(番外編)×××
「お兄ちゃん!早く早く!」
「アンナ!そんなに慌てたら転んじゃうよ!」
そんな事を言いながら僕も一緒に走っていた。なんでかはわからないけど、妹一人で行かせたらいけない気がした。普段から母さまに目を離してはいけないと、父さんに手を離してはいけないと言われているからだろうか。幼い僕には分からない。
平和な日常。戦はあるけれど、それは上層階級のみの話であって、一般人であり非戦闘員である僕らには関係のない事だった。
それなのに。あちらには階級なんて関係なかった。
其れは突然だった。僕とアンナの目の前に光が落ちてきた。驚いて僕はアンナの手を離してしまった。その途端、何かが僕とアンナの間を猛烈な勢いで通り抜けていった。
その後のことは分からない。ただ一つだけ分かるのは、もうあの手を握ることはできないという事だけだった。
どうして。
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第三司令部から本陣へ。『災厄』が復活しました。速やかに排除せよ。繰り返します___________
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本陣から第二司令部へ。対処できません。至急増援を願いま_____________·······
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第一司令部から本陣へ。応答せよ。応答せよ。応答せよ。応答せよ。
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ず
る
り
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私がおそらく最後だろう。酷い有様だった。何処もかしこも灰と血まみれで、砦なんてとても見れたものじゃなかった。まあ、今の私の姿だって、見るに耐えないものだろうけれど。嗚呼。こんな事になるのなら、最初から事実を伝えておけば良かった。我らが唯一の________________
誰の何がずるりしたんでしょーねー(棒)