帰国
船に戻るとビスタネットがこちらに気づき近寄ってくる。
「お、その顔はうまくいったみたいだね、もう用件はいいのかい?」
「はい、またお世話になります」
「はは、いいってことさそれが私の仕事だからね」
「ところで、そっちの嬢ちゃんは来るときいなかったけど一緒に連れてくのかい?」
そういえば、この子の事を何も考えていなかった。無理に置いていってもまた着いてくるだろうし連れていくしかない。
「はい、私の知り合いなんです」
「そうか、いつでも出航できるから船にのりな」
こうして俺たちは魔族と呼ばれる人たちが住む国、ベラルージュ大陸を後にした。
~船内~
さてと連れてきたはいいがあのアンドロイドの少女どうしよう、私を連れ帰るまでは離れなさそうだし私を無理やり連れていこうと思えばできるだろうがそうする様子もない、なんか向こうの方でこちらを恥ずかしそうにチラチラ見ているのが気になるが…、それに戻ると約束してしまったしなまた逃げてしまうのもなんだかかわいそうだ。
そういえば、貰ったはいいけど勇者の力って具体的にどんなのだ?
「勇者の加護 あらゆる物理、魔法によるダメージを和らげる、また弱い攻撃を無効にする。
勇者の剣技 あらゆる対象に対して物理ダメージを与えることができる。例え相手が肉体を持たないものであってもその例外ではない。
勇者の眼力 弱い相手ならその力だけで相手を屈服させることもできる、また相手の眼を見ることでその物の偽りを見抜くこともできる。
勇者の技量 あらゆる武器を扱える。特に剣を持ったときのステータスを大幅に上げる」
サンキューニコ、というか勇者の力も大概だな。
「あの」
「ん?」
突然少女が話しかけてきた。
「名前…」
「名前?」
「私の名前、つけて」
「つけてったって、博士に貰った番号みたいなのがあるんじゃないのか?」
俺のは4545とかだったっけ、こんな文字列が名前だとは俺はごめんだがアンドロイドであるこの少女がそんなことを言うなんて思わなかった、あの時博士は機械にも魂は宿るとか言ってたな、現に転生した俺の魂はこの体に宿ったのだが、もしかしてこの少女にも魂が宿っていたりするのか?俺と同じく博士に作られたのだとするとそれもあるかもしれない、けど名前をつけてと言われてもなぁ。
「No.1000」
「え?」
「私の識別番号」
「1000か…、よしじゃあトーラなんてどうだ?」
「とーら…ありがとうお姉ちゃん」
そう言うとトコトコとハルの方へ走り出すと何やら嬉しそうに話している。
「そう、ご主人様に…それは良かったね!」
どうやら名前をつけて貰ったことを自慢しているようだ。こうしてみると普通の女の子なんだが、一度戦闘に入れば魔獣すら瞬殺する力を持っている。しかし、不思議とトーラからは悪い感じはしなかった。これも勇者の力なのか分からないが自然とそう感じたのだ。
この任務が終わったらどうするかな…とりあえず次の目的地はギラン帝国か、あまり戻りたくはないが幸い俺は姿形を変えれるしこっそり博士に会うことも出来るかもしれない、それに俺を逃がしてくれた博士なら悪いようにはしないはずだ。俺自身もう一度会いたい気持ちもある、ともあれまずは女王様に報告だな。
俺は背伸びをして横になると疲れていたのかすぐに眠りについた。




