後継者
「何か有力な情報はあった?」
「こっちは全然ダメなのです」
「すみませんご主人様、猫さんにも聞いて回ったのですが…」
「そうか、私はなんとなく分かってきた気がする」
「本当ですか!?」
「ああ、明日は皆で行ってみよう」
どうしてもクーラのことが気になる、明日もう一度会いに行くことにした。
~夜 路地裏~
「こんばんは、クーラさん」
「また、貴方ですか」
「少しは私の話を信じてもらえたかしら」
「そんなことは…」
「少し昔話をしましょうか、昔々あるところに二人の公女がいました。彼女達はその国の王女になることを約束されていましたが、なれるのはどちらか一人だけ姉である公女は王女になれると確信しておりましたとさ、しかし、彼女には子供ができなかったのです。後継者がいなければ女王を継ぐことができない、そして選ばれたのは妹の公女でした、姉は大変怒り城を出ていきました。女王となった彼女は、双子の子供を授かりました。彼女らは元気良く育ちましたがある日突然女王が倒れてしまったのです。本来長女が後継者となるのが決まりでしたが、女王の血を色濃く継いでいる妹が選ばれ、姉はとある夫婦に託されましたとさ」
「私の瞳は蒼…」
「そう、そして女王陛下の瞳の色は赤」
「私の髪の色は白」
「女王陛下の髪の色は金色、あなたは父ぎみの血を色濃く受け継いだのでしょうね、本来ならば貴女がこの国の女王となるはずだった。しかし、大人たちの勝手な理由でその夢は途絶えた。奇しくも前女王の時と同じように」
「だからなんだっていうの?今さらそんなことを聞かされてもどうしようもないじゃない」
「なれますよ、貴女は女王を打倒し新たな女王となるのです」
「そんなことできるわけないじゃない!」
「できますとも貴女には素質がある。私が取って置きの魔法をかけてあげましょう、きっとあなたも本来の力に目覚めるでしょう」
そう言うとフードの女は私の額に手をあてる。するとだんだん頭の中がボーッとしてきた。
「貴女はこの国の本当の女王、革命軍を率いて女王を打倒するのです」
「わたしは…女王…」
「そう、貴女は女王クーラ アモール プリシア」
「さぁ、私と一緒に来るのです」
「はい」
クーラとフード姿の女はそのまま暗闇へと消えていった。
「まったく、クーラ遅いねぇちょっとあんた様子見て来てくれないかい」
「分かったよ」
店の主人は裏口を探すがそこにクーラの姿は無かった。結局その夜はクーラが帰ってくることはなく夜が明けた。
次の日酒場に行くと彼女の姿が見当たらない、店主に話を聞くとどうやら昨日の夜から姿が見えないらしい。
「どうやら一足遅かったようだな」
「どういうことなのです?」
「彼女、クーラはおそらくこの国の女王の双子の姉妹それを影で利用しようとしてる奴がいたってことさ」
「そ、それは一大事なのです!」
「しっ、声が大きい」
ミナはしまったという顔を見えると今度は小声で話し出した。
「そういえば、前女王は第一公女ではないと聞いたのです。姉であった第一公女様に子供ができず、妹であった第二公女が前女王であると、そして第一公女様は城を出ていったと聞いたのです」
「なるほど、だんだん分かってきたぞ」
おそらくクーラを連れ去ったのは第一公女、クーラを利用してクーデターでも起こす気か、しかしクーラがそんなことに協力するとは思えないが。
「とにかくこの事を女王様に報告しよう」
「はいなのです」
ことの事情を話すべく城へと向かうのであった。




