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美少女の俺、洞窟をさ迷う

とりあえず、ここから出たほうがよさそうだ。追っ手ももう諦めただろうし。


「ニコ、帰り道は分かるか?」


「はい、マスターサポートします」


ニコの指示通りに歩き出す、そういえばあらゆる情報が開示されたとかいってたな、ちょっと色々聞いてみるか。


「俺は何のために作られたんだ?」


「帝国の戦力増強をはかり、そのプロジェクトの一つとして、戦闘能力に優れ自由にその形態を変えることができ、また、ある程度自立行動が可能なマシンを想定し、博士により製造されました」


「帝国とはなんだ?」


「リンド大陸を納める大国です、首都レイズに位置しています」


「俺の能力は他にはあるのか?」


「マスター自信の能力は、対象を回収、解析、構築するのみです、しかし、解析されたものの100%の力を引き出せます。また、人以外でもあらゆるものを模造できます」


「具体的には?」


「解析したものの肉体はもちろん、対象が持つ能力や、技術なども完全にコピーできます。ただし、記憶や感情などといったものはコピーの対象外となります。おそらく、そういったものは不要だと判断されたからだと推測されます。また、生物以外にも兵器や、石といった無機物にもなることは可能です。ただし、自分よりも極端に体積が小さいものにはなることが出来ません、逆に大きすぎるものはその分、構成、維持をするのにも大量のエネルギーを消費してしまいます」


それはつまり、対象が凄腕の剣の使い手とかだったらそれを完全にコピーしたり出来るわけか、すごいじゃん俺。というか今の俺は完全に人間だ、この皮膚の感触やさっきのおっぱ…こほん、髪の毛なんかもさっきまでの機械の体とは思えない。どういう仕組みなんだ?


「対象を細胞レベルまで解析しエネルギーを物質に変換、このエネルギーはあらゆる物質に変化することが出来き、生物から物にいたるまであらゆる物への再現を可能にしています」


成る程分からん、まぁ良く分からんがこの機能のおかげで人間になれたらしい。


それより結構歩いた気がするのだが、かなり疲れたので一休み。


よっこらせ、ってなんだかオッサンみたいだな、少なくとも今は女の子だ、もっと女性らしくしなくては、っといっても女性なんて初体験だし女性らしくなんてわからんが。


ん?俺今疲れたって言ったよな事実疲れたんだが、ついでに裸足なので足も痛い、だが問題はそこじゃない、アンドロイドなのに疲れるのか?


「マスターの体は現在取り込んだ少女と完全に同期シテイマス、よってその状態での運動は疲労へと変わります。同期を解除すれば疲労はなくなりますが、解除しますか?」


「いや、このままでいい」


どうやら、デメリットもあるらしい、だがあの骨組みだけの姿には戻りたくないので却下。


「へっくし!」


あー寒い、こんな格好だから仕方ないか、なにか体が暖まるような魔法はないかなぁ。


「あります、実行しますか?」


あるんかーい!お願いします。ん?おおーなんだか体がぽかぽかしてきた、魔法って便利だな。


それにしても、大分歩いたと思うんだが今どの辺だ?


「マップを表示します」


んーっと、えぇ!?まだ全然進んでないじゃないか。


なにか外に一瞬に出られる魔法とかないものか。


「あります、実行しますか?」


あるなら最初から言えよ!


「指示がありませんでしたので」


そういうところは融通がきかないな、まぁいいやとりあえず外に出よう。


「この能力は、マスターのものではなく、少女の能力デス、ですのでサポートします」


呪文を唱えると一瞬で入り口にたっていた。魔法スゲー!

さて、これからどうするか。あてなどあるはずもなく、いきなりあなたはロボットです、それではどうぞ、みたいなスタートだったので何をしていいかさっぱり分からん。


うーん、ゲームだったらまずは町からスタートだよな?こんな格好で、動き回るのも嫌だし。


「よし、まずは一番近い町に案内してくれニコ」


「イエス、マスター」



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