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小話と短編は連載となる  作者: 黒田明人
2章 連載版・色々と想定外
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08 背負い大鞄らしい


起きるのが辛くて昼まで寝てしまいました。


裸族の生活とかやっていたので、風邪気味なのかも知れません。

それでも昼過ぎには起きれるようになったので、遅めの昼食の後は道具整理をします。

今日は大事を取って外出は控え、家の中でのんびり過ごします。

それにしても、いつまでもここに居る訳にもいきませんが、まだまだ外は寒いので動くのが嫌です。

獲物もそれなりに獲れるので冬篭りも可能ですが、石の家はどうにも落ち着きません。


それに、やっぱり寂しいです。


なので少し暖かくなったらすぐに移動出来るように、荷物の整理をしておくのです。

謎の褐色の粉の狼袋ははとりあえず小物入れに死蔵するとして、塩のツボから狼皮に移して入れておきます。

ツボもあちら産のような物じゃないのでやたら重いんです。

後は廃村から持って来た口の欠けたツボは廃棄する事にします。

ここには欠けてないツボがあったので、これを利用する事にします。

やはり重いですが、最低1つか2つは残しておかないと、何で必要になるか分かりません。


比較的大きなツボを1つと、小さなツボを2つ持って行く事にします。

大きなツボに塩を纏めて入れて、小さなツボに小分けします。

8つのツボの塩はかなりの量なので、でかいツボに満載になった後、小さなツボにも満載になってまだ3個残っています。

こうなれば後は残った狼皮を使うしかありません。

それで何とか全部収まりましたが、またぞろ袋を作らないと必要な時に困ります。


あの熊皮、袋にしようかな。



燻製になった熊皮をスリスリして柔らかくします。

以前は断念したリュックに挑戦するのです。

今回はランドセルを参考にして、四方を1円玉製リベットで固定してしまいましょう。

消費税の関係で十数枚あった1円玉ですが、全部リベットにしてしまったのでもうありません。

その代わり100本ぐらいの数になったんだけど、とても小さいんです。

穴はギリギリ通る大きさにして、無理に通して叩いて固定します。


実は穂先ノミに柄を付けまして、細工トンカチ風にしてあります。

あんまり派手に叩こうとすると、柄からすっぽ抜けるので注意が必要ですが。

またしてもハンマーを叩き台にして、細工トンカチでリベットを叩いて固定してしまいましょう。

この時、皮革が型崩れをしないように、中に四角い箱を入れておくと良いようです。

そんな物はもちろんありませんので、丸太から形成した木の板です。

重いですが、これでも型崩れ防止にはなるので、このまま拵えていきましょう。


トントンカンカンと、熱中していたら完成していました。


四方のリベットが痛々しいですが、ひとまずはそれっぽい形になりました。

もちろん繋ぎ目にはニカワを流してあります。

フタは長いままの皮革でランドセル方式ですが、なんせ留め金が無いので工夫が必要です。

フタに長方形の穴を開けまして、本体には『Ω』こんな代物を取り付けます。

後は『T』の形の物を拵えまして、上から差すんです。

飛び跳ねたりすると外れるかも知れませんが、移動するだけなら問題無いはずです。

後は長方形の穴の保護に、かつて壊れた鍋から切り取った金属片を『U』に曲げた代物を使って叩いて固定してしまいましょう。

1センチぐらいの大きさのをそれなりに作っていますので、何個か使えばいびつながらも保護になりました。


さて、背負い紐にいきましょうか。


ランドセルのように固定したほうが楽そうなので、この際それを真似てみます。

購入して僅か1ヶ月でベルトのバックルが壊れたのは想定外ですが、この際それを流用してしまいましょう。

ベルトを半分に切って、芯材にします。


使い~だしたら~バキリと~バックルが~割れて~やむなく~♪


ちょっと懐かしい歌の替え歌をやってみました。

誰も居ないからこそやれる事ですが、誰かが居ると味噌が腐ると叱られます。


それはともかく、今はつる紐をベルト代わりにしています。


さてと、皮革を芯材にぐるぐると巻いていきましょう。

もちろん金物は全て外して材料入れに入れてあります。

ある程度巻いたら穴を開けて何ヶ所かリベットで止めてしまいましょう。

これに使うのは5円玉リベットです。

キノコみたいに成型したので、まるで本物みたいです。

ちゃんと中央に穴を開けて、細い丸棒を叩けば反対側が開くようになっています。

渾身の作な代わりに、僅か10個で精根尽き果てましたが。


実はそんなに苦労して作ったは良いが、使い道が無くて死蔵していた品なので、ここで使ってしまいます。

片方5個のうち中間にワッシャを両面にかまして1個使い、両側に2つずつ使います。

巻いた皮革が外れないようにニカワで接着して、鍋材から拵えた2つ穴ワッシャで本体と背負い紐を挟んで止めてしまいましょう。

まずはセンターにリベットを打った後、上下を止めれば仕上がりです。


もう鍋材の金属片も残り少なくなりましたが、これからはそこまでの工作も無いだろうし、特に問題も無いとは思いますが。

ただ、小銭がピンチなので、もうリベット作戦も怪しいです。

残りは100円玉が2枚と50円玉が1枚と10円玉が6枚、これだけです。

そうして精緻で美麗な異世界の紙幣は、ずっと死蔵のままです。


と言っても千円札が2枚しかありませんが。


コンビニとか、デビットカードで楽々支払いだったし、リアルマネーは自販機用ぐらいだったなぁ。

もちろん自販機でもカードが使えたりもしたんだけど、小銭のほうが手軽だったからな。

あれがせめてコンビニの後なら、何か品を持って来れたかも知れないけど、まあそんな事を言っても仕方が無いよな。

それはともかく、ランドセルもどきが完成したので、早速にも色々と入れてみましょう。


おっとその前に底板を入れないと。


底板の四方に穴を開け、でかいモクネジみたいなのを焼いて熱してねじ込みます。

ネジ溝が出来たら他の穴も同様にやった後、木の枝を同じサイズで4本、長さを10センチぐらいで揃えて切ります。

この時、穴の直径の倍ぐらいの木の枝を使い、半分ぐらいまでで木の皮を剥いて削っていきます。

穴にギリギリ入るぐらいに削ったら、底板にニカワを塗ってリュックの底に貼り付けます。


リュックを裏返して穴の位置に穴を開け、木の枝にもニカワを付けてねじ込みます。

焼き溝はニカワの為のものであり、外れ止めになればと思っての事です。

そうして4つ共ねじ込んだら床に置いてみます。

ガタ付きが無いかを確かめて、ガタ付くようなら削って調整します。

後は木口に丸く切った皮をニカワで貼り付けたら完成です。

丸い皮はあんまり意味がありませんが、それでも濡れた地面に置いてもリュックの底が濡れないようにはなりました。


最後に持ち手を作ります。


と言っても単なる皮紐を『U』の形に貼り付けるだけなので簡単です。

用心でリベットは打ちますが、あんまり使う予定では無いのです。


まあ、飾りですかね。


完成したので屋内に置いておきましょう。

そのうちニカワが完全に乾燥したら、荷物を入れようと思います。

さて後はご飯を食べて寝るだけです。


実はニカワを塗るのに使っているヘラは、かつてはクレカと呼ばれていた物でした。

あれは柔軟性があってとても塗り易いです。

さてと、今日も充実していましたね。


おやすみなさい。

 

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