パーティー戦
ライオンの顔と羊の顔、それに尻尾には蛇の顔がついている。
「対象を解析中」
ブラッドキマイラ 種族 魔獣
性別 不明
筋力 B
瞬発 C+
耐久 B
魔力 B
幸運 C+
潜在能力 A
この魔物とんでもなく強い、幸い寝ているようでこちらには気づいてないみたいだ。だが、見た限り道はここ一本で通り抜けられそうにない。
「こいつ倒せるのか?」
「絶対無理でしょ!」
確かに個々の力では勝てないだろう、だが幸いなことに今の俺たちは四人で協力すればなんとかなるかもしれない。
「協力すれば倒せるかもしれない」
「何か作戦があるのか?」
「ミナ、奴のことは何か分かるか?」
「あいつは、ブラッドキマイラなのです。羊、ライオン、蛇の三つの顔を持ち、それぞれ違う攻撃を仕掛けてくるのです。蛇は毒攻撃、ライオンは物理攻撃、羊は魔法攻撃を使い、なかなか対処が難しい相手なのですよ」
「では、私とゼルで前に出ます。その援護をミネア、回復と魔法による防御をミナお願い」
皆一斉に頷き臨戦体勢に入る。奴はまだ眠っている今なら先制攻撃のチャンスだ。
「バイリス」
ゼルと自分自身に魔法をかけると同時に二人で寝ている魔物に切り込んだ。しかし、こちらの気配に気づいたのか斬りかかる直前にかわされてしまう。さらに、寝ているのを無理やり起こしたせいかかなり怒っているようだ。魔物は臨戦態勢に入ると同時にものすごい咆哮を放った。
ゴォォァァア!
体がビリビリと痺れるほどの咆哮と同時に寝ていた羊と蛇の頭も目を覚ました。キメラはそのまま真っすぐにゼルと俺の方に突進してきた。その爪をかわすと前後に分かれる。ゼルは後ろを取ったが、すぐに尻尾の蛇に睨まれる。
「まいったな、すきがないぜ」
蛇は、ゼルを敵と判断しすぐに襲いかかってきた。噛み付こうとする蛇を剣ですばやくいなす。すると蛇の口から体液が飛び散り辺りにばらまかれていく。
「それに触れてはだめなのです。強力な毒が含まれているのです」
飛び散った体液が岩に触れるとみるみる溶けていく。こんなものの直撃を受けたら人の体などひとたまりもないだろう。
「おいおい冗談きついぜ、この液体全部避けながら戦えっていうのかよ」
蛇の口から体液の塊が飛ばされる。
「ウォールロック!」
ミネアの呪文と同時にゼルの目の前に岩の壁が出現し、蛇の攻撃から守った。
「助かったぜミネア」
「油断しない!次が来るわよ」
岩の壁はみるみる溶かされ、さらに蛇が追撃をかけてくる。
「おっと、危ない危ないそう簡単にはやられないぜ」
しかし、どうしたものか飛び散る毒のせいでなかなか近づけない、おまけに攻撃は受け止めることができず避けるしかない。なんとかやつの懐に潜り込めれば勝機はあるか。
どうやらゼルはかなり苦戦しているようだ。しかし、それにかまっている暇はない、正面には二匹の魔獣ライオンと羊の頭がこちらを睨みつけている。
羊が鳴き声を上げると同時に魔法陣が展開し無数の氷の刃が襲いかかる。それをかわすがすかさず爪が襲いかかってくる。
ギャキン
なんとか剣で受け止めるが、ものすごい力に押しつぶされる。もともと力はそんなにないので、真っ向勝負では勝ち目がない。
「ぐぐっ」
「ライゲキ!」
ミナの魔法で一瞬力が緩んだところを抜け出し、すかさず切り込むが寸前のところで再びかわされる。
こいつ見た目の割にかなり素早い、なんとか足を止めないと。
「アグニ」
魔物めがけて火球を放つが、再び羊の魔法陣が展開し見えない壁に弾かれた。まじかよ、俺の最も強い魔法も効かないのか。
「対象、対抗魔法を展開しアグニを相殺したと思われます」
あの羊頭をなんとかしないと魔法も効果がうすいか。物理もかわされる、耐久も高いせいか当たっても分厚い毛皮にほとんど弾かれてしまう。こいつ相当厄介だ。
蛇の口から何やら黒い霧のようなものが吐かれ、その霧はすぐに洞窟内を覆った。
「うっ」
「ミネアどうした!」
「急にめまいが」
「これは・・・・毒霧なのです」
「ヒーリスサークルミナ」
ミナを中心に光の輪が広がり俺たちを包む。
「これで、毒とダメージは緩和できるはずなのです」
しかし、まずいなこのまま長期戦になればこちらが圧倒的に不利だ。なんとかこいつを仕留めないと。




