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つみかんっ!ー罪と感情の十一円卓ー  作者: 水木田ショウ
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第1章 3話

はえ~長いことサボったんすねぇ…

もうしわけなっ!!ちゃんとかく…ちゃんとな

ファミレスに入ると忙しい時間は過ぎていたのか、余り待たずに席に案内された。席は壁際のテーブル席だった。壁側の椅子に紅葉が座り、通路側に僕が座った。


席に座り、メニュー眺めていると店員さんが水とおしぼりを置いていった。「ありがとうございます」と紅葉は言い僕は会釈した。

僕はどんなものを食べるかは大まかには決めていたが、一応どんな料理があるかメニューを眺めることにした。


和食から洋食、中華まで色々な料理があった。ご飯ものパンもの麺類なんかよくわからないもの。料理ごとに写真が添付しておりどれも美味しそうだった。


「紅葉は何にするか決めた?」


「湊は決まったの?私は…もうちょっと待って!」


「僕は一応決まったよ」


僕はメニューを机に置き、コップの水を1口飲んだ。


「決まったの!?はやいねー!」


と、紅葉はコップの水を一気に飲み、机にそっと置いた。そして、再びメニューをかじりつくように見始めた。そんなに悩むものだろうか?別に何駅も離れていてそう頻繁に来れないお店ではない。お互いの家から歩いてこられる距離だ。今日食べなくても次来た時に食べればいい。近いのだから。


「まだ迷ってるの?」


水の入ったコップを片手に尋ねてみる。


「あと少し待って、ハンバーグも捨てがたいんだけど…コロッケも…いいよね」


どうやら、ハンバーグにするかコロッケにするかで悩んでいるらしい。ここにしかないメニューで悩むならともかく、どこのファミレスにもあるごくごく平凡なメニューで悩むなんて。


「湊は一応決まったって言ってたけど、何にするの?」


「僕はハンバーグかな。このチーズインハンバーグ。」


と、ハンバーグの中のチーズインハンバーグを指さす。

ハンバーグと答えた際、紅葉の顔が明るくなったと思ったら、またすぐに眉間にシワを寄せた悩む表情になった。恐らく「私はコロッケにすらから、湊のハンバーグ一口ちょうだい!私のコロッケ一口上げるから」とでも言おうとしたが、恥ずかしくなったか理由は分からないが、また何かで悩んでいるのだろう。それとも、僕が「一口交換しないか?」と提案するのを待っているのだろうか。紅葉の顔色を伺ってみる。


こちらをジーっと見てくる。おそらく僕が言うのを待っているのだろう。このまま見合いを続けても良いが、それだと僕のお腹の虫がなってしまう。早々に蹴りを付けよう。


「僕のハンバーグと紅葉のコロッケ一口交換しない?僕もコロッケ食べたいと思ってたし」


「いいよ!」


即答だった。そういうなり、店員さんを呼ぶボタンを押し注文をした。

食事が来るまでの間他愛もない話をしていた。


「そういえばさ、湊って最近は怖い夢見るの?」


「最近なら今朝見たね。これまでよりもより鮮明だったよ」


「なんかごめんね。んで、今回は殺すがわ?殺される側?」


「今朝のは殺される側だったね。地に伏して血がとめどなく流れるのを眺めていたよ」


「そんなの見たあとでよくハンバーグなんか食えるね」


「慣れだよ」


紅葉には夢の事を昔から話してはいた。

紅葉とは家が近く親同士が仲良かったため、お互いの家にお泊まり会をすることも少なくはなかった。

紅葉の家に泊まっている際悪夢をみ。横で寝ていた紅葉を起こして朝まで寝れない僕に付き合わせてしまうこともあった。次第に夢を見ても、起きたすぐは恐怖で震えるが、直ぐに夢だからと割り切り寝れるようになった。


「慣れねー私なら無理だなー。ハンバーグ全部食べてあげよっか?」


「太るよ」


ニコニコと笑顔で冗談を言ってきたのに対し、一言返すと、ムスーっとした顔で紅葉は2杯目の水を1口飲んだ。


「そんなこと言う湊にはコロッケあげません」


「コロッケくれないなら、ハンバーグもあげません」


紅葉と同じ口調で返し、しばらく無言の後殆ど同じタイミングで吹き出した。お互いに「子供の喧嘩みたい」と口に出していた。それから料理が届くまでの間口調がツボにハマったのか、お互いクスクスと笑い続けていた。


「ハンバーグ定食とコロッケ定食です」


の声と共に、お皿が机に置かれた。

メニューに添付されていた写真よりも、大きいコロッケに目を輝かせながら、紅葉は「いただきます!」といいかぶりついた。

僕も「いただきます」と言い。食べ始めた。

食べ始めて直ぐに紅葉は箸を置き水を勢いよく飲み。間髪入れずにコップに水を注いだ。そしてそれをまた飲み干した。


「熱い!」


「熱いのは見たらわかるでしょ、出来たてなんだし」


「想像の3倍熱かったの!みて!舌やけどしたよ!」


と、舌を出して「赤い?」と確認してきた。

彼女は一日の内に何度舌を火傷すれば済むのだろう。


「気分転換にハンバーグ一口ちょーだい」


彼女はそう言うと顔を少し前に出し口を開けた。


「熱いよ?」


「だいじょーぶだいじょーぶ」


「ほんと?」


「ほんとほんと」


「ほんとにほんと?」


「ほんとにほんと」


「そ、ならいいけど」


「分かればよろしい」


ハンバーグを一口サイズに切り紅葉に食べさせる。

紅葉は口に含む前に少しフーフーしてから食べた。今回は冷ましてから食べたからなのか、「あつい!」とは言わなかった。


「ハンバーグも美味しいね。でも、コロッケの方が美味しい」


「そうなの?コロッケ一口ちょうだい」


「いーよー」


と、コロッケを一口サイズに切り差し出してきた。


「いいよさらに置いて」


「だめだめ、アーンしてくれたんだから。私もアーンしたい」


「恥ずかしいんだけど」


「私はもうされた」


「やって欲しそうにしたのは紅葉じゃん」


「いーからいーから」


渋々紅葉の言うことをきき。差し出されたコロッケをアーンされる。「美味しい」一言そう漏れると


「でしょ!」


「うん」


その後、なんの意味もない会話をしながら食事をした。



「また来たいね」


「何時でも来れるよ近いんだし」


「そうだね」


そんな会話をしながらお店を後にした。

お疲れさまでした!

読んだあとお疲れさまでしたってやばない?疲れさす文描くなよって話ですよね。知ったこっちゃないですが

次回もよろしくお願いします!

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