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アモール王国へ

「ところで、アモール王国へはここからどれくらい離れているんだ?」


「そんなに遠くではないのです、道なりに歩いて半日くらいなのです」


かなり離れてるんですがそれは…、半日歩き続けるのはきついな。


「何か移動手段はないの?」


「そこで馬が借りられるのですよ、でも姉様はともかく私は馬に乗ったことはないのです」


馬か、俺も乗馬とかしたことないんだけど、おそらくキアラのスキルなら乗れるだろう。問題はハルだな。


「ハルは馬に乗れたりし…ないよな」


「この子がエスコートしてくれるから、乗ってるだけで大丈夫って言っています」


「そうか、馬がエスコートしてくれるから大丈夫か…って馬がそう言ってるのか?」


「はい」


馬とも話せちゃってるよこの娘。まぁなら問題ないか。


「じゃあミーは私と乗ろうか」


「分かったのです」


ん?あれは…


見ると昨日腕を掴んで俺を拉致しようとした少女が辺りをキョロキョロしながら歩いている。


慌てて身を隠す、少女はしばらく辺りを見回すと何処かへ歩いていった。


あの子まだ俺を探していたのか、一体なんなんだとにかく今は見つかると面倒だ。


「どうかしたのですか、隠れたりなんかして」


「いや、なんでもないんだアハハ」


とにかく早くここから離れよう、馬を二頭借りると早速アモール王国へと走らせた。


「道はこっちであってる?」


「はいなのです、一本道なのでこのまま進めば迷うことはないのです」


それを聞いて安心した、俺は決して方向感覚がいいほうではないからである。それにしても変な感覚だ、馬なんて乗ったことないのにまるで昔から乗っていたような感覚、自分が知らないことを知ってたり出来たりするのは違和感があるな。


街道は整備されていて魔物が出ることもなく、順調に歩を進めていた。しばらく進むと、小さな家がポツポツと見え始めた。


「あそこはなんだ?」


「あれは、モールと呼ばれる休憩所なのです」


「少しあそこで休んでいくか」


馬を近くにとめ、一休みすることにした。家の中は普通のレストランといった感じで、客のはあまりいないようだ。


「いらっしゃいませ!」


店内を見回していると奥からこの店の人だろうか、若い女性が駆け寄ってくる。


「三名様ですね、あらあなたはもしかして巫女様ではありませんか?」


「え、あ私はその、ちが…」


「やっぱりそうです!巫女様には以前お世話になりました。サービスしますので、どうぞお座りください」


言われるがまま席につくと、しばらくして料理が運ばれてくる。


「こちらの飲み物はサービスですので」


そう言うと三人分の飲み物を差し出した。なんか、騙してるみたいで悪いな。この人のいっているのはおそらくキアラのことだろう。


「見た目は姉様と変わらないので、間違われても仕方ないのです」


「キアラさんはたくさんの人から愛されているのですね」


「当然のです、姉様は特に魔法の力に優れ治すのが難しい病気なんかも、治療することができるのです。なのでアキラさんも発言や行動には気を付けるのです」


「いちをキアラの妹ってことになってるんだけど」


「それを会う人会う人に説明するのですか、それに遠目で見てる人などには区別できないのです。姉様はこの辺りではかなり有名な方なのです、昔、女王様が熱を出されたときもそれを治したのは姉様なのです、なのでおそらく知らない人はいないと思うのです」


ここにきてこんな弊害があるとは、ミナの言う通り行動には気を付けよう。


お金を払おうとすると、今回はいいと言われたが流石にそれでは騙しているみたいだったのできちんと払うと再び馬を走らせた。

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