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小話と短編は連載となる  作者: 黒田明人
2章 連載版・色々と想定外
27/27

17 色々想定外らしい


なるべくあの街から遠ざかるように、足早に小走りにそして全力を挟みつつ、着いた場所はかつての場所、つまりは最初の廃墟の場所だった。


やれやれ、戻っちまったな。


それにしても、あの街しか人類が居ないって事も無かろうに、本当に出会わないものだな。


人間もどき1体と役人1人しか出会ってないぞ。



勝手知ったる、初回の廃墟。


使っていた鍛冶屋の仮宿にとりあえず住むとして、荷車の中から色々取り出しておく。

どのみちベッドも使うから、囲炉裏端に置いておくか。

道具の修理なんかもしたいから並べておこうか。


荷車は横付けにして、ドアの代わりに使うとして、隙間風は防げないけど、野犬とかは防げそうだな。

途中で狩った動物の解体もしないといけないけど、倉庫の中だからとりあえずは良いかな。

道具を出す羽目になりはしたものの、時の止まる倉庫は獲物の仮置きには最適だからな、

どうしても道具類は出す羽目になる。

それでもかなりの数を狩ったから、当分は狩りに行く必要も無いだろう。


それはそれとして、あの街から鍋やヤカンやその他調理器具をせしめたし、鉱石の類も荷車に満載だし、小麦もそれなりにあるし、布団に毛布にベッドに枕と。

かつてとは全然違うから、しばらくの滞在もやれるだろう。


塩もたくさんあるしな。


そういやあの町でも塩は手に入ったんだが、意外と調味料が豊富なのかな。

特に商会っぽい店では香辛料っぽいのも色々あったし、乾燥した食材っぽいのも色々あったので、邪魔にならない程度はせしめておいたんだが、あんまり高くないのなら、買い物に行くという手もある。


もっとも、あの人間もどきが居なくなればの話だがな。



(これは、どうした事だ)

(た、すけ、て……)

(おい、あいつはどうなったんだ)

(怖い、化け物、怖い、助け……)

(しっかりしろ、おい、おい……ダメだ。くそ、私が居ない間にどうなったんだ。あいつは、どうなった)



目覚めると暖かな部屋。


やはり囲炉裏があると違うな。


何かするにもあるのと無いのとでは大違いだ。


ここ最近、道具の修理ばかりで疲れていたんだな。


こんなところで転寝するなんて。


ちゃんとベッドで寝ないと、いくら暖かいと言っても風邪を引いたら困るからな。


そうしてベッドのほうをふと見ると、あり得ない者が見える。


なんっ……


何故、そこにいる。


何故、そこに寝ている。


そんな、そんな……想定外だろ。


『ホール』『ホール』『ホール』『ホール』


はぁはぁはぁはぁ……


そして最後に埋め戻し。


推定深さは400メートルの彼方、そして地面厚は50メートルぐらいにしたはずだ。


ベッドは惜しかったけど、背に腹は替えられない。


もしかして、あいつ、転移スキルとか持ってないよな。


あればこの作戦は無に帰する。


いかん、逃げないと。


折角の逃避行だったのに。


やっと落ち着けると思ったのに。


待てよ、あいつがこっちに来たと言う事は、あの街にはもう居ないって事だ。


人も移動していたし、あそこに行こう。


そうしてあいつに転移が無くて出会わないのなら、その事は忘れて生きていこう。


そうだ、そうしよう。



かくして彼は、当時の事を忘れたまま生涯を過ごす。


そうして死の直前に思い出し、やはりあれが最善だったのだと思ったのだった。


色々と想定外ばかりだったけど、あれからはまともに暮らせて良かったよ。


もしかしたらあいつは疫病神か何かだったのかもな。


そんな事を思いながら、彼の意識は薄れていった。


おわり

 

物足りなさを感じています。

もしかすると改稿するかも。

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