《第3章》初?登校
お・ま・た・せ!(誰も読んでないけど♡)
「ねえねえ!どこから引っ越してきたの!?」
「急な転校だったけど何かあったの!?」
「今日の放課後って予定空いてる!?一緒にお茶でもどう?」
「どこかで見たことあるような…なんかのテレビや雑誌に出たことってある?」
「あの…えっと…」
(どうしてこうなった。俺の演技は完璧だったはず!たぶん…)
二人と再会した後、美月の家に呼ばれて女の子の演技を仕込まれた。感想としては世の中の女の子の恐ろしさが身に染みた…。化粧なんて本当に意味不明だった。
美月に『毎日顔にこんな塗り絵みたいなことをしてたのか…』と言ったら殴られた。触れてはいけない部分だったらしい。
そんな現実逃避はさておき、この状況はどうしたらいいんだ。朝予定どおり保健室に向かい優先生に連れられ職員室で先生方に挨拶をした。優先生と一緒に来たことを疑問がられたがそこは適当にごまかした。そのあとは優先生と別れ、担任の先生から学園の説明を聞く。だが、ほとんど知っていることばかりで退屈で仕方なかった。HRの予冷が鳴り、教室の前まで案内され担任の先生に呼ばれ壇上に立ち自己紹介をした。昨日美月が考えてくれた台本どおり挨拶した後、先生が指定した一番後ろの美月の隣の席に着席し連絡事項を聞いてHRが終了した。HRが終わってすぐクラスのみんなに囲まれ今の状況にある。人垣の後ろで男子たちが『美少女キター』などと叫んでいる。そりゃ俺が作ったアバターだから美少女に決まっている。このアバターは丸二日不眠不休で作った俺の傑作だから。
そんなことを考えながらオドオドしている俺を見て美月が助け舟を出してくれる。
「ほらみんな!転入したばかりで緊張してるのにそんなに押しかけないの!鈴原さんが困ってるでしょ!とりあえず今は解散!しばらくは私が鈴原さんの面倒見るから。」
「相沢だけずるいぞ!美少女はみんなの共有財産だ!」
(美少女は共有財産って俺が眠っている間に日本はどうなってしまったんだ…)
「横暴だ!」「鬼だ!」「貧乳だ!」
「誰が貧乳よ!!!田中!後で覚えてなさい!とりあえず学級委員である私が先生からお世話を任せられてるから!」
「「「はーい」」」
そう言いながらしぶしぶクラスメイト達はそれぞれの席に戻って行く。
(本当に助かりました。相沢様!いや、貧乳の女神様!)
「鈴原さん!?何か失礼なことを考えてないかしら!?」
怖い笑みを浮かべながら美月は机の下ですねのあたりを蹴ってくる。
「っつァ…何でもないですよ。相沢さん…」
そんなこんなで俺の学園生活が幕を開けた。
昼休み。美月・優先生と一緒に保健室で昼食を食べている。まあ、4限目終了後にまた俺の席に人垣ができ始めていたので二人で必死に逃げてきたのである。その騒動も含め美月のご機嫌が斜めであった。
「何よ!クラスのみんなったら!奏が来たからってはしゃいじゃって!」
「転校生が来た初日はこんなもんじゃないかな?しかも転入してきたのが奏君みたいな美少女だしね。小説やドラマでもよく使わされる展開だから期待はしていたけど、廊下からのぞいていたら予想道理の展開になっていて僕としてはとても面白かったよ。」
(確かにあれはすごいというか…恐ろしかった…)
「そんな見てないで助けてくださいよ!ここまで抜け出してくるのだって大変だったんですからね!!!」
「まあまあ、少し落ち着いて。僕が出てくのは不自然だし。たとえ出ていったとしてもあの勢いを止められる自信はないよ。」
「それに人のことを『鬼だ!貧乳だ!』って人が気にしてることを言ってくるんですよ!ひどいと思いませんか!?絶対後で田中は〇す!!!」
「胸なんてただの脂肪の塊だからそんなに気にしなくてもいいと僕は思うけどね…」
「女の子は気にするんです!!!先生はもう黙っててください!!!」
美月はお弁当を持つと後ろを向いてしまう。
「ハイハイ、わかったよ。それより奏君は食べないのかい?さっきから昼食に手を付けてないみたいだけど?」
「あ、はい。食べます…ってか食べて大丈夫なんですか?一応この体は機械ですよね?」
「あれ知らなかったかい?食べて大丈夫だよ。君の体の半分は機械や樹脂だけど、もう半分は生体パーツだよ。口から摂取した食べ物もエネルギーとして変換できるらしい…というか昨日から何も口にしていないのかい?」
「はい、特にのどが渇くことも空腹感も感じなかったので。」
「ちょっとまずいかもね…ちょっと失礼するよ。」
そういうと先生は俺の耳たぶを軽く触る。そうすると視界にゲームの時のようなインターフェイスが表示される。視界の端に周囲のMAP情報やよくわからないアイコンのマークなどが複数表示された。
「これでいろいろ表示できたと思うけど。左上のエネルギー残量はどれぐらい残ってる?」
「えっと37%ですね。」
「よかった。まだ余裕があったようで安心したよ。だけど一応あれを飲んでおこうか。」
そうすると先生は冷蔵庫の中から有名メーカーの栄養ドリンクを取り出し机の上に置く。
「これってリポGですよね?俺が飲んでも意味あるんですか?」
「見た目だけらしいよ。中身は君の体を動かす燃料の現液らしい。詳しい成分は僕も聞いてないから知らないよ。」
リポGを手に取り一気に体に流し込む。味は本物のリポGと変わらない。飲み終えてすぐにエネルギーメーター横に雷マークが付き、徐々にメーターが回復していく。
「エネルギーの充電?が始まりました。これってエネルギーが無くなるとどうなるんですか?」
「詳しくはわからないけど倒れると思うよ。その前に君はその体についてどれぐらい知っているんだい?」
「…何も知らないです…」
そういえば昨日は目が覚めてすぐ父さんに絡まれたと思えば1時間放置され、美月の優先生に再開した後すぐに家に帰ってしまった。母さんと話したのは目覚めた直後の一瞬だけだ。
「まったく…君のお母様は優秀だけどそこら辺の面倒は見てくれてないのか…しょうがないから僕が軽く説明をするよ。昼食でも食べながら聞いてくれ。」
そうすると先生は保健室の端にあるモニターに説明書らしきフォルダーを開き説明を始める。昼食を食べながら軽く聞いてわかったことは。
1.エネルギー補給は通常の食事を3食取っていれば基本的に大丈夫。
2.通常状態(現状)では身体能力に制限がかかっており一流のアスリートレベルである。
3.さっきよくわからなかったアイコンは聴力強化・視力強化・筋力強化などと通話・メッセージ・web検索などらしい。操作方法はアイコンに意識を向けるか強く念じることで使えるらしい。(ここら辺は慣れないと難しそうだ)
4.これが一番の問題である。食事をするのだからもちろん排泄もしなければいけない…やり方は一般人と変わらない。(女性)………とりあえず今考えるのは辞めよう。わかっていることは学校では無理だね♪
説明を聞いた後、先生が母さんに連絡を取りのどの渇きや空腹感などのリミッターが取り除かれた。…そう、尿意や便意も感じるようになってしまった。
昼休み後の5・6限目、HRと脂汗を掻きながら(イメージ)必死に尿意に耐え、全力疾走で帰宅するのであった。
久々に書く気になったんで書きますタ。もし続きが気になる方がいましたら感想などで催促してください。そうしないとたぶん更新は半年以上開く気がします。(モチベをプリーズ!)