美少女の俺、無一文になる
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く、苦しい、お腹の上に誰か乗っている感覚、まさか、心霊特集とかでやってるアレか?夜中正座をしたババアが恨めしそうに乗っかているあれなのか!?
にゃ~
最近のババアはにゃ~となくようになったのか?だが、目を開けなければいいだけの話だ、ふふふ、どうだお前を見なければその後の展開もあるまい。
「にゃ~ご主人様、朝です!」
っく、ババアの分際で俺の母親のようなことをいいやがって、あれ?この展開は前にもあったような、ゆっくり目を開ける。
「やっと起きましたね!朝ですよ、ご主人様起きてください」
ハルだ、いつものように俺を起こしにきたらしい・・が、いつもよりだいぶ重い。
「ぐ、ハルわかったから俺の上から降りてくれ苦しい・・」
「はにゃ、すみませんご主人様つい、いつもどおりやってしまいました」
「うん、分かってくれればいいんだ。それではお休み」
ふぅ、これでやっと安眠でき・・・おふぅ!
「ご~しゅ~じ~ん~? 起きないとやめませんよぉ!」
分かったギブアップ、仕方なくベットから這い出る。
「やっぱりご主人様はハルがいないとダラしないんですから!」
「ごめんごめん、今ご飯あげるからな、えーっとキャットフードはっと・・」
そんなものこの世界にはないか・・・、というか今のハルは見た目ほぼ人間だしペットに与えるものではなんだか可愛そうな気がする。
「ご主人様、ハルはお腹が空きました」
「すまん、今はキャットフードがないんだ。これから何か買いに行こう」
「ハルは、キャットフードよりツナ缶がいいです」
贅沢なやつめ!とにかく、今手元に食べるものはないので町をぶらつくことにした。
ポケットに手を突っ込む、銅貨が6枚出てきた。うーむこれで足りるのか?とはいえこれしか残金はない。
「いらっしゃーい、安いよー!串鳥が1本銅貨1枚だぁー、お、お嬢ちゃんカワイイね2本で銅貨1枚でいいから買ってかないかい?」
「ご主人様、あれすごく美味しそうですぅ!じゅるり」
そうだな今はいくらでも安いもののほうがいい、というか美少女でよかった色々まけてもらえるわ、宿を貸してくれるわ、これが薄汚れた男だったら見向きもされないんだろうなアハハ。
「まいどありー!」
「ご主人様これすっごくおいしいですぅ!」
腹もある程度膨れたし、次は武器でも見に行くかしばらくはモンスターを倒して資金を稼ぐことになりそうだし、棒きれじゃ心もとない。
「ニコこの辺でいい武器屋はどこだ?」
「この通りを50メートルほど歩いたところに該当するものがあります」
サンキュー、ニコがいてくれてよかったぜ、この世界にきてからまったく0からのスタートその中で色々情報をくれるニコはいわば俺たちの生命線でもある。
「いらっしゃい、武器がほしいのかい?」
「はい、銅貨5枚で何かありませんか?」
「銅貨5枚だって?帰った帰った、冷やかしなら帰ってくれ」
「そんな事言わないで、ねぇおじさま」
「っるせー!うちはそんな店じゃねーんだよ!よそでやれよそで!」
っちケチなオヤジだ!
「どうしてもっていうなら、こいつで我慢しな!」
ひょいと何か渡された、ってこれただの鉄の棒じゃないか!こんなものが銅貨5枚なのか!?
こちとら客だぞ!?
「嫌ならかえんな」
「ありがとうございます、大事に使わせていただきます」