ゴブリン6話
そのとき、突如眩いばかりの閃光が瞬いた。
「隷属魔法!!「イウコト・キキナサーイ」!!」
言ったのは少女か。いや、ちがう。スライムスレイヤーだ。彼は剣を掲げ、洞窟の中でそう語らかに叫んだ。
次の瞬間だった。
「!?」
体が、動かない。ゴブリンは全身のすべての力が奪われ、釘で打たれたかのように、地面に手をついてしまった。
「これは、相手を完全に奴隷にする隷属魔法。わかったな、いやしき生き物よ」
だれが卑しい生き物だ。
「これから、おまえは俺の命令を完全に守らればならない。もし破った場合は、悪魔の腕によって心臓がつぶされる。わかったな」
「そ、そんな…」
絶望に打ちひしがれるゴブリン。
「やっりぃ! スラスレ、いつも最高ぅ♪」
対照的に喜ぶ神官の少女。
スレイヤーは剣を地に突き刺し、言った。
「動けば殺す。声を出しても殺す。超能力を使えば殺す。わかったら、ゆっくり目を閉じろ……」
その言葉の刹那後、ゴブリンに心臓をつかまれたような気持ちの悪い感触が走った。
これが命令か。これでもうゴブリンは動くことも、声を出すこともできない。
ゴブリンはゆっくり、目を閉じる。
「息をすれば殺す。俺の姿を見たら殺す。俺の姿を見なければ殺す。移動するとき、自分で動かなければ殺す。しかし、動けば殺す。笑えば殺す。泣けば殺す。でも平然としていたらなんかイラっとするからそれも殺す。存在すれば殺す。生を享受していたら殺す。以上だ」
「無茶言うなぁああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!」
あらんばかりの声で、ゴブリンは叫んだ。
いくらなんでも、それは無理だろ。ていうか、矛盾しすぎだろ。どうやって守ればいいんだよ。
そんなゴブリンの意見も無慈悲に聞かず、鋼鉄の甲冑は告げた。
「あ、6こ破ったな」
「へっ?」
次の瞬間、心臓を握りつぶされる処刑魔法を受けた後、神官の蘇生によって6度生き返り、6度死ぬという地獄をゴブリンは見たのだった……。
(続く)