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国王陛下、只今逃亡中につき、騎士は弱みに付け込んだ。  作者: 笹色 ゑ
       ~ジェゼロ国に戻りて~

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モンスターペアレント


 三国会談で歳を食った気がしてならない。

「三か月後に次はジェーム帝国にて宰相級会談を行い、条約を締結ということでよろしいですな」

「あの王が同盟に調印されたとはいえ、いつ飽きるかわかりませんので、ご理解を」

「そう案じずとも、帝王陛下はもとよりナサナ国に対して信頼はございませんよ。資源物資で資金を得るだけでなく、稀有な華のある文化の推進をされた方がよろしいでしょう。その手はフィカス殿がお好きでしょうから適当にそちらで気を紛らわせておくとよろしいかと」

 イエン宰相とリンドウ殿は自国の利益を最優先には考える物の、無理と無茶を理解されている。王どもを締め出したのは良作だった。そうでなければ話が進まなかった。

 疲れの原因はもっと身近が要因だ。

「じゃあ三か月後にお前が帰る時に仕事終わってれば一緒に帰るから」

「から~。それまでにシューセイ君も勉強しててよ」

 オオガミとロミア様が暢気に言う。二人とも約束を果たしにジェーム帝国まで帝王方と一緒に明日旅立たれる。

 三人ですらロミア様の仰られることを理解するのが難しい時があるが、オオガミだけが唯一理解が追いついている。神童と呼ぶに相応しかったが、成人してからはサウラ様の兄らしくただの変態だったと言うのに、少々癪ではある。頭の良すぎる男が今になってようやく自分の使い方を見つけたのは確かだ。

「シィヴィラ様は全快後に、早急にナサナ国へ行っていただきますが、フィカス殿との相性はあまりよくないのでは?」

「どの神が来られたところでフィカス様には同じ事。いえ、むしろロミア様に比べればましでしょう」

「えー、僕フィカス君案外好きだよ? はっきりしてて裏表がないからさ」

 ロミア様にはおおよそ皆が馬鹿にされている。全員が新しい技術に順応しようと努めている。それは古い書に魔法の道具の様に書かれていた物で、ありえないものだが親しみがあったからだろう。頭ごなしに拒否すれば損しかないことも分かっているからだ。

 その最たる魔法は、彼ら神とされていたものなのだろう。信仰心のないハザキにとって神が人類の創造主よりも前文明が残した遺産と考える方がまだ理解し易い。

「エラとベンジャミンの扱いはどうするの? 闇に葬る? 別に構わないけどちょっとつまらないね」

 ロミア様がそっとしていることを最後に掘り返す。各々の王の深慮の結果、ここに居る者は事実を知らされている。血統を重んじてきた三国にとって政治にも関わる話だ。もちろん、二人は情報が漏れることがどれだけの罪か理解している。

「我々としましては、ベンジャミン様の御意志を尊重し、内密にしたいと。ただし、ジェゼロに置いて不当な扱いがあった場合我が王は喜々として口も手も出しましょう」

「残念ですが、帝王はエラ様に害があればナサナ国へ粛清をされるでしょう。帝王が変わったとして、これまでの功績を考えればその子であるエラ様はとても大事な存在である事は変わりません。何よりも神官様が許さないでしょう」

 無条件に好意を与えられると言う意味ではありがたい事だ。だが、それだからこそ、ジェゼロとしては居た堪れない。

「エラ様とベンジャミンの関係に対して議会が口を出すことはないように計らいましょう。事実を隠した上で、できる譲歩はそこまでです。男女の機微で外交問題になる方が本人たちにも負担になり、関係が悪くなる可能性もありましょう。くれぐれも、両国が干渉されませんよう御配慮を」

 ベンジャミンに対して、エラ様が嫌気をさした場合、速やかにベンジャミンを病死させる必要がある。無論、内々にだ。

「ご安心ください。純粋にフラれただけならば他人の不幸として我が王は寛容に笑いのネタ程度に留めるでしょう」

「エラ殿の御心変わり程度でしたら問題はこちらにもありません。国の政策として好いていない者の子を産む事や、逆に引き離される事があった場合は溺愛する帝王がお心のままに行動される危険性が出ますので」

「あいつ本当に上手いことやったな」

 オオガミの一言がまさにそれだ。だから、得体の知れない捨て子をエラ様の付き人にするなどよろしくないと言っていたのだ。そもそもサウラ様はどこまで知っていたのか。

「女性継承を存続される場合、男児が産まれた場合ジェーム帝国は受け入れを快諾します。もちろん、本人の意思で決められる年齢までジェゼロで過ごして頂いても」

「それに関しては、我々にも権利が発生しましょう」

 ジェゼロ王の男子と産まれたオオガミを見る。

「ん、ああ、安心しろ。俺はサラが女で生まれた時から同情しかしてなかったからな。自由であること以上に恵まれたことなんてないだろう。まあ、エラの子が男でも女でも同情するしかないだろうけどな」

 もし万が一にもこの男が王になっていたら、ジェゼロはもっと前に変わり始めていただろう。人間性はともかく、頭の出来はこの中に居てもずば抜けていると証明されている。




本文には外来語を極力避けて書いてますが、サブタイ?はちょいちょい横文字がー。元々考えていないからその場で考えてます。

そしてもう少しで終わっちゃいます。

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