新雪に鼻血
きみが普通になれ、なんて言うから、私の感性、不感症になってしまった。
きみがかけがえのない関係、を求めるから、私、なんも言えなくなった。
きみが今までのいざこざ、なかったことにするのなら、私はなんだったのかな。
きみの前で吹っ切れたみたいにしていても、心の中はゴミより腐って不潔になっている。
前にも後ろにも行けない。
右も左も行きたくない。
願いは叶わない。
それなのにきみは心から笑って、私を楽しんでいる。
子供みたいな刺激で満足して、裏が泥だらけの微笑みに撃ち抜かれてる。
私はいつか来る別れに怯えて、少しでも良く思われようと心を殺して、一文字も綴れない者になっていく。
きみにそれほどの価値は無いと思うのだけれど、そうしたい価値はある。
きみに恋してる、分かってる、だから、私の好奇心、全てそっちに使ってる。
きみは唯一無二の存在、になっちゃってる、だから、余計なことは言わない。
きみは私を傷つけながら癒す、ややこしいやり方、私にだけの対処法だよね、きっと。
私の悪魔にドン引きされないように、やっぱりきみの前では笑顔になってしまう。
ずっとそばに居たいよ。
きっと叶うよね。
我慢しながらでもきみを楽しめる、くらいはまだ余裕あるから。
新雪に鼻血の道しるべ落としてく私は無邪気に笑う、まるで子供みたいに。
一文字も綴れなくても、きみの目の中、覗き込めば数えきれない煌めきに私は震えるよ。