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ロボットの俺、脱出する

とりあえず、体を確かめてみる。ロボットだ、うん、皮はついていないようで、機械むき出しといった感じだ。なんかすっぱだかみたいでちょっと恥ずかしい。まさか初っぱなから人間やめるなんて、とほほ。動かそうとしてみるが体は上手く動かないようだ。


「ハズカシイとはなんですか?マスター」


「恥ずかしいってのはあれだ、あのーー・・・・」


恥ずかしいについて説明なんてしたことないから全然答えられない、恥ずかしいってなんだっけ?


「エッチな本を母親に見られたときとかそんなんだよ」


「了解しました。ハズカシイとはエッチな本を生みの親に見られたときに使えばよろしいのですね?」


いや、ちょっと待て、その覚え方は間違っている気がする。


っとドアが空き、何者かが入ってきた。俺の視界がその人物を捉え解析していく、そして頭の上にミザエイル博士と表示されていた。


あれが俺を作った人か、言い換えれば生みの親とでもいうべきか。博士って言うくらいだから、白髪のお爺さんってのを想像してたけど、見た感じ若いな。


「どうやら正常に作動しているようだな、私が見えているかね?」


返事をしようと思ったが、どうやら発声機関はないらしい。


「ふむ、どうやら成功したようだな・・・、だがお前は帝国に引き渡さくてはならなくなった、マスターキーと一緒にな、このままではお前はただの戦闘兵器として使われるだろう」


なんだって!?マスターキーごと売り飛ばされるのか?自分の意志とは関係なくただの戦闘マシーンとして働かされるっていうのか?そんなんじゃ名声を上げるどころの話ではなくなる、冗談ではないぞ!


「私はお前に自我をもたせた、おそらく今こうして話している内容も自分で判断し私を恨んでいるだろう」


「ただの戦闘マシーンにするだけなら自我などは不要だったが、お前を作っているうちに私は可能性を感じた、ロボットにも魂は宿るのだと。だが、帝国のやつらにはそんなものは不要らしい」


どうやら、ミザエイル博士は機械に人と同じ魂を宿らせようとしていたらしい、その入れ物に転生した俺の魂が宿ったってわけか。


博士はおもむろに何かを取り出す、それは鍵のような形をしていてキラキラと虹のように輝く美しい物だった。それを俺の体に差し込んだ。


体に電気が走る、ものすごい情報が頭の中を飛び交っているのが分かる。


「マスターキーの接続を確認しました。これより、すべての権限をマスター自信へと移行します」


マスターキー?権限?今俺の体に差し込まれたのはマスターキーだったのか?


「これでお前は自由だ、おそらく私は死ぬだろうが、お前は自由に生きるがいいそして、いつの日か…いやいい、もうこれで動けるはずだ。さぁ警備が来る前にここから抜け出すのだ」


確かに、体は動く俺は取り付けられていた機器を取り払い、その足で入り口の前に来た所で振り返る。博士は、笑顔で手を降っている。ありがとう博士あなたからもらったこの命、ただの戦闘マシーンになるためだけには使わせない。


俺は走った。後ろでアラームと人の叫び声が聞こえてくる。森を抜け、山をこえ、洞窟へと潜り込んだ。


「この中だ、追うんだ!」


「しかし、この中はダンジョンになっていて、魔物も多く生息しています」


「あれを逃しては、上からどんな処罰が来るかわからんぞ、いいから追うんだ!」


まだ追って来るらしい、捕まれば終わりだ戻ることは出来ない俺はひたすら洞窟の中を進んでいった。

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