汝、己が犠牲となる覚悟はあるか?』


(……ん?犠牲ってのは、自分の命と引き換えにって事か?)


『そうだ。』


(だとしたら、それはごめんだな!!なるべく自分が死ぬつもりはない!死ななければ助けられる命があるかもしれないからな。)


『では、死なねば助けられぬ命があるとしたらどうする?』


(………なぁ?この問答は無意味じゃねーか?とりあえず死ぬつもりはないよ!!

 生きて、その上で片っ端から護ってみせるんだよ!!それが俺の覚悟だ!)


『その為の力を望むか?』


(あぁ。)


『そうか。嫌いではない回答だ……』


(で?選択できるんじゃないのか?内側にいる俺ってのは、こんなメンドクセーやり取りする様な奴なのか?俺って実はかなりお堅い系なのか?)


『我は汝に加護を与えた者……』


(………ん?加護を与えた者??つまり、クロノスのジーさんが言ってた神龍ってやつか?なんで俺の中にいる?)


『我は炎龍フレイムラッド。

 我は汝の中には在らず……揮昌石を通して汝と繋がっているにすぎぬ。

 揮昌石とは母なる大地の結晶、汝が今、大地と繋がっているにすぎぬ。

 我の加護を受けている故に、揮昌石を通じ話す事ができている。』


(神龍ってのは13体いるんだろ?折角だからあんた以外の龍とも話させてくれよ!)


『それは不可能だ。汝に加護を与えし神龍は我のみ……炎の適正者である汝しか、我の加護は受けられぬ。』


(あーー。そうゆーもんなのね。

 わざわざ俺の中に入って強引に繋がるとか………神龍さんも大胆なことな!んで?急に俺の中に来た目的はなんなんだ?俺と話したいのか?それとも試したいのか?)


『どちらでもない。

 我は汝を見定め、伝えるべき事を伝えるだけだ。』


(加護を与えたに相応しいかどうかを見定めたいのか?それとも、正義か悪かを見定めたいのか?

 まぁ、なんでもいいけど………伝えたい事ってのはなんだ?)


『……我ら神龍を殺す方法は一つしかない。』


(は??………おいおい!行きなり物騒な話だな!お前は俺に殺されたいのかよ?)


『そうではない、最後まで聞け。我ら神龍を殺す方法は一つしかない。【龍神石】と言うものが13存在する……我ら神龍を封印する為のものだ。


 炎龍には【炎龍石】、水龍には【水龍石】と、我ら一体に一つずつ龍神石は存在する。


 だか、龍神石を扱える者は【滅龍士(ドラゴンスレイヤー)】というスタイルを宿している者と限られている………それは極々稀少なスタイル。


 滅龍士(ドラゴンスレイヤー)が封じたい神龍の血をその身に取り込み、滅龍士(ドラゴンスレイヤー)が龍神石で神龍を封じ、滅龍の力で龍神石を破壊する。


 それが我らの殺し方だ。

 滅龍士(ドラゴンスレイヤー)は殺した龍の力を、限度はあるが扱う事ができる。』


(おぅおぅ………物騒な話だな。で??

 炎龍フレイムラッド様は結局何が言いたいんだ?)


『先程、雷龍ライゼノスが滅龍された。』


(……は!?おいおい!!お堅いと思ったら、ここに来て中々な冗談かましてくるじゃないの……。

 神龍ってのは世界の秩序を保たせる程に最強なんじゃないのかよ?)


『どれだけ強大な力を持っている存在にも、殺し方はある。

 ただ我らを殺す方法が難しく、幾多の条件が揃っていなければ困難……ただそれだけの話だ。


 先ずもって滅龍士(ドラゴンスレイヤー)という存在自体が滅多に現れる事のない、極めて稀少な存在なのだ……。事実、数世紀の間その力を得た者はいなかった。』


(それで?つまり怖いから俺に助けに来て下さ~いって話か?)


『違う。我らに死の恐怖はない。

 しかし、我らが滅んだ時、世界の秩序はなくなるだろう……我らが危惧しているのはそこだ。』


(はは………まぁまぁ。強がんなよ!

 って事はあんたらを護って秩序が乱れない様にしてくれって事か?)


『汝に“七人の大罪者”を殺してほしい。』


(ん?なんでこのタイミングで大罪の話が出てくるんだ??)


『奴等は我らの力でも殺す事は出来ぬからだ。』


(つまり、滅龍士(ドラゴンスレイヤー)って奴に大罪が関わってるって事か?)


『そうだ。いかに滅龍士(ドラゴンスレイヤー)といえども、相当の手練れでなければ我らを封印する前に簡単に殺せる。


 しかし、唯一我らが殺す事のできぬ存在………七人の大罪者が力を貸した場合、我らも太刀打ちできぬ状況が起こり得る……。ライゼノスが滅龍された事実がその証となろう。


 七人の大罪者は(いにしえ)より存在し、多くの命を犠牲に封印されたが、15年程前ケイオスの手により封印が解かれ、再度この世に姿を現した。


 過去存在した滅龍士(ドラゴンスレイヤー)達は我らに刃を向けるような者ではなかった故、我らの驚異とはなり得なかった。』


(でも今回は違う……か。教えてくれ!なんであんたらは大罪者を殺せない?んで、俺なら殺せるって事なのか?)


