休息3
翌日も特にすることはなく、町をぶらぶらと歩くことにした。
…、そういえば最近ニコと話してないな。
「ニコいるか?」
「はい、マスター何かご用件でしょうか」
「いや、特に用件と言うことでもないんだが最近あまり話しかけてなかったから、悪かったかなと思ってさ」
「ノー、マスター私は放置されたからといって、構ってほしいなどという感情は持ち合わせておりません、マスターが必要と思われたとき呼び出して頂ければ十分です、それにマスターがあまり私を頼らなくなったと言うことは、マスターがこの世界での自立をし始めていると言うことなので、むしろ喜ばしいことです」
「でもほんとニコがいなかったらここまでこれていないよ、これからもサポート頼むよ」
「はい、私は常にマスターと共にあります」
ニコは頼れる親友って感じだな、他の人に言えないこととか、分からないことなんかに的確に指示してくれる。
???「見つけました、お姉ちゃん」
突然腕を捕まれた、振り返ると少女が俺の腕を掴んでこちらを見上げている。もちろん知らない少女だ、このパターンは嫌な予感しかしない。
「人違いじゃないかな、私はあなたのこと知らないよ」
そう言って振りほどこうとしたが、少女とは思えない力で捕まれた腕は振りほどくことが出来ない。
「私と一緒に来てもらいます」
そういいながら、無理やり引っ張られる。抵抗しようとするがその小さい手から逃れることが出来ない。
「ちょ、ちょっと待って行くって何処にいくの?」
「それは、言えません」
どうしよう、こんな少女に手をあげるわけにはいかないし、無理やり離そうにも物凄い力で振りほどけそうにない。
「そうだ、これあげるからちょっと待ってよ」
ポケットからあめ玉を取り出すと少女に手渡す。
「これはなに?」
「あめ玉だよ」
「あめ玉ってなに?」
「口に入れてなめるととても甘いもの」
少女はあめ玉を口の中に入れると目を輝かせている。
「おー」
「あめ玉もっとよこす」
「そうだなぁーじゃあ両手出して」
少女は頷くと掴んでいた手を離し、両手であめ玉を受けとる。
「あそこにお店が見えるでしょ?あそこでいっぱい買えるから、このお金で買ってくるといいよ」
そう言っていくらかお金を渡すと、嬉しそうに店の方へ走っていった。
悪いけど今のうちに逃げよう、すぐにその場を離れた。一体なんだったんだ急に一緒にこいとか、それにお姉ちゃんとかいってたけどミナ以外にお姉ちゃんなんて呼ぶ知り合いは思い浮かばない、小走りで歩きつつさっき捕まれた腕を見てみるとアザになっていた。
なんて力だよ、あんな小さい体であれほどの力が出せるとは思えないが、やはり逃げて正解だった。ひとまず神社の中へと隠れることにした。
ここにいればひとまず追いかけてくることはできまい、……追いかけてきた?まさか、俺を取り戻しに来たのか?すっかり忘れてたけど俺って人間側の秘密兵器だったんだっけ、だとしたらそんな危険な兵器を連れ戻すのにあんな少女を送り込むはずはないか、とはいえ今日は外を出歩かないほうがよさそうだ。