『七人の大罪者とは、この世界を生きる生命の業を源にしている。故に、この世界に数多の命有る限り、封じる事は出来ても殺す事はできない。しかし、汝には大罪者の業を絶ち切る力が宿っている。』


(なるほどね、ざっくりだけど理解したぜ。

 俺の潜在能力の中にその大罪を殺す稀少なスタイルをが存在してるって事か……。)


『そうだ。』


(ちなみに最初の問答は関係するのか?犠牲がどうこうっていう………。流石に世界規模の敵を殺す力だ………命を引き換えにって言うんだろ??)


『見かけによらず察しの良い男だ。

 そうだ。大罪者を全て殺した時、殺した者も死ぬ……はずだ。』


(あ………そこざっくりしてんのな!まぁいいよ……じゃそれで。)


『よいのか?』


(は?なに今さら!?だって殺す事ができなかったから、今まで封印する事しか出来なくて現状メンドくせー事になってんだろ?

 じゃあそれでいいよ!どのみち倒すつもりだったんだからさ!!)



(で?……どのスタイルを選べば良いわけ?

 まぁ……そもそもまだ一個も見てないんだけどなぁ!)


『【断罪者(コンビクター)】だ。』


(はいはい。ってかさ、封印しか出来てないって事は、過去にそのスタイルを習得した奴はいないのか?)


『過去に何人かいたが、どの断罪者(コンビクター)も属性の相性が悪く、力及ばず大罪者を殺す事は叶わなかった。

 しかし数世紀前………1人の断罪者(コンビクター)が自らの命を代償に封印する為の神器を創造した。』


(属性?)


『断罪者の力が最大限引き出されるのは……炎の属性の適合者、その次に聖の属性の適合者だ。

 大罪者を封印した断罪者(コンビクター)は氣の属性の適合者だった……

 スタイルと属性を駆使し、自らの生命エネルギーで神器を創造した。死力を振り絞り、仲間と共に封印まで至った……』


(なるほどね……。スタイルと属性にも組み合わせみたいのがあんのな!んで、氣よりも炎の断罪者(コンビクター)ってスタイルのが奴らに有効だと。なるほど、勉強になった!

 んじゃ!なんてーかまぁ………あとは俺に任せとけよ!困った時はまた揮昌石使って話せばいいのか?)


『それは無理だ。

 スタイルを習得した時、汝に対しての揮昌石の役目は果たされた事になり、只の石と成り果てる。』


(あぁそう……。じゃあ、これでさよならか?)


『そうだ。』


(なんかあんた、サッパリしてて寂しい奴だな……。なぁ、ご褒美とかないの?

 引き受けたものの、やっぱモチベーションは大事だぜ?

 なんせ俺は命燃やそうってんだから!!)


『褒美ではないが、我の守護獣である炎の神獣を一体使役させてやろう………この先、汝の助けになるはずだ。』



 そこまで言うと、先程まで話していたフレイムラッドとは違う、とても聞きなれている様で少し違和感のある声が聞こえる。


『さあ、選択しな。』


(ぉう!ビックリしたな!!今度こそ内なる俺って訳ね……)


 突如、白い空間に20以上のスタイルが浮かび上がる。


(なんだよ!結構あんのな!才能に満ち溢れてんじゃん!!)


 決めてはいるものの、やはり気になってしまうのがお年頃である。シエンは一通り目を通していく……


(結構、格好よさそうなのあんじゃん!

 断罪者……かー。強そうってか物騒な名前だよなぁ…………)


 先程まで話し相手がいたからか、急に寂しくなる。


『選んだか?』


(なぁなぁ、断罪者の詳細とかみれねーの?)


『触れてみろ!』


(お!こうか?おーー!見れた見れた!ありがとな俺!!)


『なんでも良いからさっさと読め。』


 どいつもこいつも、愛想がなくて珍しく寂しい気持ちになっていた。


(………戻ったらユウマをおもいっっきりからかってやるか!)


 そう思いながら詳細を読んでいく。



【断罪者】


 ・処刑

 ・裁く

 ・禁忌を扱う

 ・破邪

 ・封印

 ・神器創造

 ・業堕ち



(………あ!こんな感じなのね!?また、ざっくりしてんなーおい!!)


『習うより慣れろ。そー言う事だろ?』


(はいはい!んじゃこれで……)


『本当に良いか?』


(お前が俺だったら分かるだろ?覚悟を決めた俺は曲がらねーよ!)


『健闘を祈る……』



 心の深くで火が灯った様に熱くなる……



 白い空間が眩く光り、体が包まれていく……



 何故だろう………なんだか泣きそうになった。

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